「プロレスファンをLinQの会場に連れてきたいです。プロレスでは首絞められて『うぇ〜！』とかなってますけど、LinQではずっと笑顔で可愛さをキープしてるんですから。見ないと損！」

福岡のアイドルグループLinQのメンバーである伊藤麻希さんが昨年12月にプロレスデビューし、話題を呼んでいる。もともとアイドルらしからぬ言動で知られていただけにプロレス適性は抜群。主戦場の東京女子プロレスでは後楽園ホール大会の宣伝部長にも。一方LinQは「解体・再開発プロジェクト」で大会場でのライブ成功を目指すことに。この正念場に“今闘えるアイドル”はどう立ち向かう!?
──現役アイドルの伊藤さんですが、レスラーとしての適性もかなりのもの。関係者からの評価も高いです。
「前からプロレス向きだって言われてたんですよ。伊藤はアイドルとして言っちゃいけないこと、やっちゃいけないことをやっていつも怒られてるんですけど、プロレスではＯＫなので」

──ムカついたら暴れていいというか。
「だいぶ前ですけど、LinQのライブでセンターのコがお客さんに水を吹いてたんですよ」

──ロック的なノリですよね。
「でも伊藤は水を口に含むっていう段取りがダサいと思って。直接、体内から出そうってことでツバを吐いたんですよね。そしたらお客さんがムチャクチャ怒り出して。会場も出禁寸前。それからは、やっていいことと悪いことは事前に確認が必要だなと思ってるんですけど」

──でもプロレスだと相手にツバを吐く悪役っていますよ。永源遥さんの客席へのツバ攻撃も名物でした。
「でも伊藤はプロレスは正統派がいいなって。ＤＤＴでいうと、尊敬してるのは男色ディーノさんなんですけど、なりたいのはエースのＨＡＲＡＳＨＩＭＡさん。あの路線でいきたいですね。変なことしない形で」

──それは分かりませんが…。でもしっかり練習したからデビューできたっていうのは事実ですもんね。
「当たり前ですけど練習はキツいですねぇ。しかも、伊藤はプロレスのために福岡から上京してきたんですよ。プロレスの練習生で挫折する人もいるって聞きますけど、伊藤の場合はそれも許されなくて」

──プロレスの練習も仕事というか、LinQとしての活動の一環。それだとやめたくてもやめられませんよね。
「受身、基礎体力からやって…。３ヶ月もしないうちに体つきが変わって、ほかのメンバーに驚かれました。衣装もパツパツですね（笑）」

──目標としては、まず初勝利ですか。
「う〜ん。でも試合で負けても可愛さでは勝ってるので、結果引き分けですよね。だからまだ負けてないですよ」

──それ試合後に毎回言ってますよね…。ドラマ『豆腐プロレス』に出てる松井珠理奈さんに「プロレスやるアイドルの先輩である伊藤に挨拶がない！」って噛み付いたり。
「怒られても思ったことは言わないと！プロレスはインパクトをどれだけ残すか、お客さんを圧倒できるかどうかかが大事だと思います」

──そういう伊藤さんなので、LinQの中でも特殊なポジションというか。
「正直、人気は一番ないです（笑）自分を出していった結果なので、それは仕方ないですね。でもデビューした頃は伊藤もめちゃくちゃ人気あったんですよ。そういう歴史もあるので、自信だけは持ってます」

──「顔がデカい」と言われる伊藤さんですが、ステージを見てると顔の動き、表情も大きいですよね。
「歌ってる最中は、言葉で出せるのは歌詞だけじゃないですか。だから自分の感情を一番出せるのは顔なんですよね。自分が思ってること、感情を出さなかったら、人前に立つ資格はないと思ってるので」

──感情を出せというのは、アントニオ猪木さんもよく言うみたいですよ。
「そうなんだ！やっぱりプロレスに向いてるんですねぇ伊藤（笑）でもLinQあっての伊藤なので。LinQじゃない自分が想像できないんですよ」

──LinQは「解体・再開発プロジェクト」が始まりました。追加メンバーを入れて新編成、新グループ結成、ミュージカル集団の結成というプランですが、それも条件付き。まず５月の福岡市民会館と中野サンプラザで８割以上集客するというハードルがあります。
「しかも一体感と満足感を得られないとダメなんですよ。それ判断が難しくないですか？」

──クリアしないと、追加メンバーなしの再編成のみ。LinQでいられなくなるメンバーもいるかもしれない、と。
「もうチケット売りまくりますよ。８月26日には東京女子プロレスの後楽園ホール大会もあるので、そっちのチケットも売って」

──伊藤さん、東京女子プロレスとLinQ両方の宣伝部長になったんですよね。
「福岡、中野、後楽園、５００枚ずつ伊藤が売ります。それはもう確定で。不安はもちろんありますけど…。でも伊藤は可愛いから大丈夫！」

──LinQのライブには、プロレスファンにも来てほしいですよね。
「そうなんですよ。伊藤がいま一番できるのって、そこだと思うので。プロレスファンをLinQの会場に連れてきたいです。プロレスでは首絞められて『うぇ〜！』とかなってますけど、LinQではずっと笑顔で可愛さをキープしてるんですから。見ないと損！」

──本当に一人でチケット５００枚売ったら凄いですよ。
「あ、それができるならソロでもやっていけますね！いや〜安泰だな、伊藤は何があっても」