宅間孝行さんが作・演出・出演のタクフェス春のコメディ祭第2弾『笑う巨塔』が3月29日より公演開始。オーディションで新人秘書・大村あゆみ役をつかんだ女優の豊泉志織さんに話を聞いた。今回が人生初のインタビューという初々しさで語り尽くします。
──本作出演が決まる前に宅間孝行氏の作品を観たそうですね。
「マネージャーさんから頂いた『夕』や『流れ星』のＤＶＤを観て、宅間さんの作品に家族全員でハマったんです。この作品のオーディションがあると知る前に『わらいのまち』を観劇して、『ひみつ』は２回劇場へ足を運びました。どの作品からも刺激を受けたのでこの『笑う巨塔』には絶対に出演したかったんです」

──宅間氏の稽古は厳しいというウワサがありますが。
「厳しい“らしい”とは私も聞いたことがあります。でも、厳しいと聞く前に自己ＰＲで『どんなに辛い稽古でも乗り切る覚悟はできています！』と書いてしまった手前、頑張らないと…」

──（笑）役のお話を。演じられる大村あゆみとご自身の相違点は。
「台本を読んだ時は、一生懸命頑張るけれどどこかズレているコだという印象を受けました。でも憎めないという。私も頑張るけれどズレてしまうところはあゆみと同じかもしれません。今年22歳になるのでそろそろ料理を覚えたくて、母に習っているんです。先日、煮物を作ったんですけど火を止めて落し蓋をしただけで本当に具材が煮えるのか信じられなくて結局、じゃがいもが煮崩れてしまいました。仕事で疲れて帰ってくる父に私の失敗作を食べさせるのが可哀想なので、最近はメインではなくサブのおかずを作るようにしています。あとは、あゆみは新人秘書なのですが、私も新人なので同じ立ち位置なんです」

──舞台は緊張するでしょうね。
「宅間さんを始め篠田麻里子さん、かとうかず子さん、片岡鶴太郎さんといった大先輩ばかりなので、一生懸命ついていくしかないと思っています。プレッシャーを感じてはいますがみなさんのお芝居を目の前で観られることが今からうれしいですし、楽しみでもあります」

──ご家族も舞台の上演を心待ちにしているのでは。
「私、兄が２人いる末っ子なんです。６歳上の長兄が仕事で愛知に住んでいるので、愛知公演の時は友だちを連れて観に来てくれると言っていました。３歳上の兄は子どもがいるからまだ予定が組めていないそうですが、両親も楽しみにしてくれています。私自身、行ったことがない愛媛にも初めて行くので楽しみなんです」

──豊泉さんと仲良しの女優矢野優花さんも応援してくれているそうですね。
「稽古がお休みの日は『ご飯を作って待っているから泊まりにおいで』と言ってくれています。彼女とは本当に波長が合うから、頻繁にお泊り会をしているんです。お互いに美意識を上げるため夜寝る前に『今日は腹筋を何回しました』とか活動報告をし合っています」

──お泊まり会以外はどんな遊びをしていますか。
「オシャレなカフェとかではなく、公園で遊んでいます。滑り台やブランコに乗ったり、100円ショップで買った水鉄砲を使って攻撃し合ったり。って、小学生みたいでスミマセン」

──ですね（笑）改めて舞台の魅力を教えて頂けますか。
「宅間さんがコメントで断言されている通り、シチュエーションコメディの最高傑作です。キャラクター全員に愛おしさを感じられる作品で、私は台本を読みながら笑いが堪えられませんでした。心が和むシーンあり、自然な笑いがわき起こるシーンありで、最後は感動して泣いてしまう方もいるかもしれません。小さなボタンの掛け違いが大きなズレを生むストーリーをぜひ劇場で観て下さい」