「邪道には邪道の苦労があるんですよ。でもプロレスが好きなのと、辞めてたまるかっていう意地でやってきました」(ガッツ)
「ガッツワールドが後楽園大会を成功させたら、業界に与えるインパクトが大きいと思うんですよ」(ダイスケ)
「シンプルなプロレスを『ここまで面白くできるのか』というところを感じてほしいですね」(達彦)
2004年に旗揚げした弱小“どインディー”プロレス団体『ガッツワールド』が、10周年イヤーの今年10月12日に“聖地”後楽園ホールでビッグマッチを開催する。学生プロレス出身者が新弟子修行を経ずに結成、業界での風当たりも強かった選手たちはいかに生き延び、キャリアを重ねてきたのか。そして普段は多くて500人の会場で大会を行っている団体が、キャパ1500人強の後楽園を満員にできるのか!? 創設者のガッツ石島、旗揚げメンバーであるダイスケ、新エース吉野達彦が夢の舞台への思いを激白!
ガッツ「最初は他の男子団体と絡めなかった…」
──学生プロレスからそのままプロの団体を旗揚げしようと思った理由は何だったんですか?ガッツ「最初はどこかの団体に入門しようと思ってたんですけど、周りが『石島は人の下につく人間じゃない』と。学生プロレスの会長をやってたんで、偉そうだったんですかね(笑)」
──旗揚げ当時は、学生プロレス出身であることを隠す選手も多い時代でしたよね。お笑い系の試合もあるせいか、学生プロレスは“偽物”という風潮で。
ダイスケ「自分から言う雰囲気ではなかったですよね」
ガッツ「それなのに、ウチは学生プロレス上がりが自分で勝手に名乗ってプロレスラーになっちゃったという(笑)団体旗揚げって、どこかの団体で修行したレスラーが独立してやるもんなんですけど」
達彦「だから風当たりは強くなりますよね」
ガッツ「最初は他の男子団体とは絡めなかったですからね。まず女子の選手とミックスマッチをやって。そこから名前のある選手に出てもらうことで、信用を積み重ねていった感じです」
──最初は「お前らに何ができる」といった感じですか。
達彦「やっぱり学生プロレスとプロレスは別物なんですよね。学生プロレスでは人気者でも、プロになったら一から新弟子修行。それを乗り越えてリングに上がるのが普通ですから。同じ学生プロレス出身で、新弟子から鍛えてきたGENTARO選手にはリング上でも試合後のダメ出しでもボロボロにされました。それも愛情だったと思うし、感謝してますね」
ガッツ「学生プロレスと違って、プロの新弟子はプライドを捨てないとやっていけないですから。僕らはそこを通ってないわけで」
ダイスケ「でも、厳しい新弟子生活を送ってない代わりに、自分たちは最初から興行に責任を持ってやってきたんですよ」
ダイスケ「他とは違う厳しいハードルを越えてきた」
──小さい団体だけに、自分たちで営業してチケットを売ってという。赤字も黒字も自己責任なわけですね。ダイスケ「練習して強くなることだけに集中してられない環境なんですよ。それはそれで、他とは違う厳しいハードルを越えてきたと思ってます。他の団体、選手に対して『なにくそ!』って気持ちはありますね」
ガッツ「邪道には邪道の苦労があるんですよ。でもプロレスが好きなのと、辞めてたまるかっていう意地でやってきました」
──それで10年続いたし、後楽園にも進出するんですもんね。
ガッツ「後楽園でやることは、誰にも相談せずにリング上で宣言しちゃったんですよ(笑)でもお客さんの前で言って、引っ込みつかない状況にでもならないと実現に踏み出せなかったと思います」
ダイスケ「ガッツワールドが後楽園大会を成功させたら、業界に与えるインパクトが大きいと思うんですよ。他のどインディー団体も『あそこができるなら』ってやりだすかもしれない。そうなったら業界の底上げになるし、そうならなかったらガッツワールドだけの快挙。どっちのパターンでもいいので、とにかく成功させたいですね」
達彦「お客さんと一緒に行く、一緒に盛り上げる後楽園」
──吉野選手は後楽園のメインでGWC王座に挑戦します。達彦「大役ですよね。凄い十字架を背負ったと思います。でもメインでいい試合をするのは当たり前ですから。試合というソフトの面でも、集客というハードの面でも成功させたいと思ってます」
──初の後楽園、ファンにどんなプロレスを見せたいですか?
達彦「ガッツワールドは奇をてらわない、シンプルなプロレスなんですよ。それを『ここまで面白くできるのか』というところを感じてほしいですね」
ダイスケ「他の大きな団体が後楽園でやるのとは意味が違いますから。旗揚げから10年、自分のキャリアも10年。その集大成を見せたいです。意識してきたのは、会場に入ってから帰るまで『面白かった』『楽しかった』と思ってもらえる空間づくり。2000円の自由席もあるので、試しに見てみようという人にも来てもらいたいですね」
ガッツ「後楽園大会は全員がメインイベンターだと思ってます。プロレスラーにとってもプロレスファンにとっても聖地、夢の場所なんで。そこにたどり着いた選手たちの生き様を感じてほしいですね。学生プロレスの流れで場内実況もあるので、一見さんにも分かりやすいはず。おこがましいことを言うようですけど、プロレスの面白さを体感できる大会になれば」
達彦「後楽園が近づくにつれて、大会の熱が上がってるんですよ。選手だけじゃなく、お客さんの盛り上がりも変わってきて。選手とお客さんが一緒に後楽園に行く、一緒に大会を盛り上げるっていう雰囲気になってます」
ガッツ「それを後楽園、さらにその先にも繋げたいですね。僕らは、ここがゴールだとは思っていないので」
INFORMATION
■ガッツワールド『後楽園ホール大会』
INFO&STORY
04年12月4日にガッツ石島が代表となり、新木場 1st RINGで旗揚げをしたガッツワールドプロレスリング。今年、旗揚げ10周年にして初となる後楽園ホール大会を10月12日開催。
対戦カードは
▼GWC認定シングル選手権(王者)新井健一郎 対 吉野達彦(挑戦者)
▼ダイスケ 対 田村和宏(HEAT-UP)
▼翔太 対 TAJIRI(WRESTLE-1)ほか。
詳しくはこちらをチェック!
公式Twitter
PROFILE
ガッツ石島(がっつ・いしじま) 1981年1月3日生まれ 埼玉県出身
身長:176cm 体重:115kg 得意技:デーモンボム、WARスペシャル
ガッツワールドプロレス代表。日本初の自らプロ転向を表明し、04年12月にガッツワールドプロレスを旗揚げ。10年の月日を掛けてプロの団体として後楽園ホールに進出するところまで団体を牽引してきた。
公式Twitter
PROFILE
ダイスケ
1983年8月16日生まれ 栃木県出身
身長:173cm 体重:80kg 得意技:スライディングD
田中将斗直伝のスライディングDとスピード&パワー両方を兼ね備えたファイトスタイルで旗揚げから正規軍一筋を貫いている。後楽園では幾多の名勝負を繰り広げて来た田村和宏と大舞台で闘いたいという夢を叶える。
公式Twitter
PROFILE
吉野達彦(よしの・たつひこ)
1985年8月31日生まれ 秋田県出身
身長:173cm 体重:75kg 得意技:アスリートジャーマンスープレックスホールド
「KING OF GUTS 2014」の決勝で師匠であるガッツ石島を破り、夢であった10.12 後楽園ホール大会メインイベントでのGWC認定シングル王座への挑戦権を奪取。 絶対王者の新井健一郎(ドラゴンゲート)に挑む。愛称は達彦。
公式Twitter
■ガッツワールド『後楽園ホール大会』
INFO&STORY
04年12月4日にガッツ石島が代表となり、新木場 1st RINGで旗揚げをしたガッツワールドプロレスリング。今年、旗揚げ10周年にして初となる後楽園ホール大会を10月12日開催。
対戦カードは
▼GWC認定シングル選手権(王者)新井健一郎 対 吉野達彦(挑戦者)
▼ダイスケ 対 田村和宏(HEAT-UP)
▼翔太 対 TAJIRI(WRESTLE-1)ほか。
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PROFILE
ガッツ石島(がっつ・いしじま) 1981年1月3日生まれ 埼玉県出身
身長:176cm 体重:115kg 得意技:デーモンボム、WARスペシャル
ガッツワールドプロレス代表。日本初の自らプロ転向を表明し、04年12月にガッツワールドプロレスを旗揚げ。10年の月日を掛けてプロの団体として後楽園ホールに進出するところまで団体を牽引してきた。
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ダイスケ
1983年8月16日生まれ 栃木県出身
身長:173cm 体重:80kg 得意技:スライディングD
田中将斗直伝のスライディングDとスピード&パワー両方を兼ね備えたファイトスタイルで旗揚げから正規軍一筋を貫いている。後楽園では幾多の名勝負を繰り広げて来た田村和宏と大舞台で闘いたいという夢を叶える。
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PROFILE
吉野達彦(よしの・たつひこ)
1985年8月31日生まれ 秋田県出身
身長:173cm 体重:75kg 得意技:アスリートジャーマンスープレックスホールド
「KING OF GUTS 2014」の決勝で師匠であるガッツ石島を破り、夢であった10.12 後楽園ホール大会メインイベントでのGWC認定シングル王座への挑戦権を奪取。 絶対王者の新井健一郎(ドラゴンゲート)に挑む。愛称は達彦。
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Interview&Text/橋本宗洋 Photo/おおえき寿一