「観て下さる方にエネルギーを与えて『明日も頑張ろう!』と感じて頂けるような女優になりたい。だからコメディーへの出演は念願だったんです」
ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズや映画『HK/変態仮面』などコメディー作りの名手、福田雄一監督が5月16日公開の映画『明烏 あけがらす』オーディションにて新たなコメディエンヌを発掘! それが今回登場の吉岡里帆ちゃんだ。清楚な佇まいからは想像できない、ぶっ飛んだキャラ明子をスクリーンで観れば、そのギャップに驚くはず。15年をけん引する女優として注目を浴びる彼女の名演技+抱腹絶倒のコメディーは、ぜひ大画面でご鑑賞あれ!
全部笑えますが厳選するならあの3つのシーンです
──映画『明烏 あけがらす』を拝見して、何度も笑いました。吉岡さんも台本の段階で大笑いしたそうですね。「ツボが浅いのか、ほぼ全部のシーンで笑いましたね。主演の菅田(将暉)さんが演じたナオキが借金を返す練習をするシーンとか。ビンタして土下座…って体をどう動かすんだろう?と思って演じるシーンを観たら、ものすごくリズミカルでまたそれが笑えたんです」
──そんな中でも、笑いどころを3つ厳選するなら?
「3つだけですか!? 難しい…。じゃあ1つは、松下(優也)さんが演じるホストのヒロがお店を辞める時に、ムロ(ツヨシ)さんがしつこく引き止めるシーン。ジワジワ来ます。2つ目は、佐藤二朗さんのシーン。自分で言ってることに自分で笑うのが映画で成立してるの私、初めて見ました。『ずるいわー』って思いましたから。最後は菅田さんへのリスペクトを込めて、涙を流す場面。台本で展開を知ってるとは思えない、滑稽で可愛い表情に笑っちゃいましたね」
──ご自身の場面は?
「福田(雄一)監督がこだわった明子の極端な前髪の短さとか、何でもカラダで清算しようとする姿勢とか、笑えるところはたくさんあるんですけど、私自身は作品を観ると現場を思い出して反省モードになってしまうんです」
理由なく強いられ警戒せずに人を信じられるのは似ている
──初のコメディーは痩せるほど苦戦したんですよね。「自分では気づかなかったんですけど、撮影が進むごとに痩せていったみたいです。必死すぎてお弁当を見ても食欲が沸かなかったんですよ」
──ふてぶてしい明子とは真逆の性格ということですか。
「私もふてぶてしさはあると思います(笑)最初は猫を被りますけど、理由なく強くいられるところとか、警戒しないで人を信じる部分は明子と似てますね」
──猫といえば、愛猫は吉岡さんに似ていますか?
「はい。ふてぶてしさが似てますね~(笑)ご飯をもらうために甘える現金な感じとか。飼い主さんが手放すことになって譲り受けたから最初は警戒心むき出しでしたけど、今は自由にしてるから、逆にうれしいですけどね」
──本作での演技は、以前、共演したムロツヨシさんのアドバイスが役立ったそうですね。
「ご飯をご一緒した時に、『主張しない役柄でも役柄を楽しむことはできる』と教えて下さったんです。私は周囲を引き立てる役で萎縮していたので、目からウロコが落ちました」
ちょっと失礼でちょうどいい人との接し方まで学びました
──福田監督からも学ぶことが多かったのでは。「そうなんですよ。福田監督には、人との繋がり方まで教えて頂きました。丁寧に相手のことを尊重しながらも、相手のくすぐったいところに手を入れてみるコミュニケーション方法まで学ぶことができたんです。手を入れるって、本当に入れるわけじゃないですよ。喩え話です。ちょっと失礼なぐらいでちょうどいいんじゃないかっていう感覚を体感できました」
──それは、明子を演じる時にも活かされていましたね。
「それで笑って頂けたら本望です。コメディーへの出演は念願だったんですよ」
──その理由とは?
「プライベートでは私、家族の存在に頼りきりなんですね。だからこそ家族が笑う機会を増やしたいんです。コメディーなら自然に笑ってもらえるじゃないですか。それに、観て下さるみなさんにもエネルギーを与えて『明日も頑張ろう』と感じて頂けるような女優を目指していますし。だから、何も知らない新人の今しか演じられない明子を、多くの方に観て頂きたいですね」
INFORMATION
映画『明烏 あけがらす』
INFO&STORY
品川でひっそり営業するホストクラブ「明烏」の最下位ホスト、ナオキ(菅田将暉)は借金返済に必要な1000万円を用意することができて安堵し、同僚と祝杯をあげる。しかし翌日に目を覚すと、金が用意できたというのは夢だったことに気付く。目前に迫る返済期限に慌てふためくナオキだったが、同僚も女性客も、周囲はみな頼りにならない人たちばかりで…。「明烏」「品川心中」など古典落語の演目をベースに、借金返済に追われるホストと頼りにならない仲間たちの慌ただしい12時間を描く。
CAST&STAFF
出演/菅田将暉・城田優・若葉竜也・吉岡里帆・柿澤勇人・松下優也・新井浩文・ムロツヨシ・佐藤二朗
監督・脚本/福田雄一
音楽/瀬川英史
主題歌/[Alexandros]「ワタリドリ」(ユニバーサルJ/RX-RECORDS)
配給/ショウゲート
公式HP
5月16日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
(C)2015『明烏』製作委員会
PROFILE
吉岡里帆(よしおか・りほ)
93年1月15日生まれ 京都府出身
14年、チャットモンチー「いたちごっこ」のPV出演が話題に。今年は他に映画「マンゴーと赤い車椅子」(仲倉重郎監督)「幕が上がる」(本広克行監督)に出演。本作には、オーディションにて福田雄一監督の即決でヒロイン明子役に抜擢された。
公式ブログ
映画『明烏 あけがらす』
INFO&STORY
品川でひっそり営業するホストクラブ「明烏」の最下位ホスト、ナオキ(菅田将暉)は借金返済に必要な1000万円を用意することができて安堵し、同僚と祝杯をあげる。しかし翌日に目を覚すと、金が用意できたというのは夢だったことに気付く。目前に迫る返済期限に慌てふためくナオキだったが、同僚も女性客も、周囲はみな頼りにならない人たちばかりで…。「明烏」「品川心中」など古典落語の演目をベースに、借金返済に追われるホストと頼りにならない仲間たちの慌ただしい12時間を描く。
CAST&STAFF
出演/菅田将暉・城田優・若葉竜也・吉岡里帆・柿澤勇人・松下優也・新井浩文・ムロツヨシ・佐藤二朗
監督・脚本/福田雄一
音楽/瀬川英史
主題歌/[Alexandros]「ワタリドリ」(ユニバーサルJ/RX-RECORDS)
配給/ショウゲート
公式HP
5月16日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
(C)2015『明烏』製作委員会
PROFILE
吉岡里帆(よしおか・りほ)
93年1月15日生まれ 京都府出身
14年、チャットモンチー「いたちごっこ」のPV出演が話題に。今年は他に映画「マンゴーと赤い車椅子」(仲倉重郎監督)「幕が上がる」(本広克行監督)に出演。本作には、オーディションにて福田雄一監督の即決でヒロイン明子役に抜擢された。
公式ブログ
Interview&Text/内埜さくら Photo/おおえき寿一