「経験は自信になったし、今回の出演を機に『そこまで動けなくないぞ』ぐらいのことは打ちだしていきたいと思います」
出演作が立て続けに公開されるなど、いまもっとも〝旬〟な女優のひとりとして活躍中の柳ゆり菜さん。そんな彼女が初めて本格アクションに挑戦したことでも話題の映画『破裏拳ポリマー』の公開に合わせ、天真爛漫な役柄が「ハマり役」と語る彼女のキュートな素顔に肉迫した!!
やってみたら意外とできた!?本格アクションにも初挑戦
──作品自体がヒーローアクションということで、劇中では柳さん自身も小気味いいアクションをこなされているのが印象的でした。「そうなんです。最初は『あんまり動かなくていいから』って言われていたから、私も『えー、やりたいですー』とか言ってたんですけど、アクションの稽古に一度だけ参加させてもらったら、『なんだ、できるんじゃん。じゃあ、これもやろうよ』って感じで、ちょっとずつ増えていって(笑)最終的には、わちゃわちゃ動いてたら偶然勝っちゃうみたいな、おもしろアクションをやらせてもらえたので、それは自分にとってもすごく楽しい経験でしたね」
──たしかに、溝端さん演じる主人公・鎧武士のアクションがクールなだけに、柳さんのコミカルな立ちまわりはすごくいいアクセントでした。
「私の演じたテルはどちらかと言うと、物語を引っかきまわす役どころだし、監督からも『テルは警察とか事件とかからはいちばん遠いキャラクターだから、常に脳天気でいてほしい』って言われていたので、そういうキャラクターをベースにした演技を心がけたつもりです。だから、基本はもちろん教えていただくんですけど、パンチしてるのに『あれ? 全然効かない!』みたいな演技はぜんぶアドリブ(笑)たいして経験もない自分がこんなに好き勝手にやっちゃっていいのかな、って思うぐらい現場は自由でしたね」
──パンフレットなどには「登場人物のなかでもっとも原作に忠実」との説明書きもありましたが、南波テルのキャラクターは、素の柳さんにもかなり近い部分があるのでは?
「それはありますね。原作のテルはもうちょっと色っぽいんですけど、今回の映画でより強調されている明るいところとか、ちょっとネジが1個飛んじゃってるところとかは、自分に近いと思います。気心の知れた友だちとかと一緒にいるときは、しゃべっていても『えっ、なんの話?』みたいになるぐらい、会話もグッチャグチャなことが多いですし、普段もわりと相手を振りまわしちゃうほうなんで(笑)」
──となると、ご本人的にもかなりのハマり役だったわけですね。
「まわりからも『合ってる』というのはすごく言われますし、自分でも『彼女ならどうするか』みたい思考がわかるから、役にも入りやすかったです。キャスティングのときに、 『テルには彼女がぴったりだ』って私を推してくださったディレクターの方にはもうホント、ありがとうございますって感じです(笑)」
──ちなみに劇中での南波テルは、くちびるに指をあてながら考えごとをするクセもありますよね。あの「ひらめいた!」と言う場面は、柳さんのアイデアだったり?
「そうですね。監督から『テルがいつもやってる特徴的な行動を出したいから、考えておいて』って言われて、出したアイデアがそのまま採用されてます。私自身、考えごとしているときにくちびるを触っちゃうクセがあるので、それをヒントになんとなくやってみたら、『あー、それいいじゃん』と……。私としては、サラッと流してほしいカットではあったんですけどね(笑)」
ホントはスーツも着たかった!?いい雰囲気だった現場秘話
──ところで、主演の溝端さんとは同じ事務所の先輩・後輩という間柄。共演されてみてどうでした?「コミュニケーション能力がすこぶる高くて、ホントに太陽みたいな人なんですよね。主演がいちばんしんどいはずなのに、カメラが回ってないところでもいろんな人に話しかけたり、いつも明るくされていて。現場では淳平さんと山田(裕貴)さんと私の3人でいることが多くて、オフのときでもお互いにフザけあったりしてたんですけど、もし主演が淳平さんじゃなかったら、あそこまでのいい雰囲気が映像のなかにまで反映されることはなかったんじゃないかなって思います」
──ある意味、コンビとしても絶妙なキャスティングだったと。
「そうかもしれないです。ウチの事務所のお兄さん、お姉さん方はわりと特撮ヒーローやヒロインを経験している人が多いんですけど、淳平さんも私も、なぜかその道を通れていなかった「やれなかったもの」同士だったりもしますしね。とくに淳平さんは、唯一やってないって言っていいぐらいの人だったから、みんなからも、『やっとなれたな』なんてイジられてて……。まぁ、そう言う私自身も、現場では『私もポリマーのスーツ着たかった』とずっと言ってたんですけどね(笑)」
──とはいえ、世界的に活躍されている坂本監督からもお墨つきをもらったとなれば、これからは「アクションもできる女優」としてもアピールしていけるのでは?
「現場での大変さを見ているから『バリバリできます』なんてことは口が裂けてもまだ言えないですけど、今回の経験は自信にはなったし、自分でもすごく興味をもてたので、『そこまで動けなくないぞ』ぐらいのことは打ちだしていきたいとは思ってます!!」
INFO
■映画『破裏拳ポリマー』
【INFO&STORY】身に着けた者が最強の力を手に入れてしまうことが危惧され、開発が中止となってしまった特殊装甲スーツ「ポリマーシステム」。数年後、警視庁は開発を再開するが、テスト版が何者かに盗まれ、犯罪に悪用されてしまう。スーツ奪還のため、手元に残る完全版ポリマーシステムの使用を決めるが、その起動に必要となるのが、最強拳法・破裏拳流の奥義を身につけた元ストリートファイターで探偵の鎧武士(溝端淳平)の声だった…。タツノコプロが1974年に発表したテレビアニメを実写化。タツノコプロ55周年記念作品でもある。
【CAST&STAFF】 出演/溝端淳平・山田裕貴・原幹恵・柳ゆり菜・神保悟志・長谷川初範
監督/坂本浩一
原作/タツノコプロ
脚本/大西信介
配給/KADOKAWA
公式HP
5月13日(土)全国公開
(C)2017「破裏拳ポリマー」製作委員会
PROFILE
柳ゆり菜(やなぎ・ゆりな)
1994年4月19日生まれ 大阪府出身
13年、デビュー。 14年にNHK連続テレビ小説「マッサン」にワインのポスターモデル役で出演し話題に。近年の主な出演作に映画「チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜」「ヴァンパイアナイト」、ドラマ「きみはペット」「SRサイタマノラッパー〜マイクの細道〜」、舞台「ぼくんち」「海街diary」などがある。
公式ブログ
公式Twitter
■映画『破裏拳ポリマー』
【INFO&STORY】身に着けた者が最強の力を手に入れてしまうことが危惧され、開発が中止となってしまった特殊装甲スーツ「ポリマーシステム」。数年後、警視庁は開発を再開するが、テスト版が何者かに盗まれ、犯罪に悪用されてしまう。スーツ奪還のため、手元に残る完全版ポリマーシステムの使用を決めるが、その起動に必要となるのが、最強拳法・破裏拳流の奥義を身につけた元ストリートファイターで探偵の鎧武士(溝端淳平)の声だった…。タツノコプロが1974年に発表したテレビアニメを実写化。タツノコプロ55周年記念作品でもある。
【CAST&STAFF】 出演/溝端淳平・山田裕貴・原幹恵・柳ゆり菜・神保悟志・長谷川初範
監督/坂本浩一
原作/タツノコプロ
脚本/大西信介
配給/KADOKAWA
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5月13日(土)全国公開
(C)2017「破裏拳ポリマー」製作委員会
PROFILE
柳ゆり菜(やなぎ・ゆりな)
1994年4月19日生まれ 大阪府出身
13年、デビュー。 14年にNHK連続テレビ小説「マッサン」にワインのポスターモデル役で出演し話題に。近年の主な出演作に映画「チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜」「ヴァンパイアナイト」、ドラマ「きみはペット」「SRサイタマノラッパー〜マイクの細道〜」、舞台「ぼくんち」「海街diary」などがある。
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取材・文/鈴木長月 撮影/おおえき寿一 スタイリスト/福田春美 ヘアメイク/佐々木麻里子