密室に閉じこめられた男女6人が直面する死の恐怖と混乱状態を描いた、新感覚スタイリッシュミステリー「エンマ」で引きこもりの車イス少女という難役を演じた近野成美ちゃんに直撃インタビュー! 注目の若手女優が語る映画への熱い想い、生まれつき備わっている資質が今、開花する!!
暖かくて幸せを感じられる家族や親友のような映画が好き
──本作以外に「さくらん」「黒帯 KURO-OBI」と映画の仕事が続いていますが、近野さんにとって女優とは? 映画とは? と問われたら。「女優さん、と言われるとまだ照れがあって、『いやいやいや…』と照れ隠しをしてしまう自分がいるんですけど、今やっているお仕事が周りにはそう映るのかな。好きな芝居をできて幸せですね。映画は家と同じくらい落ち着ける場所。普段の私は、実は恥ずかしがり屋で人見知り、初対面の方の顔を見られなかったりするんですが、共演者やスタッフの方々との顔合わせで『○×役の近野成美さんです』と紹介された瞬間からだんだんと居心地がよくなってきて。着替えてメイクをしてカメラの前に立つと、役らしく、自分らしく演じようという気持ちになりどっしりと構えることができるんです」
──それって天性かも知れませんね。すごく“映画ラブ”が伝わってきます。
「あることが幸せで、なくてはならない存在になってきました。最初、少しは壁を感じるけど自然となくなってきて、言い合える関係になって。キャスト、スタッフみんなで作り上げることで仲間意識も強くなり、大切な家族のようです」
──現場はどんな感じだったんですか?
「女性は私1人、たくさんのお兄ちゃんに囲まれて。佐藤さんが盛り上げ役になってくれて待ち時間になると塚本さんと3人で脳トレのようなクイズを出し合ったり。あと流行ったのが、いろいろなアニメキャラの声で台詞を言って遊ぶこと。閉院してしまった長野の本物の病院での撮影で、周囲に遊びスポットがなかったので(笑)」
──コンちゃんスマイル封印の難役は、冒頭からしばらくは言葉を発しないシーンが続きますよね。
「私が演じたのは、他人とのコミュニケーションが苦手な引きこもりの車イス少女・池内亜美という役なんですけど、撮影初日から3日間続けてセリフがなかったんです。あいさつをして、香盤表を見ると『今日もない』『また今日もない』って。それで話すのを怖がってしまって、しゃべっていいの? という感じになって。でも、これがいい緊張につながったと思います。完成作を見て『意外と早くしゃべるシーンがきた!』って思いました。順撮りではないし、あの時は3年くらいひと言もしゃべってない気がしてたから(笑)」
愛媛弁の「ありがとう」は気持ちが伝わると思います
──引きこもりというバックボーンを持つ女の子、どのようにして自分のものに。監督からはどんな話があったのですか。「監督さんからは『感じるままにやってください』『久しぶりに外に出て…という感じは大切にしてください』とお話しがありました。車イスも経験がなかったので、少しでも慣れるようにと常に横に置いてあったので遊んだりして(笑)。目線が全然違うんですよ、顔が近づくと圧迫感があって怖い…こういった気づいたことを表現しようと努めました」
──完成作を初めて見た時の感想は。
「ゆっくり撮影したイメージがあったのに、完成作はスピーディーに感じられました。台本を読んでいるので誰が、どこで、倒れて死ぬとか分かっているけどそれでも驚きがあって、改めて映画っていいなって」
──「人を助けたばかりに感染してしまう」これが作品のキーですよね。
「人を助ける、救うこと、それ自体はステキなことだけど、助けたことで背負うものがあるんだと改めて考えさせられました」
──最後に作品の注目点を教えてください。
「亜美にとっては、外の世界に勇気を持って出たことが大きなものだと思うんです。階段で塚本さん演じる遙冬に他人には言いにくい引きこもりという行為を打ち明けるシーンがあるんですが、そういった心情の変化に注目してほしいですね。あと病院の屋上でのラストシーン。『ありがとう』と言うシーンで、私気持ちが入ると愛媛弁というかイントネーションが出るんです(笑)。微妙に言葉じりが上がっていて、それだけ気持ちが入って演技ができた証拠ですから、聞き逃さないでください!」
INFORMATION
■エンマ enma
INFO&STORY
目を覚ました遙冬(塚本高史)は、病室のベッドにいた。鉄格子の窓、施錠されたドア、周囲には5つのベッド、そこには見知らぬ5人の男女がいた。彼らに共通するのは注射の痕と「渋谷にいた」記憶だけ。一人、また一人…目の前に訪れる死に、見えない恐怖が遙冬を襲う。一体誰が? 何のために?
CAST&STAFF
監督/長江俊和 出演/塚本高史 近野成美 佐藤重幸 坂本爽 山田明郷 ベンガル
企画・制作/アットムービー・ジャパン 製作/日本出版販売・ポニーキャニオン 配給/日本出版販売
2月24日(土)から渋谷Q-AXシネマにてレイトショー公開
(C)2006 日本出版販売/ポニーキャニオン
PROFILE
近野成美(こんの・なるみ)
1988年9月18日生まれ 愛媛県出身02年に「おはスタ」でデビュー。週刊ヤングジャンプ「制コレ03」グランプリ受賞。CM「ポポンS」やドラマ「ファイト」「Pinkの遺伝子」、映画「夜のピクニック」「エコエコアザラク」などに出演。主演映画「エコエコアザラク R-page&B-page」のDVDが3月21日に発売予定。また3月には高校卒業記念イベント開催予定。
公式HP
■エンマ enma
INFO&STORY
目を覚ました遙冬(塚本高史)は、病室のベッドにいた。鉄格子の窓、施錠されたドア、周囲には5つのベッド、そこには見知らぬ5人の男女がいた。彼らに共通するのは注射の痕と「渋谷にいた」記憶だけ。一人、また一人…目の前に訪れる死に、見えない恐怖が遙冬を襲う。一体誰が? 何のために?
CAST&STAFF
監督/長江俊和 出演/塚本高史 近野成美 佐藤重幸 坂本爽 山田明郷 ベンガル
企画・制作/アットムービー・ジャパン 製作/日本出版販売・ポニーキャニオン 配給/日本出版販売
2月24日(土)から渋谷Q-AXシネマにてレイトショー公開
(C)2006 日本出版販売/ポニーキャニオン
PROFILE
近野成美(こんの・なるみ)
1988年9月18日生まれ 愛媛県出身02年に「おはスタ」でデビュー。週刊ヤングジャンプ「制コレ03」グランプリ受賞。CM「ポポンS」やドラマ「ファイト」「Pinkの遺伝子」、映画「夜のピクニック」「エコエコアザラク」などに出演。主演映画「エコエコアザラク R-page&B-page」のDVDが3月21日に発売予定。また3月には高校卒業記念イベント開催予定。
公式HP
撮影◎谷口達郎 取材・文◎立花みこと