「以前よりダークヒーロー感が出ているし、世の中で今起きていることと照らし合わせることもできるので、シリーズの中ではかなり攻めてます」
業界内にも根強いファンを持つ、牙狼シリーズから派生した新テレビシリーズ『絶狼<ZERO>-DRAGON BLOOD-』が17年1月6日より放送開始。放送を待ち望む方のために主演・涼邑零を演じた藤田玲さんが撮影エピソードを一足早くに、サービス精神旺盛に語ってくれました! !
零と僕がリンクする芝居に監督が妙に納得してました
──本シリーズで藤田さん演じる涼邑零は何度も主役を務めていますが、今回違う点は?「最初は主人公、冴島鋼牙のライバルでダークヒーローであり、自由に生きているふわふわしたキャラクターだったんです。その後『絶狼<ZERO>―BLACK BLOOD―』シリーズで主役をやらせて頂いた時に意識したのが、銀色が一番強くなければいけない、という点でした。そうなると、ふわふわしてはいられないので、男らしさと魔戒騎士らしさを出さなければならない。そしてその次の『絶狼<ZERO>―DRAGON BLOOD―』では、最初の余裕がある雰囲気を成長させた感覚がありました。魔戒騎士としての強さは残しつつも、零の自由さは取り入れつつ、という感じです。となると今回は、新旧併せた集大成と言えると思います」
──確かに、青島さん扮する尋海アリスと絡む零は最初の頃を彷彿させる印象でした。
「今まで零って、普通の女の子と絡んだことがないんですよね。だから『普段の零はこんな男だったんだ』と僕自身も発見した感はありました」
──ちなみに零がアリスを気遣うように、藤田さんが思わず守ってあげたくなる女性とは?
「えっ!?男は相手が女性なら誰に対しても気遣わないと。ドアを開けたり、物を取ってきたり…」
──レディーファーストなんですね。
「自分で言うのは嫌ですけど(笑)わりと自分の中では、それが普通です。じゃあ、コレ自慢していいですか?」
──ええ。どうぞ、どうぞ(笑)
「先の回なんですけど、女性を寝かせるシーンを撮ったんですね。女性が気を失っていて首がすわっていないので最後まで首を支えていたら、雨宮(慶太)監督が『そうだよな、その気遣いだよ!』と妙に納得していたんです。僕はまったく意識していなかったのであれは涼邑零と藤田玲がリンクする部分かもしれませんね」
作品は監督のものだけど零は45%ぐらい僕のもの(笑)
──今回は原作・総監督の雨宮慶太さんが全指揮を執ることも話題になっています。「10年以上前から自分を見てくれている監督が撮ってくださるので、成長した姿を見せたいとは思ったんですけど監督は基本、褒めない人なんです。だからそのあたりは分かりませんけど、今回は僕が提案した演技プランに耳を傾けてくださるようになりました。前は『ここから2歩歩いて振り返って、このタイミングで台詞を言って。台詞の言い方はこう』という、小津安二郎監督さながらの指導を受けていたんです。それが、『一度見せて』と言って頂ける関係性になれたのが、すごく自分の中では大きかったです。ただその分、大変ではありましたけど」
──具体的に大変だったところは。
「コレで!と決められたら、何も考えずに演じればいいだけですけどすべて話し合える状態ということは、僕を含めて全員がすべてを考えなければいけなかったからです。そういう意味ではイチ〝俳優部〟として扱って頂いて、とても光栄でした」
──ちなみに藤田さんは、作品は監督のものという考え方ですか?
「もちろん監督のものです。特にこの作品は原作を雨宮さんが手掛けていますし。でも涼邑零に関しては、欲をいえば45%ぐらいは僕のものですね(笑)内訳としては、キャラクターを作ってくださったのは設定と脚本を担当された田口恵さんで、アテガキに近かったので、そこで20%。そして、零が甘党というキャラクター付けで10%。さらに今回、決定権は監督にありますけど一緒に作ることができたので5%。これを足しても35%にしかならないので残り10%は僕の愛です(笑)」
零と僕にとって大きな一歩今のところの集大成ですね
──ロケ地はどちらですか?「ほぼ北九州市です。牙狼が和風なら絶狼は西洋風なので、洋風の港町が作品とすごくマッチしていると思いました。しかも照明部さんがすごく頑張ってくださって、2話とか『え、ここってブロンクス?こんな路地裏って日本にないよね!?』という画になっているんです。どの部が欠けてもこのシリーズは作れないと、身に沁みて思いました」
──同じ熱量を共有しているんですね。
「ただ一緒にいる時間が長い分、慣れも出てきますけどね。今回、かなり危険なことをリハーサルでやっても助監督なんて気にせず『は〜い、本番いきます!』と言うから『本当にやるの?』って、何度か焦りましたから(笑)まあ、慣れ親しんだ家族みたいな間柄なので、それもアリだとは捉えていましたけどね」
──なるほど。では本作は藤田さんにとってどんな位置づけになりますか。
「取材の冒頭で集大成と言いましたけど、大きな一歩ぐらいでしょうね。今回で零を作る既成事実がまた1つ生まれて、もしまた零を演じる機会があれば、このシリーズを思い出しながら演じなければならないわけですから。あとはまだ放送前ですけど、今回零を演じて『もっとやりたい』という欲も沸きました。だから、集大成というと終わってしまうので、今のところの集大成としておきます」
──改めて作品のPRをお願いします。
「牙狼から派生して生まれた絶狼ですが、絶狼から観ても楽しめる作りです。最初は1話完結から大きな物語に巻き込まれていく展開で、ホラーから守るものは人間という魔戒騎士として共通点はありますけど、牙狼とは世界観も立ち向かうものも、ベクトルが違うんです。以前よりダークヒーロー感が出ているし、世の中で今起きていることと照らし合わせることもできるので、シリーズの中ではかなり攻めてるドラマです。先にこの作品を観ても面白いですし、お正月とかに時間があったら過去作を観てから視聴しても楽しめますよ!」
■テレビシリーズ『絶狼<ZERO>-DRAGON BLOOD-』
INFO&STORY
再びあの男が帰ってきた。男の名は涼邑零、またの名を――ゼロ。「牙狼<GARO>」の人気キャラクター『絶狼<ZERO>』シリーズ最新作は、孤独な宿命を背負った魔戒騎士・涼邑零/銀牙騎士・ゼロ(藤田玲)が新たな戦いに挑む姿を描き出す。前作「絶狼<ZERO>-BLACK BLOOD-」から更にスケールアップした世界観と物語、ストイックかつスタイリッシュなアクションに注目だ。
CAST&STAFF
出演/藤田玲 青島心 松山メアリ 芳賀優里亜 紅蘭 ガダルカル・タカ 弓削智久
原作・総監督/雨宮慶太
脚本/梅田寿美子
特別協力/サンセイアールアンドディ
制作/東北新社 オムニバス・ジャパン
オープニング主題歌/JAM Project「DRAGONFLAME」
エンディングテーマ/DUSTZ「Zoё〜Beautiful World〜」
公式HP
1月6日(金)よりテレビ東京ほかにて放送開始
(C)2016「絶狼」雨宮慶太/東北新社
PROFILE
藤田玲(ふじた・れい)
1988年9月6日生まれ。東京都出身
03年、テレビ朝日「仮面ライダー555」北崎役で俳優デビュー。05年より「牙狼<GARO>」の涼邑零役を熱演。「絶狼<ZERO>」シリーズでは主演を務める。同シリーズのエンディングテーマを担当しているロックバンドDUSTZのボーカリストとしても活動中。作詞作曲も手掛ける。17年1月20日よりミュージカル「手紙2017」(新国立劇場 小劇場ほか)に出演。
公式Twitter
INFO&STORY
再びあの男が帰ってきた。男の名は涼邑零、またの名を――ゼロ。「牙狼<GARO>」の人気キャラクター『絶狼<ZERO>』シリーズ最新作は、孤独な宿命を背負った魔戒騎士・涼邑零/銀牙騎士・ゼロ(藤田玲)が新たな戦いに挑む姿を描き出す。前作「絶狼<ZERO>-BLACK BLOOD-」から更にスケールアップした世界観と物語、ストイックかつスタイリッシュなアクションに注目だ。
CAST&STAFF
出演/藤田玲 青島心 松山メアリ 芳賀優里亜 紅蘭 ガダルカル・タカ 弓削智久
原作・総監督/雨宮慶太
脚本/梅田寿美子
特別協力/サンセイアールアンドディ
制作/東北新社 オムニバス・ジャパン
オープニング主題歌/JAM Project「DRAGONFLAME」
エンディングテーマ/DUSTZ「Zoё〜Beautiful World〜」
公式HP
1月6日(金)よりテレビ東京ほかにて放送開始
(C)2016「絶狼」雨宮慶太/東北新社
PROFILE
藤田玲(ふじた・れい)
1988年9月6日生まれ。東京都出身
03年、テレビ朝日「仮面ライダー555」北崎役で俳優デビュー。05年より「牙狼<GARO>」の涼邑零役を熱演。「絶狼<ZERO>」シリーズでは主演を務める。同シリーズのエンディングテーマを担当しているロックバンドDUSTZのボーカリストとしても活動中。作詞作曲も手掛ける。17年1月20日よりミュージカル「手紙2017」(新国立劇場 小劇場ほか)に出演。
公式Twitter
取材・文/内埜さくら