File.007　日本プロ麻雀協会所属　水瀬千尋プロ

──麻雀初体験はいつですか？
「フリーターをしていた22歳の頃です。もともとトランプが好きですごく強かったんですけど、飽き始めてもいたんですね。で、友達に『新しい遊び、ない？』と聞いたらそれが麻雀で、ゲームに混ぜてもらいました。勝負事で勝つことが何よりも好きだから、１回目でハマりましたね。１日中することはもちろん、頻繁に徹マンもしてました」

──麻雀プロデビューが23歳で、最終学歴は専門学校卒ですよね。その間はどんな仕事をしていたのでしょうか。
「モデルやタレントを目指す学生が入る専門学校を卒業してから、モデル事務所に所属しました。でも、１年で挫折したんです。お局様がめっちゃ怖かったんですよ（笑）京都で和服のモデルをしてたんですけど、休憩時間は座ることすら禁じられてましたし、お昼ご飯を食べる暇すらもらえないほど、雑用をさせられましたし。モデルを辞めてからは人生の目標がなくなって、生活費を得るために、パチンコ屋さんのコーヒーレディのバイトをしてました」

──その状況からどうやって、麻雀プロの道に入ったのでしょうか。
「コーヒーレディと掛け持ちできるバイトを探してたら、雀荘のバイト募集を見つけたんです。大好きな麻雀をしながら時給までもらえるなんてすごい！　と思って応募しました。それで、そのお店に来ていたベテランのメンバーさんに、プロになることを薦めてもらったんです」

──そして現在はプロとして活躍していますが、水瀬さんは大人気ですよね。ゲストで行くどの雀荘も、満席になるじゃないですか。しかも、週に何度か勤務する常勤をしないで、ゲストだけで収入を得ているプロは希少なのでは？
「『夕刊フジ杯』でテレビに出られた上に、優勝できたことが影響していると思います。あのタイトル戦は、私の転機でした。でも、京都から上京する前に、常勤はしないって決意したんです。フットワークが軽くないといけないので、鈍臭い私には向いてないと思って（笑）」

──決意を有限実行するのはすごいですよ。人気の秘訣を自身で分析すると？
「ファンの方をすごく大切にしてます。ツイッターのリプをなるべく返すようにしますし、言えなかったお礼を伝えることもあります。あとは、お客さんの誕生日を覚えておいて、来てくださったら誕生日ケーキでお祝いしてあげたり。やりすぎなのかなって考えた時期もありましたけど、尊敬する宮内こずえプロも同じようにファンの方を大切にしていると聞いてからは、続けるようにしてますね」

──ですがそれは他のプロもしていますよね。まだ秘訣があるのでは？
「勝ちにこだわって、ファンの方が相手でもオジサンのように本気で打つからですかね？（笑）本気で戦うと、喜んでいただけるみたいです」

──ファンと対戦しても、ピンチになることはありますか。
「ありますよ～。そういう時は、代走してもらって、流れを変えます。数日不調が続いたら、神社にお参りにも行きます。と言うと、敗因を全部誰かの責任にしてるねって言われます（笑）」

──打つ手は攻撃的だそうですが、負けたら自分以外の責任なんですね（笑）では、恋愛は攻め？　守り？
「完全な守りです。私、自分から人を好きになることがないんですよ。好きだと猛アピールされて、その気持ちに応える形の恋愛ばかりしてきているんです。相手の自分に対する、愛の大きさを知ってから判断するというか。だから見た目の好みとか共通点ってないんです。私のことを大好きでいてくれることが大前提なんです」

──甘えん坊ってことですね。
「ですね（笑）妹がいるお姉ちゃんなのに、中学生からずっとこんな性格です。でも今は、ファンの方が優しくしてくれて甘えさせてくれるから、しばらく彼氏はいらないかもしれません（笑）」