昨年からスタートした新生K-1。4階級中、2階級で日本から世界王者が生まれた。-55kg王者・武尊選手と-60kg王者・卜部功也選手だ。最軽量級ながらKOを連発する豪快ファイトの武尊と、対戦相手を完封するテクニックの持ち主・卜部。対照的な個性の二人だが、ともにK-1への強い思いを持っている。11月21日の防衛戦を前に、新生K-1の魅力と新時代 のエースとしての野望を聞いた。
「野球やサッカーにも負けたくないですよね。野球選手より稼いで、サッカー選手よりモテたい(笑)そういうのも夢があるじゃないですか」(武尊)
「他の階級の王者に負けたくないし、他のスポーツにも負けたくないです。 大きな括りで勝負したい。それだけの魅力的が、K-1にはあると思います」(卜部)
いろんなメディアに出ることで格闘技を見る人が増えてくれれば
──新生K-1でチャンピオンになったお二人ですが、ベルトを巻いた気持ちはいかがですか。武尊「ちっちゃい頃からK-1に憧れて格闘技を始めたので、ホント嬉しいです。ただ、これがスタート地点だなと思いますね。K-1を前以上に大きなものにしたいので」
卜部「僕が前から言ってきたのは、世界の強豪と闘いたいっていうことなんです。それができるのは、K-1のチ ャンピオン。そういう意味で嬉しかったですね。毎回、強い選手と闘う切符を掴んだという感じです」
──K-1王者ということで、メディアへの露出も増えてますよね。武尊選手はBSジャパンのバラエティ番組『メンズ温泉』のレギュラーにもなりましたし。
武尊「そこも大きいですね。いろんなメディアに出ることで、格闘技を見る人が増えてくれればいいなって。それも僕の役目だと思ってます。どんどん有名になりたい」
卜部「僕は…K-1のためなら出るという感じですかね。あんまり有名になりたいとかは考えてなくて、とにかく最強を極めたいっていう。ただ、やっぱりたくさんの人に見てもらいたいなとは思いますね。そのことで、格闘技、K-1がスポーツとして認められるのが目標です」
武尊「地上波の番組『新K-1伝説』が始まったのも嬉しいですね。地上波だと、たまたま見るっていうことがあるじゃないですか」
──ファン以外の人にもアピールできる可能性が広がります。
武尊「実際、そういう反響もあるんですよ。『テレビで見て好きになりました』って」
卜部「そういうのが積み重なっていくといいですよね」
プロ野球選手よりお金稼いでサッカー選手よりモテたい(笑)
──しかも、今のK-1のトップ選手たちは、試合を見れば一発でファンになるような魅力的な試合をしますよね。誰が見ても分かるような殴り合いも多いですし。武尊「もともと、そういう闘いが好きなんですよね。というか、技術を使った巧い闘いができないんで(笑)だからもう、ガツガツ殴り合ってKOを狙うっていう。そこが僕の“担当”なんだと思ってます。メディアに出て、派手な試合をして人を集める担当。で、世界最高峰のテクニックを功也くんが見せる」
卜部「確かに、いろんな選手がいるのがK-1の面白さだと思いますね。試合もキャラクターもそれぞれ違って。昔のK-1はヘビー級と70kg主体でしたけど、軽量級でもお客さんを魅了することはできると思います。そういう意味では、対戦相手だけじゃなくて他の階級のチャンピオンもライバルですね。『他の階級のチャンピオンにインパクトで負けたくない』って。それに、他のスポーツにも負けたくないです。大きな括りで勝負したい。それだけの魅力的が、K-1にはあると思います」
武尊「野球、サッカーにも負けたくないですよね。野球選手より稼いで、サッカー選手よりモテたい(笑)そういうのも夢があるじゃないですか」
K-1のベルトは一つしかない兄弟対決は運命なんだなって!
──11月21日、代々木第二体育館では、全階級のタイトルマッチが行われます。卜部選手は王座決定トーナメント決勝でも対戦した、兄の卜部弘嵩選手の挑戦を受けることになりました。卜部「正直、最初は嫌でしたね。試合のことを考えると寝れなくなるくらいで。血が繋がってますからね。ただ、今は気持ちを切り替えてます。兄とはいえ一人の対戦相手なので。ましてK-1・60kgのベルトは一つしかない。兄弟対決は運命なんだなって」
──トーナメント以降、弘嵩選手は全勝。タイ修行でさらに強くなっている印象もあります。
卜部「少し前までは『もう一回やっても勝てる』と思ってたんですよ。でも今は違いますね。素直に強いと思います。だからこそ倒しがいもありますね。ずっと憧れてた強い兄を越えるチャンスです」
──武尊選手が対戦するチャールズ・ボンジョバーニ選手は無敗のハードパンチャー。かなりの強敵ですよね。
武尊「相手が強いのは嬉しいですね。それだけ試合が盛り上がるし、55kgっていう階級も盛り上がるんで。どっちかが倒れる試合になると思います」
──防衛戦を含め、これからのK-1で何をアピールしたいですか。
武尊「K-1をブームで終わらない、大きなジャンルにしたいです。それができるメンバーが揃ってると思いますし」
卜部「武尊は、こっち(東京)に出て来て何年でチャンピオンになったんだっけ?」
武尊「3年ですね」
卜部「ということは3年間、必死にやればチャンピオンにもなれるんですよ。夢を持って頑張るっていうことの素晴らしさを、チャンピオンの僕たちが見せていきたいですね」
INFORMATION
■『K-1 WORLD GP 2015 IN JAPAN ~THE CHAMPIONSHIP~』
<主要対戦カード>
-55kgタイトルマッチ
武尊vsチャールズ・ボンジョバーニ
-60kgタイトルマッチ
卜部功也vs卜部弘嵩
-65kgタイトルマッチ
ゲーオ・フェアテックスvs木村“フィリップ”ミノル
-70kgタイトルマッチ
マラット・グレゴリアンvsサニー・ダルベック
日時/11月21日(土)14時30分開場 16時開始予定
場所/国立代々木競技場第二体育館
公式HP
PROFILE
武尊(たける)
1991年生まれ 鳥取県出身
格闘家(チームドラゴン所属)
少年時代に空手を始め、高校卒業後に上京。立ち技格闘技イベントKrushの-58kgチャンピオンを経て、今年4月のトーナメントに優勝し、K-1 -55kg王者となる。
公式ブログ
公式Twitter
卜部功也(うらべ・こうや)
1990年生まれ 千葉県出身
格闘家(チームドラゴン所属)
アマチュア時代から将来を嘱望され、Krush YOUTH GP優勝、ISKA世界王座獲得など実績を残す。今年1月、世界トーナメントで優勝しK-1 -60kg王者に。
公式ブログ 公式Twitter
■『K-1 WORLD GP 2015 IN JAPAN ~THE CHAMPIONSHIP~』
<主要対戦カード>
-55kgタイトルマッチ
武尊vsチャールズ・ボンジョバーニ
-60kgタイトルマッチ
卜部功也vs卜部弘嵩
-65kgタイトルマッチ
ゲーオ・フェアテックスvs木村“フィリップ”ミノル
-70kgタイトルマッチ
マラット・グレゴリアンvsサニー・ダルベック
日時/11月21日(土)14時30分開場 16時開始予定
場所/国立代々木競技場第二体育館
公式HP
PROFILE
武尊(たける)
1991年生まれ 鳥取県出身
格闘家(チームドラゴン所属)
少年時代に空手を始め、高校卒業後に上京。立ち技格闘技イベントKrushの-58kgチャンピオンを経て、今年4月のトーナメントに優勝し、K-1 -55kg王者となる。
公式ブログ
公式Twitter
卜部功也(うらべ・こうや)
1990年生まれ 千葉県出身
格闘家(チームドラゴン所属)
アマチュア時代から将来を嘱望され、Krush YOUTH GP優勝、ISKA世界王座獲得など実績を残す。今年1月、世界トーナメントで優勝しK-1 -60kg王者に。
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Interview&Text/橋本宗洋 Photo/おおえき寿一