File.29 日本プロ麻雀連盟所属 小笠原奈央 プロ
──『あいのり』に出演していましたが、出た動機は。
「別れても私が一人暮らしをしていた家で半同棲状態が続いていた元彼を忘れたかったんです。お互いの親同士が仲良しで学部も一緒だから、別れたのになあなあの関係になってしまっていたんです。でも番組に出たら連絡を取らないでいいし、距離を置くことができる上に恋までできちゃうと思ったんですよね」
──なるほど。ちなみに学部は。
「国士舘大学アジア学部でベトナム語を専攻していました」
──ではベトナム語は…。
「挨拶程度です。1ヶ月留学した時、現地の人に全く通じない時点で挫折しました…」
──(笑)となると女流プロ以前の仕事は『あいのり』のみ?
「いえ、大学を卒業してから不動産業に1ヶ月だけ就職しました。古着屋さんがしたくて就職したくなかったんですけど『新卒なのにもったいない』と言ってくれた友達と、同じ会社に就職したんです。だけど、どうしても仕事が好きになれなくて辞表を出したら、上司から『こんな短期間で辞めるなら、もうお前の大学からは社員を取らない』と言われたんですけど、辞めちゃいました(笑)後輩には迷惑をかけてしまいましたけど、辞めて良かったと今は思います。その後、『あいのり』をきっかけにいろいろな仕事をさせていただきました」
──番組への出演を機に女流プロを目指したんですよね。
「番組のメンバーって、放送が終わっても家族みたいに仲が良くて、出演が重なってはいないんですけど、飲み会で和泉(由希子)プロにお会いしたんです。当時、私は家族麻雀にハマっていた時期で、プロに関する話を聞いたんですね。その時に和泉プロが言ってくれた、『プロになるのを待ってるよ』という言葉がうれしくかったんです」
──その過程で元彼のことは忘れられましたか?
「番組が終わった後はつい会ったりもしちゃったんですけど、今は向こうも結婚したので全く気持ちはないですね。それに私、嘘をつく人は嫌いなので」
──その理由は?
「元彼が大学で同じグループだった女友達と浮気していたことを、私に隠していたからです。嘘をつかれたら信用できなくなるし、騙された側は先の関係をどうするかっていう選択肢も与えられないじゃないですか。だから、嘘をつかない人が私の理想の人なんです。と言いつつ今は麻雀最優先ですけど」
──好きな仕事に就いていますからね。ちなみに麻雀の魅力は。
「素人でも手をそろえれば上がれるし、私の場合は『覚えるのが早い』とか『キレイな手だね』と褒められるのがうれしくてハマったんですよね。後は初対面でも一緒に打つと性格が見えること。上がれない時にすぐ怒る人を見ると『器がちっちゃいな』と思ったりもします」
──なるほど。プロとしての目標はタイトル獲得ですよね?
「そうですね。対局前、カレーを食べたり巣鴨の赤いパンツを勝負下着にしても全く効果がなかったんですけど(笑)、タイトルが欲しいです。応援してくださる方に『負けました』と報告する時、切ない気持ちになるので恩返ししたいですね」
PROFILE
小笠原奈央(おがさはら・なお)
1987年2月1日千葉県生まれ。趣味は1人遊び、漫画、ゲーム、掃除。
2012年女流プロとしてデビュー。キャッチフレーズは「不屈のベビーフェイス」。
公式Twitter
小笠原奈央(おがさはら・なお)
1987年2月1日千葉県生まれ。趣味は1人遊び、漫画、ゲーム、掃除。
2012年女流プロとしてデビュー。キャッチフレーズは「不屈のベビーフェイス」。
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取材・文/内埜さくら 撮影/花井智子