アクション女優として活躍し、「デッド寿司」「ヌイグルマーZ」の井口昇監督に寵愛される亜紗美さんが、主演作『女体銃』で新境地を開拓した。体内に銃を埋め込んだ暗殺者マユミのガンアクションやリアルな格闘シーン、繊細な心情表現が、海外にも根強いファンを持つ彼女の演技力を実証した力作だ。今回は、プライベートにもフォーカス。自身の新たな一面を引き出した光武蔵人監督を「男気にあふれている」と称していたが、いやいや、亜紗美さんこそ男気? あふれる強いが、しなやかな感性をお持ちの女性でした!!
監督とは運命共同体で“共犯者”口約束を守る男気に尊敬です!
──ドイツでも上映されましたが、いかがでしたか、海外の反応は。「普通、海外の方はスプラッター場面では手を叩いてお祭り的な喜び方をするんですけど、私が演じたマユミはラストで、自分の体を切り裂いて拳銃を取り出しますからね。しかも楽しめるような祭り描写ではなくリアルなので、慣れている海外の方ですら、目を覆っていました。でも、あそこまでリアルに描いたからこそ、新たなジャパニーズ・エクストリーム作として認知されたんだと思います」
──亜紗美さんが全裸でアクションをしていることすら忘れさせる血の量ですもんね。
「あれ、撮影前はパンツを履く予定だったんです。でも、死姦が趣味の浜崎のもとに仮死状態で運ばれるマユミが、下着をつけてると説得力がないと思ったので、私から全裸を提案したんです。光武(蔵人)監督も『やっぱり?』と納得してくれました」
──監督に意見を伝えるタイプの女優なんですか?
「光武監督だからこそです。監督と私は、共犯者であり運命共同体なんです。5年ぐらい前の飲み会で意気投合して、『いつか一緒にやろう!』という話になったんですね。それから数年後に監督から『女体銃』の話を聞いて、根拠はないんですけど、私にしかできない、私がやるべきだ、と伝えたんです。そこから話が頓挫しかけた時期もあったんですけど、結局こうして今、実現している。キャバクラ並に社交辞令が横行する芸能界で、酒の席での口約束を守るなんて、稀有な存在ですよ。男気あふれる監督の人柄を、尊敬しています。撮影中はローバジェット(低予算)作品であることも、一度も感じさせない気遣いもして頂きましたし。『あーちゃんの葬式に行くビジョンが見えたよ』と言われて、『もー勝手に殺さないでよ!』なんてやり取りもする間柄ですね(笑)」
誰も見たことがない世界に殴り込む名刺代わりの代表作!!
──マユミを特訓する“マスターマインド”とのセックスシーンも監督と練り上げたんですよね。「そうなんですけど、セックス前に大量の血を見て流した涙は、無意識なんです。フェチ的かもしれませんけど、血を見て動物的な本能が呼び覚まされて欲情するって、あることだと思うんですよね。当然、悲しさもあったでしょうけど、私は『ヤリたくて仕方ない!』って涙だともとらえてます」
──その後、ラストの血まみれアクション。亜紗美さんの強さを改めて見せつけられました。
「撮影以外では、特に鍛えてはいないんですけどね。人それぞれ練習方法はあると思いますけど、私はイメージトレーニングだけ。パンチやキック、すべてが理想で私にとって神のドニー・イェンの映画をよく観てます。それに、普段はおとなしいし暗いですよ。ベッドの隅で体育座りをして、ボーッとしてる感じです(笑)でも、痴漢に対してだけは強いです。この前も、駅構内の階段で痴漢にドロップキックをして、女の子を救助しました!」
──強いのはマユミと同じですね。本作はご自身にとって、これからどんな存在になりそうですか?
「胸を張って代表作になると言い切れます。これまでの私の、“井口(昇)監督作のコメディエンヌ”とか、“がらっぱち”という固定したイメージを払拭して、誰も見たことがない亜紗美を撮って下さいと監督にお願いした通りになったかな、と。今後はどんな作品の私を観ても、この『女体銃』が浮かぶと思います。監督からはしつこいぐらいに続編の構想も聞いているので、先も楽しみです(笑)」
INFORMATION
■映画『女体銃 ガン・ウーマン』
INFO&STORY
大財閥の息子・浜崎に妻を殺された男は復讐を誓い、マユミという女の命を金で買い取る。男はマユミを暗殺者へと育て上げ、壮絶な特訓で射撃と格闘術を叩きこまれたマユミは、体内に埋め込まれた銃を武器に、浜崎の暗殺に向かう…。体内に銃を埋め込まれた女暗殺者の死闘を描いたバイオレンスアクション。「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014」審査員特別賞受賞作。
CAST&STAFF
出演/亜紗美 成田浬 鎌田規昭 マシュー・ミラー ディーン・シモーン
監督・脚本/光武蔵人
配給/マクザム
7月19日(土)より新宿バルト9&広島バルト11ほか全国順次公開
(C) Maxam Inc MMXIII. All Rights Reserved.
PROFILE
亜紗美(あさみ)
1985年8月19日生まれ 東京都出身
映画、ドラマのフィールドで女優として活動。主な出演作に映画「片腕マシンガール」「爆発!スケ番☆ハンターズ」「ロボゲイシャ」「電人ザボーガー」「デッド寿司」「ヌイグルマーZ」「ライヴ」、ドラマ「古代少女隊ドグーンV」「ウルトラゾーン ウルトラゾーンチャンネル」がある。
公式Twitter
■映画『女体銃 ガン・ウーマン』
INFO&STORY
大財閥の息子・浜崎に妻を殺された男は復讐を誓い、マユミという女の命を金で買い取る。男はマユミを暗殺者へと育て上げ、壮絶な特訓で射撃と格闘術を叩きこまれたマユミは、体内に埋め込まれた銃を武器に、浜崎の暗殺に向かう…。体内に銃を埋め込まれた女暗殺者の死闘を描いたバイオレンスアクション。「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014」審査員特別賞受賞作。
CAST&STAFF
出演/亜紗美 成田浬 鎌田規昭 マシュー・ミラー ディーン・シモーン
監督・脚本/光武蔵人
配給/マクザム
7月19日(土)より新宿バルト9&広島バルト11ほか全国順次公開
(C) Maxam Inc MMXIII. All Rights Reserved.
PROFILE
亜紗美(あさみ)
1985年8月19日生まれ 東京都出身
映画、ドラマのフィールドで女優として活動。主な出演作に映画「片腕マシンガール」「爆発!スケ番☆ハンターズ」「ロボゲイシャ」「電人ザボーガー」「デッド寿司」「ヌイグルマーZ」「ライヴ」、ドラマ「古代少女隊ドグーンV」「ウルトラゾーン ウルトラゾーンチャンネル」がある。
公式Twitter
撮影◎おおえき寿一 取材・文◎内埜さくら