家電や経済知識にも造詣が深い、俳優の細川茂樹さんが文壇デビュー! タイトルは「それでも僕は結婚したい」で、アラサー男がある日突然、交際3年を超えた彼女から結婚を迫られるというラブストーリーだ。想定外の展開で、世界観に引き込まれるのは間違いなし。小説で伝えたかった想いの他にも、自身の結婚観や仕事への立ち向かい方にも直撃しました!!
相手を大事にしたい気持ちが結婚だと原点に戻れる小説
今回は、初小説を上梓した俳優の細川茂樹さんをインタビュー。小説についてはもちろん、過去の苦労話や思想についても掘り下げて聞きました!──処女作の発売おめでとうございます。よく出来た物語ですが、失礼ですがこれって本当に細川さんが執筆されたんですか?
「当たり前ですよ、他に誰が書いてくれるんですか(笑)。映画を撮りたいという思いが先にあったから、脚本だけが完成した状態だったんです。それに肉付けをしたっていう。だから、映画なら1時間半、ドラマなら全10話になる長さにしました」
──初めて小説を書くとなると、相当苦労されたのでは。
「そうですね。仕上げるまでに半年かかりました。でも、こだわりは貫きました。『3年前の話なのに、スマートフォンという単語が出てくるのはいいのか』と直しが入っても押し通したり。あくまでもフィクションですから」
──本作を読むと、少女漫画を思い起こさせる気が…。
「その言葉、うれしいですね。男目線で書いたのに、もしかしたら女性からも支持を得られるってことですかね。実はこの作品には、僕の願望が詰まってます。主人公の黒澤武には、器の大きな男になりたいっていう願いが込められてる(笑)。他の登場人物にも、相手に言われたら喜ぶだろうなって台詞を言わせたりして」
──では作品内に出てくる、「こんな相手とは絶対に結婚しちゃいけない!」10項目も細川さんの案?
「僕が考えました。でもね、ウイークポイント10項目は果たして本当にダメなのか? と考えると、そうじゃない。見栄っ張りは裏返せば本当に良いものを知ってるってことだし、食の好みが合わないというのも、もし恋人が自分のために料理方法を工夫してくれて好みを摺り合わせていけるなら、楽しみの一つになりますよね。僕自身が偏食で以前はトマトが食べられなかったから、そう感じるんですけど」
──主人公の黒澤武は草食系として描かれていますが、細川さんは…。
「世間からは草食系だと思われているのかな? その単語を聞くといつも思うんですけど、男は、本当に好きな女性には草食じゃないと思います。何が何でも奪い取る気持ちで挑むはず。だから女性のみなさんは、草食という言葉にかこつけて男を論評するのはどうかなと(笑)」
──確かに。本当は主人公、草食じゃないですからね。
「そう、そうなんですよ。最終的には自分から恋人に会いに行ってますからね。実はそれが、この小説の裏テーマなんです」
──奥が深いですね…。好セールスを続けてますが、読者に向けてPRをお願いできますか。
「読むと、結婚にはいい面と悪い面の両方があることがイメージできると思います。『正しい結婚の教え』の一つとして読んでほしい。なるべく読みやすく仕上げたのは活字離れが進んでる1020代の人たちにも本の楽しさを感じてほしかったから。あと僕、婚活という言葉が好きじゃない。『結婚したいだけ』って寂しいこと。だから条件だけ優先しがちな人は相手を大事にしたいって気持ちが一番大切なんだと、本を読んで原点に返ってもらいたいですね」
前を向けば前にしか進めない人間には限界はない
──この小説、シリーズ化できそうですよね。「最近の恋愛や結婚事情をとある記事で読んで、僕も続編いけるなと思いました。執筆する計画は今のところ、ないですけどね」
──俳優、作家としても順調。苦労した時期はないんですか。
「22歳で役者になるために上京した頃は、まったく仕事がなくてバイトで食い繋いでました。5年頑張ってダメなら地元へ帰ろうと線引きはしてましたけど。でもね、2年目で苦しくなって、3年でダメなら…と時期を早めた。仕事がない上に誰にもマトモに相手にはされないし、横並びで比較されて劣等感ばかりが募るし。24歳といえば周りは社会人ですしね」
──それでも細川さんが夢を諦めなかった理由は?
「古本屋で買って読んでいた、大藪春彦さんの小説に助けられていました。大藪さんにはかなり影響を受けていて、今回の小説でもテイストを真似ている部分があります。ハードボイルドな内容で、弱音を吐かない不撓不屈の男が必ず生き残るんですよ。当時はそれを読んで健全な精神を保っていました。自分を責めると辛くなるだけですから。思い返すとあの苦労した時間こそが、今の礎になっている気がします」
──読者の中には苦労真っ最中の人がいるかも知れません。アドバイスを頂けますか。
「今って世の中の状況が刻々と変わっていて、自分が悪くなくても首を切られる時代ですよね。確かに予想外の苦労をしてる人もいると思います。だけど、30代だからもうダメだ、40代だから年を取り過ぎてると自分自身で勝手に区切りをつけずに、夢があるなら向かって行ってほしい。人間は常に前を向いていれば、前にしか進まない仕組みになっていますから。だから人間に限界はない! …って大藪さんチックかな(笑)」
諦めずに続けることが大切!!だからこそ今の自分がある
──どうしたら細川さんのように夢を叶えることができますか?「偉そうなことを言える立場じゃないんですけど、諦めずにやり続けること。もし3年で打ち切って地元へ戻っていたら、今の僕はないからこそ断言します。やり続けるために、強かになった部分はあると思いますけどね。オーディションを何度も受けるうちに、言い回しや仕草という細かいテクニックを学びつつ、ですけど。やり続けた先に今があったんです」
──それって、成功した方々からよく聞く言葉です。
「僕も何人もの先輩方に聞いた時期があるんですよ。どうしたら売れるんですか? と。みなさん口を揃えて言っていましたね。『辞めなきゃ売れるよ』。芸能界は長く続けることがすごく難しいから、そういう意味では顕著な世界なんですよ。脚光を浴びると間違った方向に進んでしまう人もいるけど、脚光を浴びている時期だからこそ、その状態の時に吸収できるものはすべて吸収しておく。そういうことも先輩方に教えて頂いたので、意識しています」
──なるほど。余談ですが細川さんは結婚に興味は?
「考えてますよ。三大問題として、結婚と働くことと、どう生きるかを常に。でも結婚って、自分たちだけの問題じゃないですよね。となると、自分と相手の家族すべてを背負うという意味では、僕自身がまだ未熟なのかも知れませんね。『いつ結婚するの?』と質問を受けることもありますけど、それは僕にも分からない。ただ自分の中で今だ!と思える結婚適正期を待っている状態なんです」
──最後に俳優としての今後の展望を聞かせて下さい。
「僕ね、目標とかビジョンって持っていないんですよ。芸能界の大半の人が自分で仕事を決められるわけじゃないし、好きな仕事をしているのはごく少数。周囲の方からチャンスを与えてもらうことが仕事の基本なんです。だから、巡ってきたチャンスをどれぐらい活かせるかっていう努力に集中し続けていきます」
収録用のレコーダーを止めても話をしてくれるという誠実さを見せてくれた細川さん。仕事を選べないと話していたが、本作を元にした監督デビューも近いかも…!?
INFORMATION
■「それでも僕は結婚したい」
【INFO】
これが、最新“結婚リアル”一。タイムリミットは、1週間! アラフォー+家電ヲタ→草食系を超えた植物系男子の恋の行方は…? 家電トリビア、最新の結婚&離婚事情が満載の超現実的ミラクルラブストーリー。老若男女、広い世代に絶大な人気を誇り“家電俳優”としてバラエティでもお馴染みの細川茂樹による初の書き下ろし小説。「それでもシリーズ」全3部作(予定)の第一弾で、テーマは“結婚”。自身初の書き下ろしとなる、俳優・細川茂樹が描くハイテンポ家電恋愛小説がここに誕生した!!
内容
1日目 とにかく僕は結婚しない
2日目 できれば僕は結婚しない
3日目 やっぱり僕は結婚しない
4日目 もちろん僕は結婚しない
5日目 あせって僕は結婚しない
6日目 だったら僕は結婚しない
7日目 それでも僕は結婚したい
半年後 それでも僕は結婚した
著者/細川茂樹 講談社から好評発売中(税込1470円)
PROFILE
細川茂樹(ほそかわ・しげき)
1971年、岐阜県生まれ
94年、俳優デビュー。多数のテレビドラマや映画に出演するほか、バラエティ番組や情報番組、ラジオでも活躍。趣味の車、家電、野生動物、株式、不動産に関しての見識は名高く、その博学ぶりを披露している。テレビ「テレビでハングル講座」(NHK教育)では語学の習得に励み、昨年末話題を呼んだ書籍「家電俳優」(ワニブックス)発売後、自身初の書き下ろしとなる、ハイテンポ家電恋愛小説「それでも僕は結婚したい」(講談社刊)が発売中だ。
■「それでも僕は結婚したい」
【INFO】
これが、最新“結婚リアル”一。タイムリミットは、1週間! アラフォー+家電ヲタ→草食系を超えた植物系男子の恋の行方は…? 家電トリビア、最新の結婚&離婚事情が満載の超現実的ミラクルラブストーリー。老若男女、広い世代に絶大な人気を誇り“家電俳優”としてバラエティでもお馴染みの細川茂樹による初の書き下ろし小説。「それでもシリーズ」全3部作(予定)の第一弾で、テーマは“結婚”。自身初の書き下ろしとなる、俳優・細川茂樹が描くハイテンポ家電恋愛小説がここに誕生した!!
内容
1日目 とにかく僕は結婚しない
2日目 できれば僕は結婚しない
3日目 やっぱり僕は結婚しない
4日目 もちろん僕は結婚しない
5日目 あせって僕は結婚しない
6日目 だったら僕は結婚しない
7日目 それでも僕は結婚したい
半年後 それでも僕は結婚した
著者/細川茂樹 講談社から好評発売中(税込1470円)
PROFILE
細川茂樹(ほそかわ・しげき)
1971年、岐阜県生まれ
94年、俳優デビュー。多数のテレビドラマや映画に出演するほか、バラエティ番組や情報番組、ラジオでも活躍。趣味の車、家電、野生動物、株式、不動産に関しての見識は名高く、その博学ぶりを披露している。テレビ「テレビでハングル講座」(NHK教育)では語学の習得に励み、昨年末話題を呼んだ書籍「家電俳優」(ワニブックス)発売後、自身初の書き下ろしとなる、ハイテンポ家電恋愛小説「それでも僕は結婚したい」(講談社刊)が発売中だ。
取材・文/内埜さくら 撮影/おおえき寿一 ヘアメイク/岡崎奈緒子 スタイリスト/小出エリ
ニットベスト¥26,250 ネクタイ¥10,500 パンツ¥23,100 ハケット ロンドン/ハケット ロンドン 丸の内店 TEL03-3217-8510 シャツ スタイリスト私物
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