「もし過去に戻れるのなら、いつの時代に行きたい?」そんな思いを叶える“バック・トゥ・ザ・フューチャー”がモチーフの映画『明日にかける橋 1989年の想い出』が6月30日より公開。弟を事故で亡くしてしまう吉行みゆき役を演じた新人女優の越後はる香さんは2000年生まれ。生まれる以前の時代を描いた本作の魅力を聞いた。
太田監督と鈴木さんと3人で
みゆきの共通点を作りました
──吉行みゆき役はオーディションで抜擢されたそうですね。「この作品の台本を渡されて、職員室でみゆきが先生に反抗するシーンを演じました。私はみゆきの意思の強さが好きで映画でも自分が演じたいと強く思ったので、全力で振り切って反抗期を演じたんです」
──越後さんに反抗期は?
「中学生の頃はよく親に反抗していました。『部屋を片づけなさい』と言われただけで文句を言ったり。思い返すと、なぜあんな些細なことで反発したんだろうって不思議です。当時の自分はどうしようもなかったなと思いつつ、現場でも演じました。みゆきは両親と弟、4人が揃った食卓でも両親に反抗するんですけど、カメラが回っていない時は父親役の板尾(創路)さんと母親役の田中(美里)さんにとても優しくして頂きました。田中さんがおっしゃってくださった、『みゆき役がはる香ちゃんでよかったよ』という言葉は今でも心に残っています」
──では基本の役作りの方法は。
「太田(隆文)監督が舞台となる89年当時に流行ったCMや音楽を事前に貸してくださったんです。あとは、私の母が当時、ちょうど高1だったので話を聞いて勉強しました」
──主人公のみゆきは中高生時代を越後さんが、大人になってからを鈴木杏さんが演じています。共通した役作りはしましたか。
「3人で話している時に太田監督が、『共通のクセがあったほうがいいかもね』とおっしゃったんです。結果としてみゆきは、耳たぶを触るのがクセということになりました」
後悔せず今を大切に生きよう
と感じて頂けたら嬉しいです
──舞台は1989年で越後さんが生まれる11年も前。見たことがないアイテムが多かったのでは。「最初はラジカセの使い方が分からなかったですし、ウォークマンを見た時は、『大きいな』という印象でした。ネットも使えないし、当時の人は大きいものに囲まれて不便な環境で暮らしていたんだなと思いました」
──当時のように、スマホがなくても生きていけますか?
「はい。2週間はナシでも大丈夫です。中学時代にキャンプへ行った時、スマホを持ってくることを禁止されたのですが、意外となくても大丈夫だったので」
──藤田朋子さんが演じた里美先生が大好きな映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観た感想は。
「自分の未来は見たくないな、と思いました。見てしまうと未来の自分にとらわれて生きていくことになるような気がして。私、信じやすいんです。テレビの星座占いも12位だと1日気分が落ちてしまうので、あえて見ないようにしています」
──では、本作のように過去に戻るとしたら?
「小学校3年生より前に戻りたいです。今飼っているワンちゃんは2代目なんですけど、1代目のワンちゃんが亡くなった年なので。私が生まれる前からいたんですが、もっとたくさん遊びたかった。といっても今のワンちゃんが可愛くないわけではないですよ(笑)兵庫の実家にいて離れて暮らしているんですけど、私に一番、懐いているんです」
──「過去に戻る」がキーワードの本作ですが、改めて魅力を。
「映画だから過去に戻れますが、現実は一度自分が起こした行動や言葉は取り消せません。ご覧になると、やり残したことで後悔しないようにこれからを生きていきたいと感じて頂けると思います。映画の中の『行動すれば未来は変わる』という台詞に私は共感しました。みなさんにも今を大切に過ごしたいと思って頂けたらうれしいです」
INFORMATION
■映画『明日にかける橋 1989年の想い出』
INFO&STORY
とある田舎町で暮らす30代のOLみゆき(鈴木杏)。弟の健太(田崎伶弥)が交通事故で死んでから家族は崩壊。母・桐子(田中美里)は病気で入院、父・冬樹(板尾創路)は会社が倒産し、酒に溺れる。みゆきが両親を支え働く日々。そんな2010年の夏のある日、夢が叶うという明日橋を渡ったことでなんとタイムスリップ!弟が亡くなった1989年に戻ってしまう。そこで出会う若き日の両親と元気な弟と若き日の自分(越後はる香)。みゆきは、もし、この時代で健太を救うことができれば、家族を救うことができるかもしれないと希望を見出すがその先には、様々な困難が待ち構えていた。
CAST&STAFF
出演/鈴木杏・板尾創路・田中美里・越後はる香・藤田朋子・宝田明ほか
監督・脚本・編集・プロデューサー/太田隆文 配給/渋谷プロダクション
公式HP
6月30日に有楽町スバル座、8月にテアトル梅田ほかにて全国順次公開
(C)「明日にかける橋」フィルムパートナーズ
PROFILE
越後はる香(えちご・はるか)
2000年10月19日生まれ
兵庫県出身
17年に「ブラックリベンジ」でドラマデビュー。オーディションで勝ち取った本作で映画デビューを飾った期待の新人。出演作はドラマ「FINAL CUT」「イノセント・デイズ」など。公開待機作に映画『暁闇』がある。
公式HP
■映画『明日にかける橋 1989年の想い出』
INFO&STORY
とある田舎町で暮らす30代のOLみゆき(鈴木杏)。弟の健太(田崎伶弥)が交通事故で死んでから家族は崩壊。母・桐子(田中美里)は病気で入院、父・冬樹(板尾創路)は会社が倒産し、酒に溺れる。みゆきが両親を支え働く日々。そんな2010年の夏のある日、夢が叶うという明日橋を渡ったことでなんとタイムスリップ!弟が亡くなった1989年に戻ってしまう。そこで出会う若き日の両親と元気な弟と若き日の自分(越後はる香)。みゆきは、もし、この時代で健太を救うことができれば、家族を救うことができるかもしれないと希望を見出すがその先には、様々な困難が待ち構えていた。
CAST&STAFF
出演/鈴木杏・板尾創路・田中美里・越後はる香・藤田朋子・宝田明ほか
監督・脚本・編集・プロデューサー/太田隆文 配給/渋谷プロダクション
公式HP
6月30日に有楽町スバル座、8月にテアトル梅田ほかにて全国順次公開
(C)「明日にかける橋」フィルムパートナーズ
PROFILE
越後はる香(えちご・はるか)
2000年10月19日生まれ
兵庫県出身
17年に「ブラックリベンジ」でドラマデビュー。オーディションで勝ち取った本作で映画デビューを飾った期待の新人。出演作はドラマ「FINAL CUT」「イノセント・デイズ」など。公開待機作に映画『暁闇』がある。
公式HP
撮影◎おおえき寿一 取材・文◎内埜さくら ヘアメイク/宇賀理絵