「鈴木おさむさんに言われて同感した言葉があるんですよ。『一度だけ会ったのは出会いじゃなくて、2回、3回以降の積み重ねが出会いに変わるんじゃないか』と」
日本テレビ系「芸人報道 GNN」のDVD化が決まり、出演者でもあるお笑いコンビのカラテカ・入江慎也さんが販促部長に就任した。著書「後輩力」でも知られる友だち5000人芸人に売上増強を頼ったのかと想像して取材に臨んだのだが、話に引き込まれていくうち間違いだと気づく。抜擢の理由は入江さんの「人間力」にあり。存分に語ってもらった。
カラテカ入江慎也さんを「芸人報道 GNN」の収録直後に直撃! 腕に記者章を付けた番組衣裳のまま歩いているところを発見し、楽屋へとお邪魔して、同番組のDVD化について熱く語ってもらった。友だち5000人芸人としても知られる入江さんだが、顔が広い理由を聞くと「人脈を広げようとは思っていない」とのこと。では、幅広い業界に友人が多いワケとは? 普段のナンパなイメージからは想像できない“入江流人脈術”に迫る!
「身なりはキレイにしておくべき。正直、汚い服装で『ビッグになりたい』って言う人ってビッグにはなれないと思うし、手抜きをしているだけだと思う」
興味がある人にダメ元で、断られてもいいから連絡先を聞きますね、絶対に
──早速ですが、著書「後輩力 凡人の僕が友だち5000人になれた秘けつ」のお話から聞かせて下さい。「えっ、そうなんですか? 『芸人報道』じゃなくて……うれしいですけど。『芸人報道』だと聞いてますけど……」
──宣伝部なんですものね。
「はい。いや、いいえ違います。販売促進部ですね、部長の肩書を頂きました。名刺もちゃんとあるんですよ(と言ってライターやカメラマンに差し出す)1000枚手売りすることになったんで、小売手帳を持ち歩いて予約をもらったら名前を書き込んでるんですけど、なかなか売れないんスよねぇ。ほら、見て下さいよ。名前、社長ばっかり。某社長が30枚とか買ってくれてはいますけど、まだまだですね」
──面白そうな作品なのに苦戦しているとは意外です!
「いやぁ、本当に面白いですよ! 特に僕、初回放送をもう一度観られるのが楽しみで。番組は2年ちょっとやってるんでみんな顔、変わってると思うんですよ。(雨上がりの)宮迫さんなんて、初回は今ほど髪がフサフサじゃない気がしますし(笑)同い年だけど3年後輩の(ピース)綾部も、当時はまだ売れてないですし。フットの後藤さんも、この番組でスマートって呼び名が言われるようになって定着したんですよねぇ。そういう意味でもホント、この番組ってすごいなって、関わることができてうれしいですよ」
──それにしても、30枚も予約する社長がいるって、さすがは友だち5000芸人! 入江さんのように人脈力をつけるにはどうすればいいんでしょう?
「それはよく聞かれますけど、人脈を広げようとばかりしていると、そこにはイヤらしさしかないと思いますよ。僕もよく『誰々とつなげてくれない?』と頼まれるんですけど、そういうんじゃない気がします。僕の場合は自分がいいなと思った人とご飯を食べに行って、その相手が紹介してくれて…ってパターンがほとんどです。(放送作家の)鈴木おさむさんに言われて同感した言葉があるんですよ。『一度だけ会ったのは出会いじゃなくて、2回、3回以降の積み重ねが出会いに変わるんじゃないか』って」
──何度も会って出会いに変えるためには、何をすればいいですか。
「僕は興味がある人にはダメ元で、断られてもいいから連絡先を聞きますね、絶対に。ナンパもそうなんスけど、二度と会えないかもしれないんですから、ケータイの番号を聞かないと何も始まらないですよ。で、連絡先を交換して飲みに行きましょうって約束したら、社交辞令が嫌いなんで、必ず僕から連絡しますね。あとは、翌日にお礼のメールを入れます。そういえばこの前、自分から連絡することの大切さを実感する出来事があったんですよ」
後輩力は先輩や上司をリスペクトして人間関係を上手に築くこと
──ほう、それはどんな?「番組で大学生4人と仕事をしまして、番組終わりに名刺を渡したんですよ。僕は彼らの連絡先を聞いてないから、『連絡してな』って。で、本当に連絡をしてきたのは1人だけ。その1人はライブに来てくれたからもう、顔も名前も覚えました。彼らはマスコミ志望なのに、もったいないですよねぇ。そこで人生が変わった可能性もあったのに」
──入江さんの顔が広いのは、そうやって気軽に人と接点を作るところにも秘訣がありそうですね。
「僕ね、人が好きなんですよ。人が好きだし、寂しがりやで一人が苦手。で、好奇心旺盛」
──では、一人ご飯などは……。
「あー、それはナシですね。今の家に2年住んでるんですけど、1回もガスコンロに火をつけたこと、ありません。自炊しないし、絶対に誰かとメシ食いに行くんで、ガスコンロはピッカピカです」
──外に出ることで後輩力も磨かれていくんですね。改めて後輩力の説明をお願いできますか?
「みんな死ぬまで誰かの後輩じゃないですか。だから後輩力というのは、先輩や上司をリスペクトして、物事を頼みやすい、好奇心旺盛な後輩になって人間関係を上手に築こうってことです。僕が今まで人に助けてもらえて、いい人生の転機をもらえてここまで生きてきたのも、後輩力のお陰ですよ」
──いい人生の転機っていつですか。
「大きく分けて2回あるんですけど、1つは女子サッカーの澤(穂希)さんが『いいとも』に出た時、芸能人の友だちは誰? と聞かれて真っ先に僕の名前を出してくれたことですかね。後で聞いたら、僕なら迷惑がかからないって理由でボケのつもりで言ったらしいんですけど、あれが僕を友だち5000人芸人にしてくれたきっかけでしたからね」
DVDを買いたい人はもし待ちで僕を見かけたら声を掛けて下さい!
──もう1つの転機は?「震災の時、今田(耕司)さんの舞台が中止になって、チャリティーフリーマーケットをやるからって声を掛けて頂いた時ですね。高2から26、27歳ぐらいまでフリマでバイトをしていたから、先輩の役に立てるチャンスだと思って、2日間死ぬ気で頑張ったんです。その姿を鈴木おさむさんが見ていたらしくて、次の再演の時、僕の名前は入っていなかったんですけど、新しく加えて頂いて。その舞台をいいとものプロデューサーが観ていて、澤さんのこともあって、いいとものコーナーを持たせて頂くことになって。全部つながってるんですよね、物事って」
──そのつながり方はすごい! 人脈力を活かす際、他に心がけていることはありますか。
「身なりをキレイにしておくこと、ですね。正直、汚い服装で『ビッグになりたい』って言う人ってビッグにはなれないと思うし、手抜きをしているだけだと思うんです。キレイにしておくだけで才能がありそうに見えるから、安くてもいいからキレイな洋服を着て、無理ならクツだけには気を遣って、美容院代にはお金をかける。売れてない時期でも自分への投資はしなくちゃダメだと今田さんに教えられてきたんで、連絡先を聞くことと一緒に後輩にも教えてるんです」
──入江さんは好きなことを仕事にしていますが、もしも芸人になれなかったらどうしていたんですかね?
「彼女をつくって、そのコと週2回のデートを楽しむために残り5日は我慢して仕事をしていたでしょうね。いい女を抱いて、美味いモノを食って、結婚して子どもをつくって親孝行もする。守るものを持ってモチベーションを保っていたんじゃないかと」
──では、今のモチベーションは?
「金を稼いで楽しい人生を過ごしたいって思いがパワーの源ですね。最近思うんですよ、金がないと何もできないな~って。今の給料じゃ売れてない後輩たちを養っていけないんで、もっと売れたいです。あとは、売れて金を稼ぐことが先輩への恩返しにもなるんですよ。『ここまで来たか』と喜んでもらえるんで。だからもう、ここから落ちて消えたくない!(笑)」
──大丈夫ですよ! 若い人に人気あるじゃないですか。最後にもう一度DVDのPRをお願いします。
「今は関東と関西でしか放送されていないんですけど、これが売れたら全国放送もありえるんで、DVDを買いたい人はもし街で僕を見かけたら声を掛けて下さい!『噛んだら降板SP』は個人的に、思い出すと背筋がブルッと震えるほど思い出したくない場面なんですけど、見どころの1つなんで、観てほしくないんですが、観て下さいとしか言えません(笑)」
後輩力について熱く語りながらも、その裏では後輩を指導し面倒を見て、後輩たちから慕われるという“先輩力”も発揮している入江さん。先輩後輩問わず友だちは本当に多い芸人さんだが、「業界関係者以外の人に会う機会が少ないから、DVDがなかなか売れない」と嘆いていた。街で見かけたら本当に声を掛けてみては!?
INFORMATION
DVD「芸人報道」01&02
INFO&STORY
日本テレビで毎週月曜日深夜24時59分放送の業界専門ニュースチャンネル「芸人報道 GNN」(読売テレビは水曜日深夜25時23分)。雨上がり決死隊をはじめとする芸人記者の面々が、テレビ業界で巻き起こる様々なニュースを伝える番組が、2巻連続リリースで遂にDVD化。各巻2枚組フルボリューム収録。関係者しか知り得ない内部情報から、プライベートなニュースを紹介。気になるニュースがあれば、現場に潜入しウラドリ取材も敢行する。
CAST&STAFF
MC/宮迫博之・蛍原徹(雨上がり決死隊)
記者/高橋茂雄(サバンナ)・後藤輝基(フットボールアワー)・綾部祐二(ピース)・入江慎也(カラテカ)ほか
DVD「芸人報道 GNN 01」は11月6日、「芸人報道GNN 02」は11月20日によしもとアール・アンド・シーからリリース。各3990円(税込)
(C)2012日本テレビ
(C)2013『ナオト・インティライミ冒険記』製作委員会
PROFILE
入江慎也(いりえ・しんや)
1977年4月8日生まれ 東京都出身
97年、矢部太郎とお笑いコンビ・カラテカを結成。ツッコミ担当。「アーイエーイオーイエーイオレイリエー!」という持ちギャグで知られ、バラエティ番組を中心に活躍。アスリートやミュージシャン、女優、各界の社長など幅広い人脈を持ち、現在は“友だち5000人芸人”と呼ばれている。「日本後輩協会」会長。フジテレビ「森田一義アワー 笑っていいとも!」中部日本放送「ノブナガ」TOKYO MX「OTOBOKE Bar」出演中。著書に「カラテカ・入江のコンパライフ 女子もう帰っちゃうの?」「後輩力 凡人の僕が、友だち5000人になれた秘けつ」がある。
公式Twitter
DVD「芸人報道」01&02
INFO&STORY
日本テレビで毎週月曜日深夜24時59分放送の業界専門ニュースチャンネル「芸人報道 GNN」(読売テレビは水曜日深夜25時23分)。雨上がり決死隊をはじめとする芸人記者の面々が、テレビ業界で巻き起こる様々なニュースを伝える番組が、2巻連続リリースで遂にDVD化。各巻2枚組フルボリューム収録。関係者しか知り得ない内部情報から、プライベートなニュースを紹介。気になるニュースがあれば、現場に潜入しウラドリ取材も敢行する。
CAST&STAFF
MC/宮迫博之・蛍原徹(雨上がり決死隊)
記者/高橋茂雄(サバンナ)・後藤輝基(フットボールアワー)・綾部祐二(ピース)・入江慎也(カラテカ)ほか
DVD「芸人報道 GNN 01」は11月6日、「芸人報道GNN 02」は11月20日によしもとアール・アンド・シーからリリース。各3990円(税込)
(C)2012日本テレビ
(C)2013『ナオト・インティライミ冒険記』製作委員会
PROFILE
入江慎也(いりえ・しんや)
1977年4月8日生まれ 東京都出身
97年、矢部太郎とお笑いコンビ・カラテカを結成。ツッコミ担当。「アーイエーイオーイエーイオレイリエー!」という持ちギャグで知られ、バラエティ番組を中心に活躍。アスリートやミュージシャン、女優、各界の社長など幅広い人脈を持ち、現在は“友だち5000人芸人”と呼ばれている。「日本後輩協会」会長。フジテレビ「森田一義アワー 笑っていいとも!」中部日本放送「ノブナガ」TOKYO MX「OTOBOKE Bar」出演中。著書に「カラテカ・入江のコンパライフ 女子もう帰っちゃうの?」「後輩力 凡人の僕が、友だち5000人になれた秘けつ」がある。
公式Twitter
Interview&Text/内埜さくら Photo/おおえき寿一