「誰にでも上手くいかない時期はあるから、序盤で泰介があがいている感じとか、モヤモヤした気持ちを抱えているところに共感できると思います」
芸能界には数多の若手イケメン俳優と呼ばれる役者がいる。今年12月15日に29歳になる馬場良馬さんもその1人だが、彼と話をしていると単なるイケメンではなく、その心の内側に、熱いものがたぎっているのが読み取れる。11月2日に公開される主演映画『夜明け前 朝焼け中』の主役も自ら勝ち取ったという、作品の秘話を教えてもらった。
現状に満足できず模索中の泰介と僕は一緒なんです
──今回の主演は馬場さんご指名だったのでしょうか。「窪田(将治)監督とは何作かご一緒していて、僕が一方的に支持してるんです。飲みの席でいつも『出演させて下さい』と言うような間柄だから、頂けたんじゃないかと思います」
──飲みの席で? 馬場さんは飲むとどうなるんですか?
「普段より陽気になって、相手に顔をものすごく近づけてしゃべります(笑)。そして、熱く語る!(笑)。監督が相手なら、演技論的なことを熱く語りますね。だから今回演じた(渡辺)泰介って、今の自分に近しいところが多いんですよ」
──売れない劇団員役が、ご自身と近い理由とは?
「泰介は現状に満足していなくて抜け出したいにも関わらず、結局何もせずにモヤモヤした気持ちを抱えているんです。そういう気持ちって、痛いほど分かるんですよね。役者って〝30歳手前の壁〟と呼ばれるものがあって、30歳を境に続けるのか、辞めて安定した職業に就くのか悩む人が多いんですよ。模索中な部分は、僕も泰介も一緒なんです。泰介の熱い性格も自分と似ている気がしますね」
現状を変えられずあがく姿に誰も共感できるのでは
──お酒が入ると熱く語るとおっしゃっていましたもんね。「ホント、熱くなることって嫌いじゃないんですよ。人の持つ熱が直接的にでも間接的にでも、周りに影響を与えることがあるじゃないですか。僕、そういう人間になりたいんです。だから例えば劇中で、ものすごく寒い夜にバーベキューをするんですけど、きっと自分もやっちゃうんだろうなぁって(笑)」
──映画では劇団員が合宿をしますが、実際の現場の雰囲気は。
「実は僕、人見知りなんですけど、今回は何度か共演したキャストが多くて、映画と同じような合宿状態でした。男女別々に宿に泊まって、男は男同士で寝るっていう。みんなでビール片手に『次の芝居、どうしよう』なんて話もしましたから、映画さながらでしたね。でも、楽しんだだけじゃないですよ。僕は主演というプレッシャーもありましたし、監督に成長した自分を示さなければならないっていう緊張感もありましたから」
──泊まり込みで撮影したからこそ、あの雰囲気が出たんですね。
「そうなんですよ。だから観ている人も、共感しやすいと思います。特に序盤の、泰介があがいている感じとか、モヤモヤした気持ちを抱えているところとか。現状を変えられないからこそ、拳銃を持った男たちが現れて急展開を見せるというのは、必然的な事件なんでしょうね」
私生活なら作中の性悪女に騙される気がします…(笑)
──確かに急展開でした。「拳銃を持った男たちが現れるところで2つに分けても面白いかもしれない展開なんですよ。あそこからサスペンスとしても成立するっていうのは、脚本を書いた監督の力なんですよね」
──女性キャストも登場しますが、役柄で好みのタイプは?
「うーん、中島愛里ちゃんが演じた性悪女ですかねぇ。簡単に引っかかって手の平で転がされるんでしょうけど、男って、自分の前で可愛くされると裏の顔には気づかないんですよ。男ってバカですよね(笑)。そして僕も、そんなバカな男の1人です(笑)。僕は、役者バカでもありますけどね」
──役者バカとしての今後は?
「ぼんやりしてると何も分からなくなるんで、5年後10年後の理想を想像しつつ、この1年で何をすればいいか、1ヶ月何をするか、じゃあ今日は何をしようって逆算して理想に近づいていきたいですね。そうやって、30歳手前の壁も超えたいです」
INFORMATION
■映画『夜明け前 朝焼け中』
INFO&STORY
10周年興行に向けて合宿中の劇団フラッシュバック。旗揚げ当時からの劇団員・渡辺泰介(馬場良馬)は、やる気も人気もない劇団を何とか立て直そうと考えていたが、主宰の石田亮(八神蓮)は台本も書かず、合宿所に着くなり飲み会を始める始末。他の劇団員たちもまるで遊び気分だったが、そこへ突然、拳銃を持った男が現れ事態は急変する…。「失恋殺人」「クレイジズム」「僕の中のオトコの娘」の3作品が連続でモントリオール世界映画祭に出品された窪田将治監督が、小さな劇団に巻き起こる騒動を描いた青春ムービー。
CAST&STAFF
出演/馬場良馬・八神蓮・平田裕一郎・高崎翔太・肘井美佳・中島愛里・橘美緒・植野堀誠・河合龍之介・川野直輝・草野康太
監督・脚本・編集/窪田将治
製作/「夜明け前 朝焼け中」製作委員会
配給/FAITHentertainment
サモワール 11月2日(土)より新宿バルト9ほか全国順次公開
(C)2013「夜明け前 朝焼け中」製作委員会
PROFILE
馬場良馬(ばば・りょうま)
1984年12月15日生まれ 千葉県出身
08年、ドラマ「東京ゴースト・トリップ」で本格デビュー。映画や舞台、ドラマなどで俳優として活動。テレビ朝日系「特命戦隊ゴーバスターズ」ブルーバスター、岩崎リュウジ役で人気を博す。映画は主な出演作品に「クレイジズム」「ゲキアツ~真夏のエチュード~」「都市霊伝説 幽子」「アサシン」「夕の江の街に」「僕の中のオトコの娘」「幕末奇譚 SHINSEN5 ~剣豪降臨~」「トイレの花子さん 新劇場版」など。公開待機作に「リュウセイ」「太陽からプランチャ」がある。10月19日から赤坂ACTシアターで上演の舞台「デスティニー」に出演する。
公式ブログ
■映画『夜明け前 朝焼け中』
INFO&STORY
10周年興行に向けて合宿中の劇団フラッシュバック。旗揚げ当時からの劇団員・渡辺泰介(馬場良馬)は、やる気も人気もない劇団を何とか立て直そうと考えていたが、主宰の石田亮(八神蓮)は台本も書かず、合宿所に着くなり飲み会を始める始末。他の劇団員たちもまるで遊び気分だったが、そこへ突然、拳銃を持った男が現れ事態は急変する…。「失恋殺人」「クレイジズム」「僕の中のオトコの娘」の3作品が連続でモントリオール世界映画祭に出品された窪田将治監督が、小さな劇団に巻き起こる騒動を描いた青春ムービー。
CAST&STAFF
出演/馬場良馬・八神蓮・平田裕一郎・高崎翔太・肘井美佳・中島愛里・橘美緒・植野堀誠・河合龍之介・川野直輝・草野康太
監督・脚本・編集/窪田将治
製作/「夜明け前 朝焼け中」製作委員会
配給/FAITHentertainment
サモワール 11月2日(土)より新宿バルト9ほか全国順次公開
(C)2013「夜明け前 朝焼け中」製作委員会
PROFILE
馬場良馬(ばば・りょうま)
1984年12月15日生まれ 千葉県出身
08年、ドラマ「東京ゴースト・トリップ」で本格デビュー。映画や舞台、ドラマなどで俳優として活動。テレビ朝日系「特命戦隊ゴーバスターズ」ブルーバスター、岩崎リュウジ役で人気を博す。映画は主な出演作品に「クレイジズム」「ゲキアツ~真夏のエチュード~」「都市霊伝説 幽子」「アサシン」「夕の江の街に」「僕の中のオトコの娘」「幕末奇譚 SHINSEN5 ~剣豪降臨~」「トイレの花子さん 新劇場版」など。公開待機作に「リュウセイ」「太陽からプランチャ」がある。10月19日から赤坂ACTシアターで上演の舞台「デスティニー」に出演する。
公式ブログ
Interview&Text/内埜さくら Photo/おおえき寿一 ヘア&メイク/篠原奈緒子