【相談No.124】将来は女優になりたいと思っています。ですが、最近の性加害報道で、本気で目指してもいいのか悩んでもいます。芸能界は、ニュースで読むほど本当に恐ろしい世界なのでしょうか。(13歳/女性)
性加害はインパクトがデカい事件だったよね。俺、告発されて活動休止したヤツと、飲み屋でケンカしたことがあるんだよ(笑)強い人にヘコヘコして、弱い人に偉そうにする人間性が嫌いで。芸能界は華やかな世界に見えるから憧れているのかもしれないけど、中身はドロドロだよ。たとえば相談者がオーディションで、5人の中から役を勝ち取ったとする。残りの4人は仕事を獲得できなかったということで、食べていくのは本当に大変なんだよ。昔から大手事務所のバーターキャスティング(売れている芸能人と売り出し中の芸能人を抱き合わせ出演させる)も多いから、小さな事務所の役者がキャスティングの候補に挙がることすら難しい現実もあるし。
何より今の芸能界は狭苦しいし、芸能人は一番、面倒くさい職業だと思う。俺が若手の頃の役者たちは、不良ばっかりだったんだよ。若くて不良でどうしようもないヤツらが、芝居に出会って更生するパターンが多かった。夜はそういう連中が飲み屋に集まると、必ず誰かが殴り合いをしているし、ひどいと巻き込まれて店中でケンカが起きていたし。思い返すといい時代を生きたなと思うけど、今だったら役者なんて職業は選ばない。稼ぐのが大変な上に、品行方正な人柄まで求められるんだから。何かあればすぐ叩かれるし。だから俺は、これから役者を目指そうと思っているヤツには「考えたほうがいいよ」と伝えている。相談者はまだ13歳。これからもっと選択肢を広げられるはず。性加害を怖がって迷うよりも、人生の視野を広げる時間に使ったほうがいい時期だと思うよ。芸能界は目指さなくていいんじゃない?
【相談No.125】大好きな父の体調がこの頃悪く、弱ってきています。子どもより親が先に逝くと頭ではわかっているのですが、心の準備が追いつきません。アドバイスをいただきたいです。(49歳/女性)
カラダは魂の器で、年齢とともに器が朽ちてその後、亡くなるのは、自然の摂理なんだよ。器は必ず滅びる。心の準備をしたところで親父さんは長生きするかもしれないし、誰でも死はいつ訪れるかわからない。若くても中年でも、明日ポックリ逝ってしまうかもしれないじゃん。人生は、何が起きるかわからないんだから。身内が亡くなるのは二度と会えなくなることだから、悲しいし寂しいかもしれないけど、俺は“向こうの世界”に戻るだけだと捉えていて。海から来て、海に還るだけとも言い換えられるかな。
死んでみないとわからないけど、あの世に天国と地獄があったとする。亡くなった人たちが天国に行けたとすれば、向こうの世界でゆっくりしてもらっていたほうがよくない? 寿命も病気も、争いもない穏やかな世界で。
言い方はよくないかもしれないけど、事故や事件なんかで突然、いなくなられるよりマシじゃないかな。たぶん被害者家族は一生、気持ちが割り切れないし、心の準備なんてする時間がないじゃん。
相談者は、寄り添ってあげられる時間があることに感謝をしてみては。自然の掟に逆らえないことだけは、忘れないでほしい。
PROFILE
小沢仁志(おざわ・ひとし)
1962年6月19日生まれ 東京都出身
2013年にスタートした「日本統一」シリーズ初の劇場版『劇場版 山崎一門~日本統一~』(辻裕之監督)が22年秋に公開。
公式ブログ
【小沢アニキへの相談大募集!】
お悩みを募集しております。ご希望の方は、ニックネーム・年齢・性別とお悩みを記載してweb@dokant.com、又は 公式Twitterまでお送り下さい!
小沢仁志(おざわ・ひとし)
1962年6月19日生まれ 東京都出身
2013年にスタートした「日本統一」シリーズ初の劇場版『劇場版 山崎一門~日本統一~』(辻裕之監督)が22年秋に公開。
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企画・取材・文/内埜さくら 撮影/大駅寿一