20代の体力のあるうちはフットワークを軽くし多くの方と出会い、絆を深めプロダクションの土台固めをします！　植松やすか

　タレントとして活動しながら今年４月30日に芸能プロダクション「Ｕ.ＭＲＫ」を設立したばかりの植松やすかさん。社名には、植松の“Ｕ”を芸能界にマーキングしていこうという意気込みが込められているという。芸能界の裏側を見てきたからこそ奮い立たされたという事務所を開設した経緯や、裏方ならではの苦労を語った。社長兼タレントが見据える自身の将来像とはーー。

──タレントでありながら、プロダクションを設立しようと決意した経緯は？
「みなさんご存知でしょうけど、タレントをしていると事務所の社長やクライアントの“接待”を要請されることがあるんですね。実際、私の知人にも、口説かれてばかりで仕事にならず、疲れて引退したコもいるんです。あとは、ＡＶに移行するコもいましたね。また、女性スタッフに対する扱いも疑問を感じるところがありました。そういう仲間を見てきて、女の子が安心して働ける環境を作りたくなったんです。私は（性格が）ストレートだから、社長が女性なら彼女たちの気持ちを理解し苦悩に寄り添えると考えています」

──植松さんも口説かれた経験が？
「ないです（笑）経験がないからこそ、起業したようと思ったんです。社長が口説かれて応じていたら、仕事になりませんよ。“枕”をしても仕事に繋がるか確実じゃありませんし、下手したら単なる愛人にされて終わりですから。私は、去年の５月に事務所を辞めてからフリーで活動していたんですね。現場でクライアント様から『女の子を何人か準備して』と頼まれる機会があって、キャスティングもしていたから、起業できると決断できた経緯もあります」

──なるほど。起業して一番大変なことは。
「ギャラ交渉と、ギャラが遅延した時の催促です。フリーの頃から遅延はありましけど、起業した今でも支払ってもらえない会社があるんですよ。以前、所属していた事務所のマネージャーさんが、いかにきちんと交渉していたかということを、改めて痛感して感謝してますね」

──経営者になると、以前よりお金に対する考え方もシビアになりませんか？
「だから同年代の友だちとは話が合わなくなりました（苦笑）昔は私も年相応だったはずなんですけど、今はもっと切実ですね。ウチはクライアント様との懇親会にタレントを連れて行く時は、女の子に帰りのタクシー代を支給しているんですね。会わせた以上は次の仕事に繋げてね！と思うようになりました。この前、テレビ局の方とお酒を飲んだ時に聞いたんですけど、今ってグラビアアイドルが出られる番組がほとんどありません。その苦しい中で私も営業しているんだからって」

──経営者は植松さんより年配が多いと思いますが、接してみて勉強になったことは。
「朝が早くて、飲み会の開始時間が早いですね。朝型の方が多いから18時から、遅くても20時には飲み始めます。それでいてお酒が強い方が多いから、私毎日二日酔いです（笑）先日は、ウーロンハイを１杯飲み切るたびに（現場に女の子を）１人、入れてあげると言われて、どのくらい飲んだか覚えていません。で、家に帰ると毎晩泣くんです。『私、どうしてこんなにたくさん飲んじゃうんだろう』って」

──そこまでカラダを酷使して、植松さんが叶えたい夢って何ですか？
「子役からシニアまで、幅広く人材を揃えたプロダクションに成長させることです。オファーを受けた時に、適材がいないからできないという、取りこぼしをしたくないのです。土台を作るためには、今は毎晩無理をしてでも酒席に参加することが必要なんです。20代でまだ若いから喜んでもらえますけど、40代だったらきっと同じようにはいきません。だからあと４年は毎晩、吐くまで飲んで、土台固めをします！」