浅草生まれ、浅草育ちの主人公が、浅草を舞台に大暴れする笑えて泣ける映画『ガキ☆ロック』のＤＶＤがリリース。柳内大樹氏原作のコミック本は約１０００万部を超える大ベストセラーだが、原作ファンを裏切らない、アニメを観るような気楽な気分で気づいたら没頭している秀作だ。作品になぞらえて、主演の志村源を演じた上遠野太恍さんと、三社祭で神輿を担ぐという、法被姿が似合うマコト役の前田公輝さんに、男気あふれる経験を語ってもらおう。

「下町を舞台に男４人が自ら事件に首を突っ込むベタな話ではあるんですけど、男性だったら絶対、感情移入しやすいはずです」（上遠野）
「作品に影響されて元気になる人もいると思うので、昼間に観て、夕方に向けてパワーチャージするといいかもしれませんね」（前田）
──お二人が出演した映画『ガキ☆ロック』は公開時、Ｒー15指定でしたよね。
前田公輝（以下、前田）「劇中冒頭で、女性のバストのドアップが映し出されますからね。個人的には僕、あのシーンが衝撃的で好きなんですよ。あそこまでカメラが胸に寄ると、何物かを一瞬で判断できないし、それ以降のストリップもスッと受け入れやすくなると思うんで」

上遠野太恍（以下、上遠野）「僕は撮影の時、どんな顔をしたらいいか困りましたけどね。上半身ヌードの女性４人ぐらいに囲まれましたから（苦笑）」

前田「どうだった、公開ハーレムを初体験した時の気持ちは？」

上遠野「あそこまで堂々とされるとスミマセンって感じ（笑）男はチラリズムのほうが好きだと思うんですよねぇ」

前田「そうなんだよなぁ、だからあのシーンを観ると、土壇場で男は女性に勝てないんだなと感じますね」 ──女性には勝てなくても上遠野さん演じる志村源と、前田さん演じるマコトはケンカっ早いやんちゃな役ですよね。映画と似たような経験は？
上遠野「源ほど思いっきりケンカばかりしてたら違うところに就職しなくちゃいけなくなりますから（笑）さすがにここまではありませんけど、地元の宮城にいた頃は、アホなことばっかりやってた時期はありました。授業をサボッて、今で言う『逃走中』みたいな遊びをしたり…」

前田「僕は以前、怒鳴る役を演じたらプライベートまで引きずってしまって、親に普通に怒鳴ってしまったことがあります（苦笑）母親に『どうしたの？』と驚かれました」

上遠野「それ、あるよね。僕は源を演った後に実家へ帰ったら、家族から『言葉遣いが荒々しくて、べらんめえ口調になってるよ』と指摘されました」

──原作は“現代版寅さん”とも言われていますが、お二人の周囲に登場人物のような熱い男はいますか。
前田「源ほど突出してはいないですけど、普通にいますよ。僕が今24歳、上遠野クンが22歳、源とマコトは17歳で、ガッツリゆとり世代なんですね。だから観て下さる大人の方々には、ゆとりを舐めんなよ！　という心意気が伝わるとうれしいですね」 ──源とマコトのように、お二人が最近熱くなったエピソードも知りたいです。
上遠野「源は曲がったことが大嫌いで、ゴミのポイ捨てをした相手に殴りかかるんです。僕はそこまでじゃないけど、マナーが悪い人を見ると許せなくなりますね。特に電車の中。座席を占領して横になってる人を注意したことがあります」

前田「源そのままじゃない。可愛い顔して意外とやるなぁ（笑）僕はレゴブロックをしてると熱くなります。物語を作ってｉＰｈｏｎｅで撮影するんですよ。セリフはもちろん、車や飛行機の擬音も声で演るから、１人だと気持ち的にしんどいので（笑）友だちと一緒に」

──意外な熱さを持つお二人が、熱い男を演じてみて、いかがでしたか？
上遠野「浅草っていう下町で男４人が自ら事件に首を突っ込むという、ベタな話ですが、男なら憧れるシチュエーションなので、楽しかったです。男性だったら絶対、感情移入しやすいはずです。自分が登場人物たちのようになったら…と、共感しながら楽しんでもらえると思います」

前田「影響されて元気になる人もいると思うので、昼間に観て、夕方に向けてパワーチャージするといいかもしれません。あとは『ガキ☆ロック』のロックって、浅草六区と音楽のロックが掛け合わせてあると僕は考えてるんですね。だからとにかく音楽もカッコいいです。浅草に古いイメージを持つ人が観ても、ロック調のエレキな音が流れてるから新鮮かな、と」

──続編を匂わせるような終わり方ですよね。
前田「ね、僕らもできれば続編、やりたいですよ。源とマコトの過去について描くなら、僕は真っ赤、上遠野クンは真っ青の髪になります」

上遠野「でも、現代の寅さんだから、毎回源が失恋するっていうのも面白そう（笑）そのためにはみなさん、ＤＶＤを買って観て下さいね（笑）」