「生と性と愛」がテーマの狂気の純愛ダークファンタジー映画『歯まん』が３月２日から公開。歯まん＝セックスをするたびに男性の局部を喰いちぎる性器の持ち主、女子高生の遥香役を演じた前枝野乃加（改名前\馬場野々香）さんに作品の見どころとともに恋愛観も聞いた。
──前枝さんは本作で初ヌードを披露していますね。
「抵抗はなかったんです。ただ、撮影前に少しダイエットはしたんですけど昨年末に太ってしまって。最近、岡部（哲也）監督にお会いしたら『前枝さん、太りましたね』と言われてしまいました（笑）」

──いえいえ、美ボディーですよ！タイトルを聞いた時の感想は。
「『歯まん』といタイトルを最初に聞いた時は衝撃でした。岡部監督と私が演じた遥香の最初の恋人・洋一を演じた中村無何有さんと、喫茶店でお話をしている時に伺ったんです。『タイトルはこのままでいくんですか？』と聞いたら『絶対にコレだ』と。岡部監督の強い意志を感じました。一部では『歯まん』を『ウルトラマン』的に捉えている方もいるみたいなので、面白いなって」

──“歯まん”はセックスをするたびに男性の局部を喰いちぎる性器の持ち主のことですよね。もしご自身だったらどうしますか。
「自分のせいで目の前で人が死ぬのは怖いので、ラストの遥香がした選択は絶対にしません。私、採血で自分の血を見られないほど血が苦手なので、プラトニックなお付き合いを貫き通すでしょうね」

──となると、小島祐輔さんが演じた裕介の選択も…。
「理解できない女性がいるかもしれませんね。私も『自分だったらこの道は選ばない』と思いましたし。私、ちょっと変わったところがある人が好きなんですけど、それでも裕介の行動を見ていると恋愛対象としてはないな…と思います」

──ではご自身の恋愛観は。
「面白い趣味を持っていたりひねくれていたりと、自分にない感覚を持っている人に興味が沸きます。実際に好きになったこともあります。ルックスは『ウォーキング・デッド』に出ていた韓国系アメリカ人俳優のスティーヴン・ユァンが好みです。アジア顔がタイプなんです」


──撮影時は22歳とのことですが、高校生役を演じた感想は。
「大学卒業寸前だったと思うんですけど、舞台では実年齢より若い役を演じることが多いので違和感はありませんでした。制服を着ることができたのもうれしかったです。通っていた高校がインターナショナル系で校則も制服もなかったので。だから高校時代は“なんちゃって制服”を着たこともあります。シャツにカーデを羽織ったりしてました」

──制服姿での宇野祥平さん演じる八百屋の店主とのシーンは、かなり恐ろしかったです…。
「本番前に『遠慮しないで思いっきりやって下さい』とおっしゃって頂いたのですが、いざフタを開けたら宇野さんも容赦なかったです（笑）２月に山中で撮影したので寒かったですし、ナスを口に突っ込まれて泥だらけになり、口の中が切れました。恐ろしいといえば水井真希さんも狂気的な役を熱演されているので、楽しみにしていて頂ければと」

──作品にちなんだ質問も。遥香はヴァージンでしたが前枝さんが今年初挑戦したいことは？
「ここ２年ほど、誕生日には今まで未経験の変なことをしているんです。一昨年はバンジージャンプで、去年は滝行でした。実はかなりの高所恐怖症なんですが、今年はスカイダイビングに挑戦してみたいです」

──有難うございます。最後に改めて作品の魅力を。
「遥香の特性を表現したタイトルのインパクトは大きいですが、内容は『歯まん』がメインではないんです。人間の生き方や恋愛観が描かれていて『自分がもし同じ立場だったら』と考える方もいらっしゃると思うので、自分の人生にリンクさせながら観て頂けるとうれしいですね」