女優の初脱ぎ+飼育という設定の人気作も今回で8作目を迎える。最新作は『TAP 完全なる飼育』。濃厚な体当たり艶技に挑んだのは、映画デビュー作にして初主演を務めた前川伶早さんだ。ご自身の父親がA級ライセンスを所持するカーレーサーであることから「れいさ」と名付けられたという、度胸あふれる“女優魂”に迫る――。
はじめてヌードになることより水着のほうが辛かった…(笑)
──本作で初ヌードを披露していますね。脱ぐことに抵抗は?
「抵抗がなかったと言えば嘘になります。台本を頂いてから小島聖さんが主演した1作目を観たら、絡みのシーンのオンパレードで、しかもかなりハードだから不安にもなりましたし。でも、今回の台本は絡みだけじゃない魅力的な内容だったので、演じたいと思えました。それよりも私、映画のPRで水着になったことのほうが辛くて(笑)。作品は“役”が脱ぎますけど、水着は“素”の自分じゃないですか。撮影した夜、寝る前にポロッと泣いちゃいました(笑)」
──ですがPRの甲斐あって、好評みたいですよ。
「ありがたいです。オーディションに受かってからクランクインまで1週間ちょっとしかなかったから、ボディーの調整も頑張ったんです。監督から『結は18歳の高校生だから少しぽっちゃりした感じは欲しいけど、今の前川じゃキツイ。3キロ落としてくれ』と言われて、食事を制限しました。夜はサラダだけ、ロケ弁はお米を食べない、撮影が休みの日もお米を食べない方法で、2.5キロは落とせました」
──実際の前川さんは24歳ですが、映画では18歳に見えるカラダでした!
「本当ですか?(笑)。(西沢)仁太さんが演じた設楽と拉致された結が絡むシーンって、実は台本とは変わっているんです。最初は結が設楽に無理矢理押し倒されて犯される設定だったんですけど、撮り終えても監督が『何か違うなー』と繰り返しおっしゃっていて。結は積極的で強い女のコだから、自ら脱いで楽しむという内容に変わったんです。私もそれがしっくり馴染むと思いましたけど、5月の沖縄で、しかも屋外で全裸になるのはすごーく寒かった。カットがかかるたびにダッシュで移動して、全身毛布でグルグル巻きにされていました(笑)」
有森也実さんと3人の場面で壁にぶち当たりました…
──ほかに苦労したシーンは?
「ヤクザの若頭役の高川裕也さんと、その愛人で結の母親役の有森也実と結が3人で食事をするシーンで、初めて壁にぶち当たりました。結は若頭から性的なイタズラを受け続けているんですけど、それを表す場面が、若頭が食事中、テーブルの下で結の股の間に脚を挟み込む、あのシーンしかないんです。母親は、気づきながらも止めないっていう。私にそういう複雑な表情が出ていなかったせいか、投げ出して逃げたくなるほど何十テイクも重ねました。撮影が終わってからバスタオルを持って外でワーワー大泣きした後、キャストとスタッフさん全員に謝罪しに行ったんですよね…」
──その時、周囲の反応は?
「みなさん、『謝る必要ないよ』って。このチームで仕事ができてよかったと思える瞬間でした。有森さんもすごく優しい方で、ご自身が出ていないシーンでも『私の娘は、きちんとできているかしら?』って感じで私の演技を見守ってくださいました」
──それも頑張ったからこそですね。一番観てほしいシーンは?
「やはり18歳の高校生を演じた私でしょうか。撮影時は23歳だったので、5年さかのぼって当時のとんがっていた私を思い出すために(笑)昔のアルバムを見て役作りしました」
──前川さんは元幼稚園教諭で今も生徒と親交がありますが、この映画は…。
「そう、見せられないんです! 生徒のお母さんたちも衝撃を受けると思いますし(笑)。だからこの作品を皮切りに女優業に邁進して、戦隊モノのような、子どもも楽しめる作品に出られるようになりたいですね」
INFORMATION
■映画『TAP 完全なる飼育』
INFO&STORY
暴力団の若頭の愛人の子として生まれた女子高生・結(前川伶早)は、学校での壮絶なイジメや父親に隷属する母親に嫌気が差して家を出る。そんな彼女を助けなければならないという奇妙な使命感に駆られた中年のヤクザ設楽(西沢仁太)は、誘拐して廃墟の一室に監禁してしまう。時間をかけて結を自分の理想の女に飼育していく設楽に当初は抵抗していた結だったが、やがて服従するようになり…。監禁する男とされる女の屈折した愛を描く人気シリーズ「完全なる飼育」の第8作。
CAST&STAFF
出演/前川伶早・西沢仁太・有森也実・高川裕也・山根和馬・千原せいじ・麿赤兒・竹中直人ら
監督/片嶋一貴
原作/松田美智子
脚本/一雫ライオン
配給/セディックインターナショナル・電通
配給協力/マンハッタンピープル
11月9日(土)から109シネマズほか全国公開中。さらに同時ネット配信中
(C)2012「TAP 完全なる飼育」製作委員会
PROFILE
前川伶早(まえかわ・れいさ)
1988年11月7日生まれ 東京都出身
「恋愛ニート~忘れた恋のはじめ方~」「平清盛」「匿名探偵」といったドラマや、舞台「RADIO311」「カッコーの巣の上で」などに出演。また、マクドナルドのCMやPUFFY「青い涙」のPV、「ぐるぐるナインティナイン」「学校へ行こう!」などのバラエティにも出演。タレント、女優としてマルチに活動。同作で主演を務め、スクリーンデビューを果たした。
■映画『TAP 完全なる飼育』
INFO&STORY
暴力団の若頭の愛人の子として生まれた女子高生・結(前川伶早)は、学校での壮絶なイジメや父親に隷属する母親に嫌気が差して家を出る。そんな彼女を助けなければならないという奇妙な使命感に駆られた中年のヤクザ設楽(西沢仁太)は、誘拐して廃墟の一室に監禁してしまう。時間をかけて結を自分の理想の女に飼育していく設楽に当初は抵抗していた結だったが、やがて服従するようになり…。監禁する男とされる女の屈折した愛を描く人気シリーズ「完全なる飼育」の第8作。
CAST&STAFF
出演/前川伶早・西沢仁太・有森也実・高川裕也・山根和馬・千原せいじ・麿赤兒・竹中直人ら
監督/片嶋一貴
原作/松田美智子
脚本/一雫ライオン
配給/セディックインターナショナル・電通
配給協力/マンハッタンピープル
11月9日(土)から109シネマズほか全国公開中。さらに同時ネット配信中
(C)2012「TAP 完全なる飼育」製作委員会
PROFILE
前川伶早(まえかわ・れいさ)
1988年11月7日生まれ 東京都出身
「恋愛ニート~忘れた恋のはじめ方~」「平清盛」「匿名探偵」といったドラマや、舞台「RADIO311」「カッコーの巣の上で」などに出演。また、マクドナルドのCMやPUFFY「青い涙」のPV、「ぐるぐるナインティナイン」「学校へ行こう!」などのバラエティにも出演。タレント、女優としてマルチに活動。同作で主演を務め、スクリーンデビューを果たした。
撮影◎おおえき寿一 取材・文◎内埜さくら
ヘアメイク/marco スタイリスト/KUMICO 衣装/JEFF、TEQUILA SOLO
ヘアメイク/marco スタイリスト/KUMICO 衣装/JEFF、TEQUILA SOLO