デビュー以降テレビ、ラジオ、Ｖシネマ、グラビア、エッセイ本の執筆、雑誌コラム連載、歌手活動など多方面で大活躍の蒼井そらちゃん主演映画が公開！　「素敵な台本で、撮影前から楽しみだった。監督とは何度も話し合いながら自由にやらせてもらったし」と振り返る“女優魂”に接近!!
──作品紹介と出演の経緯から教えてください。お勧めポイントとかは、どんなシーンですか。
キャッチフレーズは、エロポップ・サスペンスです。男性目線で物語は進行するんですが、隣人に盗聴される主人公の皐月役を演じてます。ちょっと変態っぽい内向的な登場人物ばかりですけど、でも笑えるし、何かほのぼのとしてて。経緯は事務所から『映画の仕事が決まったよ』と軽く言われて（笑）。台本を読んで、面白い作品だなぁって。すべてにおいてかけがいのない、貴重な体験でしたね」

──確かに“覗き見”“覗き聞”って食指が動きますよね（笑）。
「ホントにしたら犯罪だけど、他人のことを盗聴したいという気持ちは誰しもが持っていると思うんです。だから興味がある、理解できるところはあるはず」

──演じる上での難しさやプレッシャー、苦労した点はどんなことが。
「素敵な台本で、撮影前から楽しみだったんです。監督とは何度も話し合いながら自由にやらせてもらったし。私のことを受け止めてくれて。辛かったことを1つ挙げれば、ドラマの撮影もあって、この作品の撮影期間中は睡眠時間がほとんどなかったこと。少し時間があればバタンと眠ってましたから。でも辛いけど、頑張ろうと」

──その原動力は何ですか。意志の強さ、演技への情熱？
「中途半端な作品にはしたくなかったから、あと単純に作品を完成させたいという一心ですね」

──撮影後もプレミア上映の舞台挨拶やトークショーなどで監督とは何度も顔合わせをしてますが、どんな人ですか？
「監督は50歳ぐらいなのかな、私とは年の差が27歳もあるんですけど、なんか普通にしゃべれる人というか（笑）。撮影ではほとんど演出を付けてくれない。監督曰くそれが演出だということで…」

──監督は「最初の本読みで安心した。芝居がうまいし、勘がいい」と評しています。魅力を引き出した監督の手腕も見事ですが、演技はすごくナチュラルに見えましたよ。
「でも、素が出ちゃうし、恥ずかしくて。言葉じりとか、癖や仕草に普段の自分が出てしまって。けど自然体を求められて『セリフとしてしゃべるのはダメ』『台本なんて見なくていいから』とよく言われました。だから皐月は自分なんだと言い聞かせて。カメラを意識しないで、セリフを頭に入れないで、とにかく自然に。そういう演技は初めてだったので新鮮でいい経験になりました」

──役作りに関して、演じる役をどう思いました？
「皐月は昼間はOL、夜は飲食店でバイトをし、母親に仕送りもする女の子。真っ直ぐな可愛らしさを持つコで。最初に感じたのは、『この役、私でいいのかな？』って。これまでは制服が似合う女の子という役が多かったけど、今回は大人っぽい役柄で。そういう感じに出来たのも含めて、うれしかったですね」

──ちなみにバイト経験は。
「ありますよ、同じ接客業で。劇中とは違ってワイワイ賑やかな飲食店でしたけど。『はい！ いらっしゃい!!』って」

──撮影エピソードを教えてください。 ベッドシーンでは演出もされたと聞きましたが。
「これ、あれって自分の撮影以外でも細かいことが気になってしまう性格なので、助監督気分になっちゃうんです（笑）。演出は前日に監督から『明日は監督でヨロシク～』と言われて。何だろうと現場に行ったらベッドシーンの撮影で、『そら監督、ここはどうしましょう』って。だから『女性は背中からお尻のラインが一番キレイなので』とカメラの角度とか指示をしたり。ベッドシーンは山本監督より私の方が分かってるから（笑）」

──初体験のアフレコも苦労があったとか。
「声入れは初めてではないんですが、いつもは編集前のもので、今回初めて編集されたものを見て、確認しながらだったんです。全体を通しての作品は実際にこうなんだと分かり、いい経験でした」

──最後になりますが、メッセージを。どんな人に見てもらいたいですか。
「バレンタインデー、ホワイトデーも近いので、カップルに見て欲しいかも。男性には皐月の気持ちが伝われば、女性はちょっと変態が趣味の男性の生態研究にもなるし（笑）。意外と、身近に感じられると思います！」