冴えない学生時代を経て恋愛予備校を開校した男磨きプロデューサー
恋が苦手な男性を劇的に変える恋愛予備校としてマスコミでも話題を呼んでいる『東京ラバーズアカデミー』。校長を務める西村義信さんは、決してホスト系のチャラ男ではなく、じつに真摯な方。というのも、元々はシャイな学生時代を過ごし、職を転々としてきた苦労人なのだ。「人生が変わる学校」ができるまでの豊かなエピソードを聞いた。
尊敬できる上司に出逢って成長 路上スカウトで生徒を集めた
──西村さんは元からモテモテだったんですか?「学生時代はずっとイケてませんでした。話す女性は母と妹だけ。そのまま大学卒業してコンビニの本部で働いてたのですが、転機が訪れたのは24歳の時。先が見えてしまったので、訪問営業をする通信系の会社に転職したんです。そこの上司が魅力的な人で、初めて尊敬できる大人に出逢いました」
──その方はどんな人でしたか?
「当時30代後半ぐらいの支店長で、言い訳をまったくしない男気がある人。怒る時も愛がある叱り方でしたし、結果を出すとキャバクラに連れていってくれたり。見た目、話術、仕事、遊び方、すべてその人を真似しましたね。ところが会社が倒産。世知辛い世の中だし、これからは心と体をケアする時代だと思って、次は整体師を目指しました。でも、お客さんが増えず、整体師のセンスがないと通感したので、30代は法律家になろうと。29歳から司法書士の勉強をしたんですが、試験には4年連続で不合格。そこで、晩婚化や少子化のニュースを見た時に、ふと世の中には『恋の教習所』がないことに気づいたんです。モテない悩みを抱えてる人が、世の中にはいっぱいいるはずだと」
──その頃はモテるようになってたんですか?
「開校にあたり、いろんな人に相談したんですけど、『そもそもおまえがモテないじゃないか』と言われました(笑)。だけど、自分は運営をする立場で、同じ目線に立って生徒をサポートする気持ちが大事だと思ったんです。予備校のように講師は呼んでくればいいわけで、開校までの1年は恋愛のスペシャリスト探し。いいなと思った人にお声がけして、18名の講師を集めたんです。立ち振る舞いを教える俳優さん、話術を教える芸人さんの他、合コンやメールにおける女性側の心理を教えるための女性講師も。講師陣と一緒にカリキュラムを作って、2010年11月、東京ラバーズアカデミー(TLA)の開校が決まった。しかし、入学予定者はゼロだったんです」
──えーっ、よく開校しましたね?
「まずは忙しい講師陣のスケジュールを押さえなきゃいけなかったんで、ハッタリで『もう生徒がいます』と言って授業の日程を埋めていき、そこから生徒集め。ホームページを作って待ってても誰も来ないので、路上でスカウトしました(苦笑)。最初は秋葉原で声を掛けてたんですが、2次元のキャラクターで満足してる人が多くて断念。むしろ原宿や渋谷のほうが、地方から出てきてファッションに興味があったり、モテたい気持ちがある人が多いですね。1期生を6人集めてスタートしました。ただ、そこから7期生まで輩出したものの、休みなく働いて自分を追い込み過ぎたことで、僕がダウンしちゃったんです。で、実家に1年8カ月引きこもった末、意地でもTLAをやり遂げたかったので昨年から再始動。今度はクラス制じゃなくマンツーマンにしました」
──今後、目指すところは?
「本当にモテる男は、女性だけでなく同性からも惚れられます。うわべのテクニックではなく、人間的魅力につながる自信を身につけてもらうのが、ナンパ塾と当校の決定的な違い。僕が憧れたかつての上司は『出逢いが人生を変える、環境が人を創る』と言っていました。僕のように、周囲の人や環境によって内面は変わるし、何歳からでも人生はやり直せると思うんです。これまで当校の生徒は、38名のうち7割に彼女ができて6名が結婚しただけでなく、起業や転職に成功した人もいます。これからはTLAをフランチャイズ化して、AKBのようにNLA(なんばラバーズアカデミー)、HLA(博多ラバーズアカデミー)と全国展開していきたいですね」
PROFILE
西村義信
1976年生まれ、滋賀県出身。
24歳の時の出会いをきっかけにコミュニケーション能力が覚醒。2010年に『東京ラバーズアカデミー』を開校。現在は女性のための恋愛学校やトップセールスマン育成学校も開いている。
公式HP
公式Twitter
西村義信
1976年生まれ、滋賀県出身。
24歳の時の出会いをきっかけにコミュニケーション能力が覚醒。2010年に『東京ラバーズアカデミー』を開校。現在は女性のための恋愛学校やトップセールスマン育成学校も開いている。
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取材・文/小沢由紀夫 撮影/森モーリー鷹博