「夢に向かい自分で決断して、決めたら後悔しないところは私と重なるところがあると共感できました。失敗しても経験だし絶対に身になっていますから、常に前に進み続けたいですね」
「リアル鬼ごっこ2」「アウトレイジ」「行きずりの街」など数多くの映画に出演している渡辺奈緒子さんの初主演作「nude」が9月18日公開。元AV女優みひろちゃん原作のこの作品は、1人の少女がAV業界にデビューするまでの軌跡を描いて話題を呼んでいる。過激な内容が取り沙汰されるなか、本誌では別の角度から見どころをご紹介!
みひろさんの大ファンに!同性から見てもカッコイイです
──渡辺さんの初主演映画「nude」が今月公開ですね。元AV女優のみひろさんの小説が原作ですが、撮影前に読みましたか。「読みました。実は原作を読んだ時点では、山瀬ひろみがAV女優になるという理由が理解できなくて、ひろみの友だち、さやかの方が感情移入しやすかったんですよね。でも脚本を読んだら、ひろみが夢に向かうまでの過程が丁寧に描かれていたので、ひろみに共感できました。自然と涙も出ました」
──ひろみに共感した部分とは。
「夢に向かって常に自分で決断して、決めたら後悔しないところは自分と重なるところがあるような気がしたんです。失敗しても経験だし、絶対に身になっているじゃないですか。しかも、ひろみは弱い部分もあるけど前に進み続けている。私もそうなりたいと思いましたね」
──原作者みひろさんも出演していますが、会った感想は?
「お会いしてファンになりました。自分で人生を決めて、自分の足でしっかりと立っている印象で。目の奥に強いものを持っていて、同性から見てもかっこよかった!」
夢に向かい成長していく作品を観ると前向きになれるはず!
──本作ではAV撮影に挑むシーンがありますが、いかがでしたか。「脱ぐことよりも、感情の微妙な動きを表現することの方が難しかったです。それにこの作品は、そこに至るまでの過程に力を注いでいるので、AV撮影シーンに期待するとがっかりするかも…(笑)」
──作品の見どころを教えて下さい。
「平凡な女の子が夢に向かって寄り道しつつも成長していく姿を描いているから、観ると『私も頑張ろう』と前向きな気持ちになれるはずです。この映画を観たら、30〜40代の人だって人生これからだと思えます。ドカントは男性向けの求人誌ですよね? それならこれを観て、夢があるなら、男ならドカンと突き進んで下さい(笑)」
目力はあるけどチャーミングな余貴美子さんが私の目標像
──本作の撮影では「毎日追い込まれて苦しかった」と語っていましが、それほど撮影は大変でしたか。「体力的に、というより精神的に苦しかったです。ひろみが傷ついたり悩んだり、葛藤する自然な芝居を求められていたので。だから私、この映画でナチュラルな演技を学べたんですよね」
──渡辺さんが映画を中心に活躍中ですが、演じることの魅力とは?
「自分自身の経験は少ないですけど、役になれば普通では経験できない人間になれますよね。そんな仕事って他にはないし、映画を観て人生観が変わることもあるじゃないですか。芝居をすることで人の感情を揺さぶるって…自分が表現する側にいるって、すごいことだなって毎回、感じます」
──渡辺さんが人生観を変えられた映画とは。
「私はリュック・ベッソン監督、ジャン・レノ主演の『レオン』ですね。高校生ぐらいの時に観たんですけど、マチルダ役のナタリー・ポートマンの色気にやられて、彼女に負けないぐらいの芝居をしたいと感じたんです。映画を頻繁に観に行くきっかけにもなった…ということを今、思い出しました(笑)」
──女優としての今後は。
「今は、余貴美子さんのような目力があって凛としているけど、チャーミングな女優さんが目標です。起伏がなく淡々と流れる映画にいつか出演するのも目標。演技力だけで勝負しなければいけないので、ハードルは高そうですけどね」
INFORMATION
■映画『nude』
【STORY&INFO】
新潟の高校を卒業し、女優になりたいという夢を持ちながら、上京して働くようになった山瀬ひろみ(渡辺奈緒子)。ある日、ヌードモデルのスカウトを受ける。初めは受け入れられなかったが、夢への第一歩と考え、AVには出演しないことを条件に決意する。次第に演技の仕事も増え、女優になりたいと以前にも増して思うようになるひろみだったが、恋人の英介(永山たかし)や親友のさやか(佐津川愛美)からも猛反対され、周囲から孤立していく。悩みながらも「絶対に女優になるんだ!!」と心に誓い、AVに出演することをひとりで決めてしまうひろみ。そこには想像を絶する試練が待ち受けていた…。元AV女優みひろの今まで語られることのなかったAV女優人生やプライベートの不安、葛藤を赤裸々に綴った私小説「nude」の映画化。
【CAST&STAFF】
出演/渡辺奈緒子・佐津川愛美・永山たかし・みひろ・山本浩司・光石研ほか
監督/小沼雄一
原作/みひろ「nude」(講談社刊)
脚本/石川美香穂・小沼雄一
製作/『nude』製作委員会
配給/アルシネテラン・ハピネット
公式HP
9月18日シネマ新宿他全国ロードショー
(C)2010 『nude』製作委員会
PROFILE
渡辺奈緒子 (わたなべ・なおこ)
1984年生まれ 神奈川県出身
06年に江川達也監督の映画「東京大学物語」で女優デビューし、その後も「紀子の食卓」(06年/園子温監督)、「Silk」(08年/フランソワ・ジラール監督)、「リアル鬼ごっこ」(08年/柴田一成監督)、「少林少女」(08年/本広克行監督)、「上島ジェーン」(09年/マッコイ斉藤監督)に出演。09年には、俳優の窪塚洋介がカメラマンを務めた「月刊渡辺奈緒子」が発売され、注目を集める。今年は「アウトレイジ」(北野武監督)、「リアル鬼ごっこ2」(柴田一成監督)に出演。今後の公開作品としては、自身初の主演を務める「nude」(小沼雄一監督)が9月公開。「行きずりの街」(阪本順治監督)は11月に公開予定
公式HP
■映画『nude』
【STORY&INFO】
新潟の高校を卒業し、女優になりたいという夢を持ちながら、上京して働くようになった山瀬ひろみ(渡辺奈緒子)。ある日、ヌードモデルのスカウトを受ける。初めは受け入れられなかったが、夢への第一歩と考え、AVには出演しないことを条件に決意する。次第に演技の仕事も増え、女優になりたいと以前にも増して思うようになるひろみだったが、恋人の英介(永山たかし)や親友のさやか(佐津川愛美)からも猛反対され、周囲から孤立していく。悩みながらも「絶対に女優になるんだ!!」と心に誓い、AVに出演することをひとりで決めてしまうひろみ。そこには想像を絶する試練が待ち受けていた…。元AV女優みひろの今まで語られることのなかったAV女優人生やプライベートの不安、葛藤を赤裸々に綴った私小説「nude」の映画化。
【CAST&STAFF】
出演/渡辺奈緒子・佐津川愛美・永山たかし・みひろ・山本浩司・光石研ほか
監督/小沼雄一
原作/みひろ「nude」(講談社刊)
脚本/石川美香穂・小沼雄一
製作/『nude』製作委員会
配給/アルシネテラン・ハピネット
公式HP
9月18日シネマ新宿他全国ロードショー
(C)2010 『nude』製作委員会
PROFILE
渡辺奈緒子 (わたなべ・なおこ)
1984年生まれ 神奈川県出身
06年に江川達也監督の映画「東京大学物語」で女優デビューし、その後も「紀子の食卓」(06年/園子温監督)、「Silk」(08年/フランソワ・ジラール監督)、「リアル鬼ごっこ」(08年/柴田一成監督)、「少林少女」(08年/本広克行監督)、「上島ジェーン」(09年/マッコイ斉藤監督)に出演。09年には、俳優の窪塚洋介がカメラマンを務めた「月刊渡辺奈緒子」が発売され、注目を集める。今年は「アウトレイジ」(北野武監督)、「リアル鬼ごっこ2」(柴田一成監督)に出演。今後の公開作品としては、自身初の主演を務める「nude」(小沼雄一監督)が9月公開。「行きずりの街」(阪本順治監督)は11月に公開予定
公式HP
取材・文/内埜さくら 撮影/谷口達郎