「この衣装に、より映えるようにってことで、役作りで、実は６キロ“増量”してるんです」（南里美希）
「世間的には“誰？”って感じだと思いますけど、そこは『詳しくはウェブで』でお願いします」（松野井）

鬼才・雨宮慶太監督が生み出した“大人の”特撮ヒーロー『牙狼〈GARO〉』の新章『牙狼〈GARO〉-GOLD STORM-翔』のテレビシリーズが、先日公開された劇場版に続いて、４月３日からスタート。主人公・道外流牙のパートナー莉杏役の南里美希さんと、そんな２人の前に立ちはだかる、謎の悪女アミリを演じる松野井雅さんに、作品の見どころと撮影秘話をうかがった。
──今作は、一昨年に放送された『闇を照らす者』の続編に当たるストーリーとのことですが、再びの莉杏役を演じられていかがでした？
南里「前作の莉杏は、ちょっとお姉さんぶっていて、見た目もギャルっぽいイメージだったんですけど、今回のシリーズは、彼女もあの頃からすごく成長しているっていう設定。だから、お芝居をする上でも、その変化に合わせて前より声を１トーン低くしたりってことは意識的にやってます」

松野井「そうだよね。私、前のシリーズも個人的に観てたから、セリフの読み合わせをやった時に『すごいオトナ！』ってビックリして。劇場版を観た時なんかも『莉杏、成長したなぁ～』って、すっかりファンの気持ちになってたぐらい（笑）」

南里「ホント？　そう言ってもらえるのはうれしいな。前作と違ってアクションもかなりあるから、体力作りもしっかりしましたし、この衣装により映えるようにってことで、実は体重も６キロ増やしたんです。もちろん、本業のモデルのほうに支障が出ない程度に、ですけどね（笑）」

──それはスゴい。役者魂ですね。一方の松野井さんは、10年の劇場版『RED REQUIEM』以来、シリーズ２度目の悪女役ですよね。
松野井「そうなんです。でも、今回は同じ悪役でも『なぜそうなったのか』ってところを大事にしたいなと。それがないと情緒も何もなくっちゃうと思いますしね。まぁ、実際はのっけから、『こんなこと言う人、今までいた？』ってぐらい、南里ちゃんに暴言を浴びせまくってますけどね（笑）」

南里「でも、仲はいいよね。お互い、もとの性格はふにゃふにゃだし（笑）スタッフさんも前とほとんど同じだから『おかえり』って感じで迎えてくれましたし、キャストもみんな優しくておもしろい人ばっかりなんで、ホント恵まれてるなぁと思います」

松野井「私も、もらった脚本に今回のアミリと、以前演じたカルマがリンクするようなシーンがあるのを発見した時には、“牙狼ファミリー”の愛を感じましたね。相当コアなファンの方じゃないと分からないぐらいの、ちょっとしたシーンなんですけどね」 ──お二人とも本当に仲がよさそうですけど、役柄の上では、敵と味方で、南里さんには、流牙役の栗山航さん。 松野井さんには、ジンガ役の井上正大さんというパートナーがそれぞれいる。現場ではお互いのパートナーに肩入れしちゃうことも？
松野井「それはありますね。ちょうどこないだ話してたんですよ。莉杏は莉杏で『流牙カッコいい！』って思ってるし、こっちも『ジンガ負けんなー』と思っちゃってるねって」

南里「そうなんだよね。あの二人はホントに、佇まいから所作から、全部がカッコいい。一度なんて、二人のバトルがあまりに美しくて、バシバシ写真を撮ってたら、いつのまにか二人とカメラの間に入っちゃって、本気で怒られましたから」

松野井「『南里さん本番中だよ！』ってね（笑）私はその光景をモニター越しに観てたから、余計にすごくおかしくて。でも、近づきたくなる気持ちも分かるぐらい、素敵なんですよ」

──撮影に当たっては何か特別なことをされました？
南里「本格的なトレーニングまではしてないですけど、筋肉がついたことで、以前はできなかった技ができるようになったりはしましたね。撮影前には、“女子練”もやりましたし」

松野井「そうそう。女性キャストだけで集まって、カメラで撮影した時にどの角度が美しく見えるかとか、目線の位置はどこに持っていけばいいかとか、女性ならではの動き方っていうのを、アクション監督の方に指導してもらったんです。そういう細かい部分への雨宮監督のこだわりにも、ぜひ注目して観てほしいですね」 ──では、最後にお二人の今後の目標なんかを聞かせてください。
南里「私自身は、女優としてはまだまだ経験が浅いので、今はとにかく何事にも自分にできるベストを尽くすだけ。アミリみたいな悪役もちょっといいなとは思いますけどね。普段なら『どうしちゃったの？』って思われるような汚い言葉を言ったりして」

松野井「南里ちゃんがそんなことを言ってる姿は想像できないけど、やるとクセになっちゃうよ？　公衆の面前で人の悪口が言えるのは（笑）」

──松野井さんは、世間的には「そんな人いたっけ？」って感じの人もまだ多そうですが……。
松野井「そこは『詳しくはウェブで』ってことにして頂いて（笑）復帰してから、お芝居のおもしろさをようやく実感できるようになってきたんで、今後は、今回みたいに、陰で脇だけど味があるって感じの、息の長い女優さんになりたいなと思います！」