「作品の波野静香は儚い感じがありながらも強さがあって、健気な女性。グラビアで持たれる“淡い”とか“古風”なイメージを活かしていこうと思います。実物はまったく違いますけどね（笑）」

上智大学文学部英文科卒の才女であり、英会話が得意で作詞作曲までこなす全方位無敵の女優伊藤えみさんが6月8～12日まで舞台『キャプテンハーロック～次元航海～』に出演。原作でも人気の登場人物、波野静香役について、オープンしたプリザーブドフラワーショップ『flowermir（フローエミール）』について聞きました。この細いカラダからは想像できないような食欲に関するエピソードも!

──原作でも人気のヒロイン役を演じるそうですね。
「波野静香はシリーズによって印象が異なる女性なんですけど、今回は儚い感じがありながらも強さがあって、健気な性格が全面に出ています。私が演じると伝えたらファンの方から、『イメージが沸く』と言ってもらえました。私、グラビアでは“淡い”とか“古風”なイメージが強いらしいので」

──確かにそんな印象が強いです。
「ですよね。でも実際の私は全く違うんですけどね。以前、舞台の出演をオファーして下さった方からも言われました。『ネクラで悪い男に騙された暗い過去を持ってるような女性だと思ってたのに、実物は底抜けに明るくて全然違う！』って（笑）ただ、今回の静香は同性から見ても魅力的だし原作ではビジュアル的にも美しい人だから、グラビアのイメージを活かしつつ、本番までには身体を作れるところまで作っていきたいです」

──原作は多くのシリーズがありますが、舞台のストーリーは？
「松本零士先生の他作品も取り込んで再構築されているんですけど、静香を含む植物生命体のマゾーンが地球を征服しようと目論む部分は同じです。人間とマゾーンが戦ううちに友情が芽生えるんですけど、テーマは世界平和。静香はハーロックに色仕掛けをするような悪女ではありません。ただ、戦いをダンスで表現するシーンがあるんですけど、実は私…ダンスが苦手で」

──台で何度も踊っているのに。
舞 「やりたくないわけではなくて、自分の中では苦手分野なんです。今回の静香がダンスだけスベったら残念度が増すだけだから、当日まで最善を尽くしながら、本番になったらプロのダンサーさんたちに紛れようかなと（笑）」 ──舞台では千秋楽まで毎公演、自作メモをチェックするとか。
「関係者の方からは安心して見ていられると言われるんですけど、感覚だけで演じたらミスするような気がするんです。自分を信じていないんでしょうね。だから念には念を入れて、本番前は早読みして、本番中も目を通します。舞台は失敗してもやり直しができませんから」

──となると、事前の体調管理にも慎重になりますよね。
「有り難いことに私、喉が人一倍強いんです。ただ公演中って必ずと言っていいほど誰かが体調を崩すから、もらって移さないように、出かける前に毎日、喉スプレーをしています。風邪をひく前にすると予防効果があるらしいですよ」

──食べることが好きというのも健康管理につながっているのでは。
「普通の量の食事を１日４食摂りますからね（笑）舞台公演中は食事の種類もコンビニとかに限られてしまうから、お弁当を持参します。家に戻って、一度でも座ったら立てなくなるほど疲れていたら、バッグを置いてそのまま翌日の朝食とお弁当の準備をしてから寝ますね」

──ラーメンもお好きですから、劇場がある新宿は魅惑の地ですね。
「煮干ラーメンの『凪』や『一幻』のえびそばに『麺屋武蔵』は絶対、公演後に食べに行きたいです。今から楽しみですね」 ──女優業とは別にプリザーブドフラワーショップもオープンしたそうですが。
「ずっと親から『特技を眠ったままにしておくの？』（伊藤さんは小３から生け花を習い始め池坊の准教授三級華匠の腕前）と言われていて、私自身もずっとお花が身近にある生活をしていたから始めました。営利目的じゃないんですよ」

──プリザーブドフラワーは寿命が長いですからね。
「２～３年は色あせないし、直射日光に当てなければ４～５年持つこともあります。だからギフトには最適ですけど、リピーターがつきづらいお花でもあるんです。でも、プリザーブドフラワーならお水をあげる手間がかからないし、花を家に置くだけで一定の美意識が保たれるんです。生花にはない色も出せるから、黒いお花を使ってカッコいいアレンジをして、男性にも良さを伝えたいですね」