「人との出会いで人生、何が起きるか分からないと体感できるドラマです。観ている方々にも、絶対に起こらないとは言えない話かも知れません」
大石静さんが脚本を手掛けたNHKドラマ10「セカンドバージン」が10月12日から絶賛放送中だ。本作で鈴木京香さん、深田恭子さんの二人に愛される男性主役に大抜擢された長谷川博己さんを、ドラマ撮影の合い間をぬって訪問。ドラマの裏側や見どころについてインタビューしてきました!
役を引きずるタイプなので私生活でも塞ぎ込んでます
──長谷川さんが出演しているドラマ「セカンドバージン」が10月から放送開始ですね。最初に台本を読んだ時の感想は?「テンポが良くて展開が速いから、次はどうなるんだろうと楽しみな気持ちで読ませて頂きました。ただ、女性の本心を覗き見しているような作りなので、女性って怖いな…とも感じましたけど」
──バツイチ女性と不倫関係になる28歳男性、鈴木行(こう)の役作り方法は。
「監督と話をさせて頂いた時に、 今回は役を作るんじゃなくて自分自身に近づけようということになりました。自分の感情の一部と役を混ぜる感じです」
──演じてみて、役はご自身に馴染んできていますか?
「僕ね、役を引きずるタイプなんですよ。不器用だから、うまく切り替えができないんですよね。深田恭子さん演じる妻という存在がありながら、鈴木京香さん演じる不倫相手に惹かれていく。そのシーンを演じるだけで気持ちが重くなって、家に帰った途端に倒れています(笑)。心情的に葛藤するシーンを演じるだけで、げっそりと痩せたりしますし。みんなにやつれてると言われることもあるんですけど、ちょうど役作りにもなるし、役に真実味が帯びていいかな、と(笑)」
2人の大女優の間に陽炎になった気が…(笑)
──本作に出演して、女性に対する価値観に変化はありましたか。「改めて感じたのは女性は強い! ということですね。どんなに過酷な状況でも、幸せになれる術を持っている気がします」
──鈴木京香さんと深田恭子さん、二人の大女優に囲まれての仕事はいかがですか?
「お二人ともエネルギッシュで強い存在感があって…圧倒されまくっています。最初の頃は間に立たされると、陽炎のような気持ちになりました(笑)。周囲から見たら、『あいつ何だったんだ?』っていうぐらい、僕の存在は薄いかも。でもそれでいいのかも知れません」
──見どころを教えて下さい。
「人との出会いで人生、何が起きるか分からないと体感できるドラマです。ごく普通の日常生活を送っていた人間が、出会いによって変化する過程を楽しんでもらいたいですね。観ている方々にも、絶対に起こらないとは言えない話ですよね。理屈じゃ説明できない運命の作用によって、パートナーがいるのに心から好きな人に出会ってしまうというのは。流れに身を委ねるのも一つの形なのかな…と親近感を持ってこのドラマを観て頂けると思います」
成長できる役に出会いたいドラキュラ役にも憧れます
──長谷川さんご自身は、どちらの女性がタイプですか?「鈴木京香さん演じる、るいですね。芯があって、時折見せる弱さにキュンとします…って今、僕が演じている行モードで答えているかも(笑)。でも、ポリシーを持って生きている女性には好感を持ちます」
──俳優としてますます活躍が期待されますが、長谷川さんにとって演じることの魅力とは?
「いろんな役の思想や生き方を知ることで、自分の世界が広がるところですね。人間的にも成長できる上に、みなさんに観てもらえる。それが芝居の最大の魅力ではないでしょうか」
──目標とする役者はいますか。
「監督のけれん味を消してしまうほど深みのある演技をする、ダニエル・デイ=ルイスさんが最終的な目標です。画面で見るたびにキャラがまったく違うので、毎回驚かされます。演じてみたい役柄は、岸田森さんが和製ドラキュラと評価を得た、映画『呪いの館 血を吸う眼』。お話しがあれば是非、挑戦してみたい。彼らのように、自分を成長させてくれる役に巡り会い続けたいですね」
INFORMATION
■NHKドラマ10『セカンドバージン』
【STORY&INFO】
NHK総合で10月12日から放送開始したドラマ10の新シリーズ「セカンドバージン」は、大石静さんのオリジナル脚本で送る大人の極上ラブストーリー。仕事に情熱を傾けるあまり、しばらく恋愛から遠ざかっていたキャリア女性が突然、17歳年下の男性との“危険な恋”に走る姿を描き出す。中村るい(鈴木京香)は出版業界では名の知れた敏腕プロデューサー。容赦ない戦略と豪腕でベストセラーを連発し、社長の向井(段田安則)と二人三脚で弱小出版社を最大手までに押し上げてきた。ある日るいは、とあるワイン会で若い男・鈴木行(長谷川博己)と出会う。行は近々金融庁を辞め、グローバルな競争に勝つ証券会社を起業するという。野望を秘めた行から何かを感じ取ったるいは、彼の本の出版を画策。やがて行の本が出版され、るいは行から遠ざかっていたが、逆に行から積極的にアプローチされる。あまりにも年の離れた行のアプローチに戸惑うるい。そんな中、るいの家の隣に若い夫婦が引っ越してくる一。
【CAST&STAFF】
出演/鈴木京香・深田恭子・長谷川博己・YOU・綾野剛・田丸麻紀・森脇英理子・小木茂光・石田太郎・朝加真由美・布施明・段田安則・草笛光子ほか
脚本/大石静
演出/黒崎博・柳川強
音楽/梅林茂
主題歌「あなただけが」倖田來未 ドラマ10「セカンドバージン」(毎週火曜午後10時)は NHK総合ほかで放送中(全10回)
PROFILE
長谷川博己 (はせがわ・ひろき)
1977年3月7日生まれ 東京都出身
02年にロバート・アラン・アッカーマン演出の「BENT」(主演)で初舞台を踏む。06年に文芸座座員に昇格するが退座。以降、ドラマや舞台を中心に活躍。主な出演作にドラマ「四つの嘘」「33分探偵」「七瀬ふたたび」「妄想姉妹」「BOSS」「ギネ-産婦人科の女たち-」、舞台「カリギュラ」「シェイクスピア・ソナタ」「コースト・オブ・ユートピア」「ヘンリー六世」などがあり、蜷川作品の常連でもある。俳優10人が語り手となった単行本「蜷川幸雄の稽古場から」がポプラ社から発売中(語り手/蒼井優・小栗旬・尾上菊之助・勝地涼・鈴木杏・寺島しのぶ・成宮寛貴・長谷川博己・藤原竜也・松たか子)。12月4日からBunkamuraシアターコクーンで上演される舞台「黴菌(ばいきん)」(演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ)に出演する。
公式HP
■NHKドラマ10『セカンドバージン』
【STORY&INFO】
NHK総合で10月12日から放送開始したドラマ10の新シリーズ「セカンドバージン」は、大石静さんのオリジナル脚本で送る大人の極上ラブストーリー。仕事に情熱を傾けるあまり、しばらく恋愛から遠ざかっていたキャリア女性が突然、17歳年下の男性との“危険な恋”に走る姿を描き出す。中村るい(鈴木京香)は出版業界では名の知れた敏腕プロデューサー。容赦ない戦略と豪腕でベストセラーを連発し、社長の向井(段田安則)と二人三脚で弱小出版社を最大手までに押し上げてきた。ある日るいは、とあるワイン会で若い男・鈴木行(長谷川博己)と出会う。行は近々金融庁を辞め、グローバルな競争に勝つ証券会社を起業するという。野望を秘めた行から何かを感じ取ったるいは、彼の本の出版を画策。やがて行の本が出版され、るいは行から遠ざかっていたが、逆に行から積極的にアプローチされる。あまりにも年の離れた行のアプローチに戸惑うるい。そんな中、るいの家の隣に若い夫婦が引っ越してくる一。
【CAST&STAFF】
出演/鈴木京香・深田恭子・長谷川博己・YOU・綾野剛・田丸麻紀・森脇英理子・小木茂光・石田太郎・朝加真由美・布施明・段田安則・草笛光子ほか
脚本/大石静
演出/黒崎博・柳川強
音楽/梅林茂
主題歌「あなただけが」倖田來未 ドラマ10「セカンドバージン」(毎週火曜午後10時)は NHK総合ほかで放送中(全10回)
PROFILE
長谷川博己 (はせがわ・ひろき)
1977年3月7日生まれ 東京都出身
02年にロバート・アラン・アッカーマン演出の「BENT」(主演)で初舞台を踏む。06年に文芸座座員に昇格するが退座。以降、ドラマや舞台を中心に活躍。主な出演作にドラマ「四つの嘘」「33分探偵」「七瀬ふたたび」「妄想姉妹」「BOSS」「ギネ-産婦人科の女たち-」、舞台「カリギュラ」「シェイクスピア・ソナタ」「コースト・オブ・ユートピア」「ヘンリー六世」などがあり、蜷川作品の常連でもある。俳優10人が語り手となった単行本「蜷川幸雄の稽古場から」がポプラ社から発売中(語り手/蒼井優・小栗旬・尾上菊之助・勝地涼・鈴木杏・寺島しのぶ・成宮寛貴・長谷川博己・藤原竜也・松たか子)。12月4日からBunkamuraシアターコクーンで上演される舞台「黴菌(ばいきん)」(演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ)に出演する。
公式HP
取材・文/内埜さくら 撮影/おおえき寿一