映画『TOKYO TRIBE』での好演も記憶に新しい清野菜名さんの記念すべき初主演映画『東京無国籍少女』が、来たる7月25日より、いよいよ公開される。『攻殻機動隊』や『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』など、アニメ・実写の垣根を越えて活躍する巨匠・押井守監督と、新世代のアクション女優との異能のコラボが生みだした最新作。そこに賭ける本人の想いとは──。
「ラストには、私もかなりの想いを賭けて臨んだのであの不思議な世界観を、ぜひ体感してほしいです」
巨匠・押井守が引き出したアクション女優の新境地
──ヒロインの藍は、これまで清野さんが演じられてきた役柄とはずいぶん違う“静”の印象です。実際演じられて、ご自身ではどうでした?「気持ちが詰まっちゃったり、大変な部分はもちろんありましたけど、役柄も含めて、どれもやったことがないことばかり。自分にとってもすごく新鮮でおもしろかったですよ。最初は、台本にもセリフらしいセリフがほとんど書いてなくて、藍の心情とかも分からない部分がたくさんあったんですけど、監督にいろいろとお話をさせてもらうなかで、『強いんだけど、どっかさみしいみたいな雰囲気は持ってほしい』って言われて。そこからは、自分のなかでも芯が固まっていったような気がします」
──押井監督といえば、世界的にも注目されるクリエイターのひとり。現場でご一緒されて、監督に対する印象は変わりました?
「ふだんと違って現場ではすごく怖かったりするのかな、とも思っていたんですけど、現場での監督も、最初にお会いした時と変わらず、すごく優しくて、聞きとれないぐらい声が小さくて、ホワッとした感じのまま。やっぱり声が聞きとれないから、『もう一度、お願いします!』って、何度も言っちゃいました(笑)」
──そして、なんと言っても最大の見どころは、「衝撃のラスト15分」と銘打たれたクライマックス。それまでの“静”から一気に“動”へと爆発している感じでしたね。
「そうですね。途中、思いっきり叫ぶシーンがあったんで、そこでは発散できましたけど、早く動きたくてウズウズしていたことは確かです。しかも、今回の作品でやっているのは、これまでやってきたパンチとかキックとかがメインの“魅せる”アクションとはまったく違う、ホントに人を殺すための戦闘術。だから、これまでなら、顔なら顔、足なら足と大まかに狙えばよかったところでも、すごく細かい指示があったんです。例えばピンポイントで動脈とか、寝技で倒して、締めながら足の筋を切るとか(笑)」
銃を馴染ませ操れるように家でひたすら1人自主練を!!
──それを流れるような一連の動きのなかでこなすとなると、なかなか一筋縄ではいかなさそうです。「銃もホントに重たいものを使ったので、自分に馴染むまでにけっこう時間がかかりましたし、マガジンチェンジも手元を見ずにやるのが、最初は全然できなくて。家に持って帰って、テレビを観ながら、ひたすらひとりで練習したりもしてましたね」
──その甲斐あって、「衝撃の」という形容詞が誇張ではないくらいの迫力あるシーンに仕上がっていました。
「現場では、『ここで音楽が流れるから』とか言われても、実際どうなるかはまったく分かっていなかったんですけど、完成した作品を観て、『なるほど、そういうことだったのか』と。すごく不思議な世界観になっていて、自分でもビックリしましたね。ただ、あのクライマックスシーンにはかなりの想いを賭けて臨んだので、私としてもぜひ劇場の大きなスクリーンで観てほしい。日本の映画であそこまで壮絶なことをやっている作品もそうはないと思うので」
夢は大きくハリウッド進出語学留学も本気で検討中!?
──ちなみに、清野さん自身はやはり今後はアクションをメインに?「とにかく今はいろんな役に挑戦して、自分の引き出しをもっと増やしていくことが最優先。その上で、アクションもやっていけたらいいかなと思ってます。…もっとも、受けのお芝居が多い“ザ・女子”みたいな役だと、多少は物足りなさを感じることもありますけどね。自然体でいるのは、なんて難しいんだろうって(笑)」
──アクション女優を志したきっかけが、映画『バイオハザード』のミラ・ジョヴォヴィッチですもんね。
「将来的には、ハリウッドでアクションをやることが目標なんで、なんとかして、英語はペラペラになりたいですね(笑)英会話には最近忙しくてちっとも通えていないし、私自身は追いこまれてこそ、力を発揮するタイプ。だから、いっそ語学留学をしようかと真剣に考えているところです」
──目標はミラとの共演?
「いつかそれが実現できるように、頑張っていきたいと思います」
INFORMATION
■映画『東京無国籍少女』
INFO&STORY
とある美術専門学校に通う藍(清野菜名)。事故で怪我を負った影響で心に傷を抱えた彼女は、眠ることもできずに授業からドロップアウトし、謎のオブジェを作る日々を送っていた。かつては天才少女と言われた藍を再び学園の広告塔にしようともくろむ教頭(本田博太郎)は、彼女を特別扱いするが、そのことから藍は同級生たちによる執拗ないじめにあう。やがてそんな彼女の中で「何か」が目覚め、憂鬱な日常が崩れ始める…。
CAST&STAFF
出演/清野菜名・田中日奈子・吉永アユリ・花影香音・金子ノブアキ・りりィ・本田博太郎
監督/押井守
脚本/山邑圭
原案/山岸謙太郎「東京無国籍少女」
配給/東映ビデオ
公式HP
7月25日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
(C)2015 東映ビデオ
PROFILE
清野菜名(せいの・なな)
94年10月14日生まれ 愛知県出身
モデルを経て女優に。映画やドラマや舞台、CMなどで活躍。14年、映画「TOKYO TRIBE」(園子温監督)でヒロインに抜擢され注目を集める。主な出演作にドラマ「素敵な選TAXI」「ウロボロス~この愛こそ、正義。」「LOVE理論」、映画「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」「生贄のジレンマ」「少女は異世界で戦った」「虎影」などがある。CM「食事の生茶」(キリンビバレッジ)出演中。
公式ブログ
公式Twitter
■映画『東京無国籍少女』
INFO&STORY
とある美術専門学校に通う藍(清野菜名)。事故で怪我を負った影響で心に傷を抱えた彼女は、眠ることもできずに授業からドロップアウトし、謎のオブジェを作る日々を送っていた。かつては天才少女と言われた藍を再び学園の広告塔にしようともくろむ教頭(本田博太郎)は、彼女を特別扱いするが、そのことから藍は同級生たちによる執拗ないじめにあう。やがてそんな彼女の中で「何か」が目覚め、憂鬱な日常が崩れ始める…。
CAST&STAFF
出演/清野菜名・田中日奈子・吉永アユリ・花影香音・金子ノブアキ・りりィ・本田博太郎
監督/押井守
脚本/山邑圭
原案/山岸謙太郎「東京無国籍少女」
配給/東映ビデオ
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7月25日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
(C)2015 東映ビデオ
PROFILE
清野菜名(せいの・なな)
94年10月14日生まれ 愛知県出身
モデルを経て女優に。映画やドラマや舞台、CMなどで活躍。14年、映画「TOKYO TRIBE」(園子温監督)でヒロインに抜擢され注目を集める。主な出演作にドラマ「素敵な選TAXI」「ウロボロス~この愛こそ、正義。」「LOVE理論」、映画「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」「生贄のジレンマ」「少女は異世界で戦った」「虎影」などがある。CM「食事の生茶」(キリンビバレッジ)出演中。
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Interview&Text/鈴木長月 Photo/おおえき寿一