直木賞作家・小池真理子氏の半自叙伝的小説を映画化した『無伴奏』が3月26日に公開。主演の成海璃子さん演じる野間響子の人生に変化をもたらす存在、響子の友人であるレイコを演じた酒井波湖さん、ジュリーを演じた仁村紗和さんの二人に、作品の裏話や魅力を聞きました。
同性愛のシーンをぜひ映像で思い切りの良さに驚きます!
──(取材開始前に、目を合わせて微笑み合ったので)仲良さそうですね。仁村紗和(以下、仁村)「お互いこの作品で初めて映画に出た上に友人役だったからすぐ仲良くなれたんです。波湖ちゃんはさっぱりとした性格ですし」
酒井波湖(以下、酒井)「きっと私が脳天気なだけなんです。台本をもらった時に『胃が痛い』と言ったら、紗和ちゃんも同じだったらしくて意気投合しました」
──しかもお二人とも撮影前に原作を読んで衝撃を受けたとか。
仁村「成海璃子さんが演じた響子が女の子からオンナになった後、自分の彼氏が男性と愛し合っているところを見てしまうんですね。もし自分だったら、その愛の形に巻き込まれたらどうするだろうと衝撃を受けました」
──ご自身ならどうします?
仁村「どうしましょう…好きになった人が偶然そうだった、ということで自分を納得させられませんかね…?」
酒井「私ならまずは、冷静に話し合います。彼の幸せが自分の幸せに繋がるから、彼の答えを優先するべきかなって。もちろん私を選んでほしいですけどね」
仁村「ただ、同性愛のシーンを文字ではなく映像で観ると、あまりの思い切りの良さにみなさん驚くと思いますよ」
──矢崎監督がこだわった衣装にも注目が集まっています。
仁村「先日、高円寺の古着屋に行った時『無伴奏』のパンフレットが置いてあって、そのお店が衣装提供したことを知ったんです。本当にその時代のアイテムを使ったんだと感動しました」
酒井「ただ衣装を1つに絞る時、監督は相当悩んでましたけどね(笑)髪型にもこだわっていて、もしかしたら私はもっと短くするかもしれなかったんです。だけど私がポロッと言った髪を巻く案を、快く受け入れてくださいました」
仁村「衣装は撮影前に何種類も試着しました。襟がピューンとなっている、今の時代にはないブラウスが素敵でした。本番では着てないですけどね、襟ピューンは(笑)」
酒井「紗和ちゃんは普段から古着が好きで着てるから似合うけど、私はスポーツ少女だったから、普段着はジャージでしかお洒落しないんです(笑)だから今回はレトロなファッションに目覚めさせて頂きました」
この映画が人との関係性を見直す発端になると嬉しい
──その衣装を着用して映画の現場に初めて入った感想は?酒井「想像以上に『無伴奏』が原作通りに再現されていて感動しました。あと、キャストのみなさんはもちろん、スタッフさんの映画に対する“覚悟”を肌で感じて、緊張すると同時について行こう! というやる気や刺激にもさせてもらえました」
仁村「私は響子の友人役だから、成海さんは大先輩ですけど遠慮しないほうがいいと思っていたんです。オールアップが響子の自宅のシーンだったんですけど、その前に何度か成海さんと食事に行かせて頂いて、距離を近づけられたことが印象に残っています」
酒井「仙台で泊まりのロケがあった日、成海さんと遠藤(新菜)さんと私たち4人で、ホテル内のレストランで食事したこともあったよね? その後みんなで温泉に入って。旅行に来たみたいにみんなでワイワイしたんです」
──その関係性が作品にも反映されていますね。改めて作品の魅力を教えて頂けますか。
仁村「60~70年代に青春時代を過ごした方々は懐かしんで頂けますし、私たちと同年代の人が観たら『ファッションは時代を巡る』と実感してもらえます。ハイネックにハイウエスト、今流行の服装が映画には出てきます」
酒井「青春時代特有の“揺らぎ”を感じられる映画なので、渦中の人もそれを通り過ぎた方も、人に優しくしたい、人としての柔らかさを大切にしたいと感じてもらえるのではないでしょうか。この作品が、人との関係性を見直すきっかけになってくれるととても嬉しいですね」
INFORMATION
■映画『無伴奏』
INFO&STORY
反戦運動や全共闘運動が起きていた激動の1969年の仙台。同級生とともに学園闘争を行っていた女子高生の野間響子(成海璃子)は、友人に連れられて足を運んだ喫茶店「無伴奏」で、大学生の堂本渉(池松壮亮)と渉の友人・関祐之介(斎藤工)、祐之介の恋人・高宮エマ(遠藤新菜)の3人に出会う。「パッヘルベルのカノン」をリクエストする渉に興味を抱いた響子は、渉に強く惹かれていき、やがてどうすることもできない強い衝動に突き動かされていく…。直木賞作家・小池真理子さんによる半自伝的恋愛小説を映画化。時代に流されて学園闘争に関っていた多感な女子高校生の成長を描く。
CAST&STAFF
出演/成海璃子・池松壮亮・斎藤工・遠藤新菜・松本若菜・酒井波湖・仁村紗和・斉藤とも子・藤田朋子・光石研
監督/矢崎仁司
原作/小池真理子「無伴奏」(新潮文庫刊、集英社文庫刊)
脚本/武田知愛・朝西真砂
主題歌/「どこかへ」Drop’s
配給/アークエンタテインメント
公式HP
3月26日(土)より、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
(C)2015「無伴奏」製作委員会
PROFILE
酒井波湖(さかい・はこ)
1990年7月28日生まれ 長野県出身
陸上100M自己ベスト12秒77の記録を持つ、自称“走れる女優”。これまで舞台を中心に活動、またモデルとしても活躍している。映画出演は本作が初。
公式ブログ
公式Twitter
仁村紗和(にむら・さわ)
1994年10月13日生まれ 大阪府出身
モデル・女優。住友生命CM「あの人の生活保険」篇おつる役で一躍、話題に。日本テレビ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」出演。映画は本作が初出演。
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■映画『無伴奏』
INFO&STORY
反戦運動や全共闘運動が起きていた激動の1969年の仙台。同級生とともに学園闘争を行っていた女子高生の野間響子(成海璃子)は、友人に連れられて足を運んだ喫茶店「無伴奏」で、大学生の堂本渉(池松壮亮)と渉の友人・関祐之介(斎藤工)、祐之介の恋人・高宮エマ(遠藤新菜)の3人に出会う。「パッヘルベルのカノン」をリクエストする渉に興味を抱いた響子は、渉に強く惹かれていき、やがてどうすることもできない強い衝動に突き動かされていく…。直木賞作家・小池真理子さんによる半自伝的恋愛小説を映画化。時代に流されて学園闘争に関っていた多感な女子高校生の成長を描く。
CAST&STAFF
出演/成海璃子・池松壮亮・斎藤工・遠藤新菜・松本若菜・酒井波湖・仁村紗和・斉藤とも子・藤田朋子・光石研
監督/矢崎仁司
原作/小池真理子「無伴奏」(新潮文庫刊、集英社文庫刊)
脚本/武田知愛・朝西真砂
主題歌/「どこかへ」Drop’s
配給/アークエンタテインメント
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3月26日(土)より、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
(C)2015「無伴奏」製作委員会
PROFILE
酒井波湖(さかい・はこ)
1990年7月28日生まれ 長野県出身
陸上100M自己ベスト12秒77の記録を持つ、自称“走れる女優”。これまで舞台を中心に活動、またモデルとしても活躍している。映画出演は本作が初。
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仁村紗和(にむら・さわ)
1994年10月13日生まれ 大阪府出身
モデル・女優。住友生命CM「あの人の生活保険」篇おつる役で一躍、話題に。日本テレビ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」出演。映画は本作が初出演。
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撮影◎おおえき寿一 取材・文◎内埜さくら ヘアメイク/山崎惠子