直木賞作家・小池真理子氏の半自叙伝的小説『無伴奏』が映画化決定。成海璃子さん演じる主人公の響子、池松壮亮さん演じる渉、斎藤工さん演じる祐之介の3人が描く危険で美しい“秘密の恋”に、今回ご登場頂いた遠藤新菜さんがエマ役として物語に華を添えている。撮影前に実行しようとしたあるエピソードや作品の魅力を出演者として掘り下げてもらった。
「作品の舞台となった1960~1970年代を知らない、私と同世代の方に、映画を通じてこの時代を体感してもらいたいです。できるなら私もこの時代 を生きてみたかったです」
役のために5キロ落とした体重が戻っても胸が…(笑)
──エマ役を演じる前、お母様に背中を押してもらったそうですね。「背中を押すというより母は、私のやりたいことを止めないでいてくれるだけなんです。いつも私、やると決めてから報告してるんですね。だから今回も、『濡れ場がある映画に出る』と伝えたら、『今しかできないと思ったからこそ出るんでしょう』と言ってもらっただけなんです」
──確かに、ご自身で先に決意しなければ、女優として脱ぐことはできないと思います。
「でも実は撮影前、真面目に胸の整形を考えました(笑)露出するのである意味、見栄を張りたかったんです。でも途中で、エマのセクシーさを表現するのは胸じゃないと気づきました。それなら私は選ばれないだろうなって。それでも胸だけは痩せたくなかったのに、エマを演じる前に落とした体重5キロが戻りつつあっても胸が戻りません…。毎日、寄せて集めてます」
──あら(笑)体重を落とした方法は。
「エマを役として追い込みたい気持ちがあったので、インするまでの3~4週間は、とにかく食べませんでした。エマはスーパーハッピーでは駄目で、不健康な痩せ方をしてるぐらいが彼女らしいかなと。フェイスラインをカリッと痩せさせてセシルカットに合わせる目的もあったから、水を飲んで食欲を抑えて、限界が近づいたら少しのお野菜と赤身のお肉を入れて。でも、危険な方法ですから絶対にマネしないで下さい!」
矢崎監督のご厚意で衣装を何点か選ばせて頂きました
──エマは衣装も素敵でした!「矢崎(仁司)監督のご厚意で、幾つか提案された衣装の中から選ばせて頂いたものもあります。エマの登場シーンのアクセサリーやタイツにブーツ。ファッションが好きだから、ワガママを聞いてもらえてうれしかったです。特に私は、レイコとジュリーの衣装に注目しました」
──衣装が“らしい”と役にも入り込みやすかったのでは。
「それもありますし、エマは私と少し似ているんです。私も笑っていても寂しそうに見えると言われることがあって。ファッションが好きなところも同じで」
──スニーカー好きですよね。
「ヒールで歩くのが苦手で、30足以上は持ってます。ただ、エマが作品で成立したのは、このキャストがいてくれてこそです」
60年代・70年代という不便な時代を生きてみたかった…
──主要キャストは成海璃子さん、池松壮亮さん、斎藤工さんと豪華な面々ですからね。「私の世代なら共演してみたいと思うすごい方々ばかりなんですけど、みなさんには静かに優しく接して頂きました。私が演技で戸惑っていると察してくださって『大丈夫?』ではなく『ちょっと休む?』と支えてくれるんです。だから緊張は2日目ぐらいから忘れてました」
──その団結力あってこその作品ですが、改めて作品の魅力は?と聞かれたら。
「作品の舞台となった1960年代、1970年代を知らない、私と同世代の方に、映画を通じてこの時代を体感してもらいたいです。今の便利な世の中が悪いわけではないですけど、携帯電話もない、喫茶店で偶然出会うピュアさって今の時代にはないものですから。あとは、4人の不思議な関係性と美しい生き様です。当時は情報が少ない分、自分の悩みと向き合う時間が今より長かったと思うんです。その悩む姿すら美しい。羨ましいし、できるなら私もこの時代を生きてみたかったです」
──羨ましいと言えば遠藤さんは喫茶店好きですが、もし劇中のバロック喫茶「無伴奏」が近くにあったら?
「暇を見つけて毎日通うでしょうね。今もギリギリ、無伴奏のような店内でしゃべってはいけない名曲喫茶ってあるんですけど、数が少ないので。無伴奏みたいな少し古びた内装が好きで、小奇麗だと落ち着かないんですよね、私(笑)」
INFORMATION
■映画『無伴奏』
INFO&STORY
反戦運動や全共闘運動が起きていた激動の1969年の仙台。同級生とともに学園闘争を行っていた女子高生の野間響子(成海璃子)は、友人に連れられて足を運んだ喫茶店「無伴奏」で、大学生の堂本渉(池松壮亮)と渉の友人・関祐之介(斎藤工)、祐之介の恋人・高宮エマ(遠藤新菜)の3人に出会う。「パッヘルベルのカノン」をリクエストする渉に興味を抱いた響子は、渉に強く惹かれていき、やがてどうすることもできない強い衝動に突き動かされていく…。直木賞作家・小池真理子さんによる半自伝的恋愛小説を映画化。時代に流されて学園闘争に関っていた多感な女子高校生の成長を描く。「第39回ヨーテボリ国際映画祭」正式出品作品。
CAST&STAFF
出演/成海璃子・池松壮亮・斎藤工・遠藤新菜・松本若菜・酒井波湖・仁村紗和・斉藤とも子・藤田朋子・光石研
監督/矢崎仁司
原作/小池真理子「無伴奏」(新潮文庫刊、集英社文庫刊)
脚本/武田知愛・朝西真砂
主題歌/「どこかへ」Drop’s
配給/アークエンタテインメント
公式HP
3月26日(土)より、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
(C)2015「無伴奏」製作委員会
PROFILE
遠藤新菜(えんどう・にいな)
1994年10月3日生まれ 東京都出身
女優、モデル。「第45回ノンノモデルオーディション」準グランプリ受賞。14年から女性ファッション誌「non-no」モデルとして活動。映画出演はほかに「海にしずめる」「FLARE フレア」「Starting Over」「やるっきゃ騎士(ナイト)」「白魔女学園 オワリトハジマリ」などがある。
公式ブログ 公式Twitter
■映画『無伴奏』
INFO&STORY
反戦運動や全共闘運動が起きていた激動の1969年の仙台。同級生とともに学園闘争を行っていた女子高生の野間響子(成海璃子)は、友人に連れられて足を運んだ喫茶店「無伴奏」で、大学生の堂本渉(池松壮亮)と渉の友人・関祐之介(斎藤工)、祐之介の恋人・高宮エマ(遠藤新菜)の3人に出会う。「パッヘルベルのカノン」をリクエストする渉に興味を抱いた響子は、渉に強く惹かれていき、やがてどうすることもできない強い衝動に突き動かされていく…。直木賞作家・小池真理子さんによる半自伝的恋愛小説を映画化。時代に流されて学園闘争に関っていた多感な女子高校生の成長を描く。「第39回ヨーテボリ国際映画祭」正式出品作品。
CAST&STAFF
出演/成海璃子・池松壮亮・斎藤工・遠藤新菜・松本若菜・酒井波湖・仁村紗和・斉藤とも子・藤田朋子・光石研
監督/矢崎仁司
原作/小池真理子「無伴奏」(新潮文庫刊、集英社文庫刊)
脚本/武田知愛・朝西真砂
主題歌/「どこかへ」Drop’s
配給/アークエンタテインメント
公式HP
3月26日(土)より、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
(C)2015「無伴奏」製作委員会
PROFILE
遠藤新菜(えんどう・にいな)
1994年10月3日生まれ 東京都出身
女優、モデル。「第45回ノンノモデルオーディション」準グランプリ受賞。14年から女性ファッション誌「non-no」モデルとして活動。映画出演はほかに「海にしずめる」「FLARE フレア」「Starting Over」「やるっきゃ騎士(ナイト)」「白魔女学園 オワリトハジマリ」などがある。
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撮影◎おおえき寿一 取材・文◎内埜さくら スタイリスト/江頭三絵 ヘアメイク/宮本真奈美 衣装/ブラウス・スカート VL by VEE(ヴィーエル バイ ウィー) ネックレス・ピアス(指輪は自前) somnium(ソムニウム)