映像での演技未経験ながら、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』でレギュラーの座をつかんだ女優松浦雅ちゃん。ドラマでは杏さん演じる西門め以子の娘ふ久役として、はつらつとした魅力を発揮中だ。この時間帯のドラマに出演した女優が続々とブレイクを果たす中、果たして雅ちゃんの未来は!?　その実力をドラマで確かめてみては？
──杏さん演じる西門め以子の娘、ふ久役に決まった時期はいつ頃でしたか？
「ドラマの放送開始前で、ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』の稽古中です。今年に入るまで誰にも言えなかったので、何ヶ月間もずーっとうずうずしてました（笑）お母さんがふ久を妊娠中だった頃は、何度も『早く生まれたい！』と思いながら放送を観てました。でも、本当は別の役でオーディションを受けたんです。その役には受かることができなかったんですけど、あるんですね、こんなことって」

──出演が決まった時は喜びもひとしおだったのでは。
「ミュージカルでセーラーマーキュリー役を演じられるだけでもうれしかったのに、こんなに幸せが続いて大丈夫!?　この後、人生に何か大きな落とし穴があるんじゃない？　って、不安になりました。台本に自分の名前が載っているのを見た日は、号泣しましたし。そのページを兵庫に住む母に写メで送ったら、母もうれし泣きしたみたいです。しかも、現場のスタッフさんもキャストのみなさんも、すごくいい方ばかりなんですよ。初めての映像のお仕事なのに、こんなにいい環境で育ってしまって、自分に甘い人間にならないだろうかって、今から心配です（笑）」

──現場では、杏さんにかわいがられているそうですね。
「もう、杏さん大好き！　私、現場ではカメラが回ってなくても杏さんをお母さんと呼んでいて、東出（昌大）さんのことは、お父さんかパパと呼んでるんです。休み時間もずっと一緒にいるから家族みたいで、緊張することなく演じています」

──では、現場で大変なことは経験していない？
「ご飯を食べるシーンが多いので、食事の所作を身につけるまでは苦労しましたが、１ヶ月ぐらい続けたせいか、今ではすっかり“ごちそうさん流”です。今、家にソファーがなくて、ベッドの上かフローリングに座って生活してるんですけど、今までずっとお姉さん座りをしていたはずなのに、気づくと正座してるんですよ。母にも、食べ方がキレイになったと褒められました」

──ふ久を演じることに対しての苦労はしましたか？
「それが、ふ久と私って考え方がほとんど同じなんです。自分が納得できないと『うん』と言わないところとか、筋が通っていないことはハッキリとイヤと言うところとか。小学生の頃、友だちと一緒にお菓子を持って行って私だけが怒られた時は、納得できなかったですもん…って、それは私が悪いですよね（笑）」

──ですね（笑）朝ドラに出演してブレイクする女優さんは多数いますが、松浦さんも今後、仕事の幅が広がりそうですね。
「もしまた映像のお仕事をさせて頂けるなら、人間のドロドロした部分を表現するような、リアリティあふれる役を演じてみたいです。人間ってキレイなところばかりじゃないと思うので。制限せずいろんな役に挑戦したいです。でも、どんな役を演じても私にとって『ごちそうさん』は原点で、一生大切にしていく作品なので、いつかお仕事に慣れてしまうことがあったら、いつでも振り返って自分をリセットしたい。すごく大事な作品だから、撮影が終わるのが悲しい…今それを思うだけで泣きそうです」