「たとえ本業はアイドルでも、お芝居の現場では私自身、アイドルのつもりはまったくないんです」
来たる6月9日より全国順次公開の映画『トウキョウ・リビング・デッド・アイドル』に主演の浅川梨奈さん。世界的にも脚光を浴びる「ジャパニーズ・アイドル」と、万国共通の鉄板ジャンル「ゾンビ」を掛けあわせた異色のホラーで切りひらいた、役者としての新境地をご本人にうかがった──。
役に「なりきる」楽しさを初めて実感できた作品に
──『honey』でご登場頂いた4月号とは打って変わって、今回はゾンビ。なかなか両極端ですね。「そうですね(笑)でも、今回に関しては原作がないぶん、自分で好きに作っていける楽しさもすごくあって。役が降りてきたと言うと大げさかもしれないけど、セリフじゃなく神谷ミクの言葉として気持ちを出せているって感覚は、自分の中でも初めて感じたような気がします。劇中でミクが高ぶって泣いちゃうシーンとかも、台本には書かれていない、自然と出てきた涙だったりもしましたしね」
──しかも、主人公のミクは、『TOKYO27区』というアイドルの一員という設定。浅川さんにとってはリアルによく知る世界でもあるわけで。
「きっと、こういう部分でメンバーとはいつもケンカしてて、でも自己中心的すぎてそのときは気づけなくて……みたいな裏設定は、事前にいろいろ考えました(笑)ただ、作品の中の私はあくまで神谷ミク。いつものようなステージングをしてしまうと、それはもう『浅川梨奈』でしかないから、そこはすごく意識しましたね」
──アイドルがアイドルを、ではなく、役者がアイドルを演じていると。
「私自身、お芝居の現場ではアイドルのつもりはまったくないので、同じにはしたくないって思いは、やっぱり強くて。なので、ライブシーンのダンスなんかは、自分なりに違いを意識して踊りましたね。スパガでの普段の私を知ってるファンの人たちなら『いつもと違うな』って、ちょっとは感じてもらえるんじゃないかなって」
──そのうえ劇中では、バットをフルスイングしながらのアクションもこなされて。その振り幅の大きさも、ファンにはたまらない要素ですよね。
「実は私、これまで主演した作品は全部、銃とか包丁とか、なにか凶器を持ってるんですよね。どれも楽しいからいいんですけど、ひそかに『浅川と言えば凶器』みたいに思われてるのかもしれないです(笑)」
──凶器が似合う女。いいですねぇ。実際、いいスイングしてましたし。
「最初は当たるたびに『すみません』って言ってたんですけど、やってるうちに『こいつらをどうにかしなきゃ』と、だんだんミクと同じような気持ちになっちゃって(笑)『当てても全然大丈夫』って言ってくださるスタントの方のお言葉に甘えて、最後のほうはゾンビを倒すのが快感になってましたしね。あと、終盤に出てくるブタのゾンビとの決闘では実は流血もしちゃってて。生傷やアザが絶えないのは勲章だと思ってるんで、『パット入れようか』と言われても、つい生身でやっちゃうんですけどね」
なんでもこなす役者魂でアカペラも嫌々披露!?
──そんな見上げた役者魂をもつ「女優・浅川梨奈」としての、一番のお気に入りシーンはどこでしょう?
「うーん。お気に入りって言うか、一番恥ずかしかったのは、アカペラで歌うシーンですかね。舞台の野外ステージは、もうすぐ死ぬってときに、ミクが『行きたい』と願う思い出の場所だから、すごく重要なシーンではあるんですけど、私は正直、すっごく嫌で(笑)監督にも『止めませんか』って何回も言ったぐらいでしたしね」
──その直後には、ゾンビにまで〝童顔巨乳〟をイジられたりも。
「そうなんです。いいシーンなのかと思いきや、あんなフザけたやつも現れて(笑)でも、ゾンビのパルクールとかも含めて、あそこはなかなか見ごたえのあるシーンだと思ってます」
──では最後に、劇中と同じく、もし命のタイムリミットが「72時間」しかなかったら、浅川さんはなにを?
「好きな人と一緒に過ごすか、旅行に行くか、仕事をするか。でも今はお芝居が一番楽しいから、現場で台本を持ったまま死ねたら、こんなに幸せなことはないのかなって。スタッフさんや共演者にとってはいい迷惑でしかないけど、『最後の最後まで芝居をしてたね』って言われながら、ポックリ逝けたら本望ですね(笑)」
INFORMATION
■映画『トウキョウ・リビング・デッド・アイドル』
【INFO&STORY】
ゾンビが発生すること以外は限りなく現在の東京と同じ世界。アイドルユニットTOKYO27区の人気アイドル神谷ミク(浅川梨奈)がゾンビに噛まれてしまった。ゾンビ化するまでの72時間というタイムリミット、さらにゾンビ感染者は強制収容、抹殺される中、生きる道を求めるミクは、探偵の犬田(尚玄)に協力を仰ぎ、ゾンビ血清探しに奔走する。しかし、警察や女子高生ゾンビハンター如月(星守紗凪)が彼女を追い、さらにゾンビがミクに襲いかかる。彼女は時間内に血清を手に入れることができるのか…!?
【CAST&STAFF】
出演/浅川梨奈(SUPER☆GiRLS)・阿部夢梨(SUPER☆GiRLS)・尾澤ルナ・中山優貴・山口智也・井澤勇貴・古泉千里・橘龍丸・鷹松宏一・加藤雅人・大林ちえり・亜紗美・星守紗凪・尚玄
監督・脚本/熊谷祐紀
主題歌/SUPER☆GiRLS「Hero」(IDOL Street)
配給/トリプルアップ
公式HP
6月9日(土)シネマート新宿ほか公開順次ロードショー
(C)2018「トウキョウ・リビング・デッド・アイドル」製作委員会
PROFILE
浅川梨奈(あさかわ・なな)
1999年4月3日生まれ 埼玉県出身
グループ活動以外に映画やドラマ、グラビアでも活躍。イメージDVD&Blu-ray「お待たせしました!」発売中。映画出演はほかに『14の夜』『咲-Saki-』『人狼ゲーム マッドランド』『恋と嘘』『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』『honey』などがある。
公式ブログ
公式Twitter
■映画『トウキョウ・リビング・デッド・アイドル』
【INFO&STORY】
ゾンビが発生すること以外は限りなく現在の東京と同じ世界。アイドルユニットTOKYO27区の人気アイドル神谷ミク(浅川梨奈)がゾンビに噛まれてしまった。ゾンビ化するまでの72時間というタイムリミット、さらにゾンビ感染者は強制収容、抹殺される中、生きる道を求めるミクは、探偵の犬田(尚玄)に協力を仰ぎ、ゾンビ血清探しに奔走する。しかし、警察や女子高生ゾンビハンター如月(星守紗凪)が彼女を追い、さらにゾンビがミクに襲いかかる。彼女は時間内に血清を手に入れることができるのか…!?
【CAST&STAFF】
出演/浅川梨奈(SUPER☆GiRLS)・阿部夢梨(SUPER☆GiRLS)・尾澤ルナ・中山優貴・山口智也・井澤勇貴・古泉千里・橘龍丸・鷹松宏一・加藤雅人・大林ちえり・亜紗美・星守紗凪・尚玄
監督・脚本/熊谷祐紀
主題歌/SUPER☆GiRLS「Hero」(IDOL Street)
配給/トリプルアップ
公式HP
6月9日(土)シネマート新宿ほか公開順次ロードショー
(C)2018「トウキョウ・リビング・デッド・アイドル」製作委員会
PROFILE
浅川梨奈(あさかわ・なな)
1999年4月3日生まれ 埼玉県出身
グループ活動以外に映画やドラマ、グラビアでも活躍。イメージDVD&Blu-ray「お待たせしました!」発売中。映画出演はほかに『14の夜』『咲-Saki-』『人狼ゲーム マッドランド』『恋と嘘』『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』『honey』などがある。
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取材・文/鈴木長月 撮影/おおえき寿一