映画『花と蛇 ZERO』『フィギュアなあなた』など話題作に次々と出演する桜木梨奈さんの主演作『LAST LOVE/愛人』が10月4日から公開。恋愛映画シリーズの“ラブストーリーズ”第3弾。桜木さんが演じたユミと深い関係になる岩田役を演じたのは、ベテラン俳優の火野正平さん。2人がどんな結末を迎えるかが見どころだが、特技を活かした桜木さんのダンスにも注目だ!
愛人をして苦しいのは自分…私はなりたくないですね(笑)
──劇中で演じたダンサーのユミは愛人をしていますが、事前の役作りは?「役のために愛人契約…は結びませんけど(笑)自分の立場に置き換えて考えてみました。好きになるとほかの人が見えなくなっちゃうから、男性が家庭を壊すほど愛してくれないんだったら、苦しいのは自分だからイヤですよね。でも、いい男は大概、結婚してますからね(笑)」
──24歳で「いい男は結婚してる」ということは、年上好きですか。
「恋愛や結婚に年齢は関係ないと思うんですけど、年上を好きになることが多いですね」
──では、共演した火野さんに口説かれたら?
「私なんかがおこがましいですけど、喜んで! って感じです(笑)今回初めて共演させて頂いたんですけど、世の女性がみんな好きになる気持ちが分かりました。セクシーだし、無駄なことはしゃべらないのにサラッと言葉少なに本質を突いたことをおっしゃいますし。幼い頃におじいちゃんと『必殺仕事人』シリーズを観ていて、火野さんのファンだったんですね。だからガチガチに緊張してしまったんですけど、普段は渋い火野さんが笑わせてくれて緊張を解きほぐして下さいました」
──火野さん演じる岩田と初めて結ばれるシーンは、リラックスしていましたよね。
「2人が一緒に病院の住み込みで働いた、初めての夜のシーンですよね。私、あそこが一番好きなんです。本編とは関係ない話に花を咲かせるんですけど、あの2人が幸せなのは、唯一あの瞬間しかないんですよ」
──桜木さんのヌードも美しかったですが、ボディー作りの方法は。
「撮影前は毎日3~4キロジョギングします。元から走ることが好きなので、気づくと1時間は走ってますね。あとは汗をかいて代謝を良くするようにしています」
うつ状態を10日間経験したら社会復帰できない恐怖感が…
──ユミは躁とうつを繰り返す、双極性障害でもありますが、役作りに苦労したのでは。「うつ状態を把握するために、10日間ほど何もしない生活をしてみました。今は、祖母と2人暮らしなんですけど、私の部屋は触らないようにしてもらって、自分で掃除はしないで汚くなるまで放置して。洗濯も料理もしませんでしたし、仕事以外の電話とメールは無視して、人との接触を絶ちました。その生活を続けると、思考が停止して生きることが面倒になってくるんですよ。私が経験したうつ状態なんて序の口でしょうけど、これ以上続けたら社会復帰できなくなるかもって恐怖を感じました」
──躁状態の経験は?
「何でも実現できる気になって、空を飛ぼうとしてビルから飛び降りてしまう方もいるらしいんですね。そんなことになったら映画に出られなくなってしまうので、経験するのはやめておきました。ただ、うつ状態は撮影が終わってからも抜けなくて。祖母に、『私より先に呆けてどうするのよ!』と嘆かれました…(苦笑)」
──そこまで作り込んだからこその迫真の演技だったわけですね。
「もちろんそこも観て頂きたいところではあるんですけど、この映画を観て、普段押し殺したり、忘れようとしている夢や欲望を思い出してもらえたらうれしいです。その夢や欲望を大切にして、自信を持って強く生きてほしいというのが、私がこの作品に込めた思いです。あとは、管理人の実態が垣間見えるのも楽しんで頂けるかなって」
──確かに。管理人の仕事ってよく分からないですもんね。
「ユミを演じて管理人の仕事って面白いなって思ったんです。定期的なサイクルで暮らすのは苦にならないし、花を育てたりぬか漬けを作ったりする、地味な仕事も好きです。でも私は、1ヶ月ぐらいでやっぱりお芝居やりたいって我慢出来なくなると思います(笑)」
INFORMATION
■映画『LAST LOVE/愛人』
INFO&STORY
ギタリストの道を諦め、マンション管理人の職を得た中年独身男性の岩田(火野正平)は、掃除やゴミ処理など地味な仕事を黙々とこなす日々を送っていた。ある日、岩田は泥酔して帰宅してきた住人の若い女性ユミ(桜木梨奈)を介抱する。ダンサーのユミは本職では食べていくことができず、父親ほど年の離れた男の愛人をして暮らしていたが、男の妻に知られたことで、その関係は破綻。かねてから患っていた躁うつ病も悪化していた。そんな彼女を見かねた岩田は、仕事を捨ててユミと流浪の生活を始め、あるライブハウスで久しぶりにギターを手にするが…。
CAST&STAFF
出演/桜木梨奈・火野正平・広瀬彰勇・ぶっちゃあ・鈴木智絵・三村晃弘・保阪尚希ら
監督・脚本/石川均
配給/アルゴ・ピクチャーズ
公式HP
10月4日(土)より新宿K’s cinemaにてレイトショー
(C) レジェンド・ピクチャーズ
PROFILE
桜木梨奈(さくらぎ・りな)
1990年4月11日生まれ 岐阜県出身
ダンサーとして活動後、12年に映画初出演初主演。以降映画、ドラマ、舞台などで活躍。映画は ほかに「花と蛇 ZERO」「華魂」「Father」「耳をかく女」(ともに主演)、「赤×ピンク」「甘い鞭」「フィギュアなあなた」などに出演。
公式ブログ
■映画『LAST LOVE/愛人』
INFO&STORY
ギタリストの道を諦め、マンション管理人の職を得た中年独身男性の岩田(火野正平)は、掃除やゴミ処理など地味な仕事を黙々とこなす日々を送っていた。ある日、岩田は泥酔して帰宅してきた住人の若い女性ユミ(桜木梨奈)を介抱する。ダンサーのユミは本職では食べていくことができず、父親ほど年の離れた男の愛人をして暮らしていたが、男の妻に知られたことで、その関係は破綻。かねてから患っていた躁うつ病も悪化していた。そんな彼女を見かねた岩田は、仕事を捨ててユミと流浪の生活を始め、あるライブハウスで久しぶりにギターを手にするが…。
CAST&STAFF
出演/桜木梨奈・火野正平・広瀬彰勇・ぶっちゃあ・鈴木智絵・三村晃弘・保阪尚希ら
監督・脚本/石川均
配給/アルゴ・ピクチャーズ
公式HP
10月4日(土)より新宿K’s cinemaにてレイトショー
(C) レジェンド・ピクチャーズ
PROFILE
桜木梨奈(さくらぎ・りな)
1990年4月11日生まれ 岐阜県出身
ダンサーとして活動後、12年に映画初出演初主演。以降映画、ドラマ、舞台などで活躍。映画は ほかに「花と蛇 ZERO」「華魂」「Father」「耳をかく女」(ともに主演)、「赤×ピンク」「甘い鞭」「フィギュアなあなた」などに出演。
公式ブログ
撮影◎おおえき寿一 取材・文◎内埜さくら