「コージ苑」など独特の世界観でファンを魅了する漫画界の重鎮・相原コージ氏が描くゾンビパニックホラーが、『Ｚ～ゼット～果てなき希望』のタイトルで実写化！　Ｚを薙刀でバッサバサと見事に倒す主人公の戸田を演じた極真空手の黒帯の持ち主、川本まゆちゃんにインタビュー。「アクションだけではなく演技も本格的と言われる女優の“空席”を目指したい」と語る、“最強女優”の弱点にも迫ります！
──Ｚというゾンビに追いかけられますが、ご自身が同じ立場になったらどう対処しますか。
「猛ダッシュで逃げます（笑）だって海外の映画のゾンビと違って、Ｚは絶対に死なないんですよ！　首か手足を切断して、動かないようにするしか方法がないんですから。短距離走が得意で学生時代はリレーの選手もしてたから、走れば逃げ切れるかなって」

──極真空手の黒帯なのに、戦わない？
「負けそうですよねえ（苦笑）走って逃げられなかったら、空手をやってる弟に助けてもらいたいです。私、弟が彼氏だったらいいのになって思うほど、大好きなんです（笑）脱ぐと筋肉ムキムキで、いつもご飯を３人前ぐらい食べるところがいいな～って思うんですよ。私きっと、自分より強い人が好きなんでしょうね…」

──恋人にするなら戸田ぐらい強くないとダメということですね。
「原作と違って映画の戸田は、一度もピンチを迎えないですもんね。しかも劇中では、一度しか笑わないんです。本当は木嶋（のりこ）さんが演じたあかりと気持ちが通じ合うシーンがあったんですけど、現場でカットされて…。だから戸田はあの一度きりの笑顔でしか感情を表現しないんですけど、本当は私、あのシーンであかりを抱きしめたかったんです。できなかったので劇場で観た時に、木嶋さんと抱き合って喜びました！」

──役柄とあまりにもかけ離れていて、苦労したそうですね。
「まず笑わないって点が、違いすぎて。私、笑いのツボが浅いみたいで、１人でテレビを観ながら笑い転げていたら、ロケで同じ部屋に泊まった（田中）美晴ちゃんに、奇妙な目で見られました（笑）映画の中でもちょっと笑えるシーンがあって、そこは後ろ姿しか映らないんです。だから笑いたかったんですけど、そうすると肩が揺れちゃうから、堪えるのに必死でしたね（笑）」

──そんなエピソードが！　ほかに、役作りで意識した点は。
「それまでの戸田の人生があまり描かれていないので、自分なりに想像しました。突然、Ｚ化したおばあちゃんを自分の手で殺してしまった後に、どれぐらい落ち込んだのかな…とか」

──アイパッチを装着したままのアクションも苦労したと聞きました。
「薙刀を扱う時は空手の立ち方がベースなんですけど、室内でのアクションが多かったので、壁に当たらないよう気をつけるのが大変で。アイパッチは、外すと距離感がつかめなくて変な感覚になるんですよね。感覚が狂うとアクションに支障をきたすから、お昼ご飯を食べる時も付けたままにして」

──ロケ地の思い出などは。
「スケジュールがタイトだったので、海風に当たった時しか、静岡を感じられませんでした（笑）戸田は巻き髪なんですけど、私の髪はクセが付きづらいみたいで、あの撮影では何度も巻き直してスプレーで固めて…サラサラに見えても実は結構、ガチガチに固まってます。撮影後、落とすのが大変でした」

──そういった苦労を踏まえた上での主演映画ですから、大勢の人に観てもらいたいですよね。
「ぜひ！　薙刀アクション自体が新しいですし、暗い地獄のような状況から明日への希望を見つける姿は、観た方も何かを発見できると思います。その“何か”は、観て頂いて本当の意味を知ってもらいたいですね」