舞台をメインに活躍する他、CMのアフレコや子どもに大人気 の「おしりたんてい」の主題歌を歌う俳優の伊勢大貴さんが出 演する舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These 〜第二章 それぞれの 星〜』が5月30日より開幕。前作に引き続き続投する役柄や舞 台の魅力を分かりやすく解説して頂いた上に、面白バイト経験 や舞台経験をこなしたならではの仕事への考え方もたっぷりと 語ってもらった。
「舞台は数千年後の宇宙ですが、認められたい、出世したい人たちの集まり なので、現代社会でも起こりうる話です。どの時代でも場所でも、人間関係で起きる問題は普遍的だと分かって頂けると思います」
ジャーナリスト志望の男を演じる為細かな表現が大切
──前作に続き続投する、ダスティ・アッテンボローはどんな男性ですか?「明るくて行動力のある有能な軍人ですが、反骨精神に富む男性です。もともとジャーナリスト志望だったので、真実を知りたがり追求する男でもあります。だから、どうでもいい間に人の顔色を読もうとする瞬間を少しだけ作っています。あとは、常にメモを取りやすい姿勢でいるためにはどのポケットに入れておくか、などにもこだわっています。表面的な部分ではメイクでそばかすを描くんですけど、いい塩梅になるように注意していますね。濃くしすぎるとホクロのようになってしまうので。人間関係的には小早川俊輔さんが演じる先輩のヤン・ウェンリーたちを突き上げるというか、上下関係を表現できるとアッテンボローの良さが出せると考えています」
──伊勢さんは舞台を中心に活躍されていますが、映像と舞台の違いとは。
「明らかに違うのは、何度も稽古をできる点です。しかも、稽古でミスをしてもお客さんに見られる心配がない。僕は、ミスをすることは役の可能性を広げられることだと捉えているんです。違う解釈ができるようになるというか。だから、舞台に関しては最近、役の完成度への早さを求めなくてもいいのかな、と思うようになりました」
──ミスが可能性を広げる、とは?
「そんなに早く正解を出さなくてもいいのかなということに最近、気づいたんです。OKテイクは絶対に必要ですけど、最初は台本を素直に読んで自分なりの正解を探す。その後、他のキャストや演出家さんと正解を出し合って最終的には演出家さんの正解で演じることになるわけですが、舞台に関してだけ僕は、役者が舞台を決めてしまうと考えています。どれほど演出が素晴らしくても、舞台で役者が台詞を噛んでしまえば終わりですから。僕とは違う考え方をしている方もいるとは思いますが、そういった意味で舞台は、責任感を持って演じなければいけないと思っています」
──では、ミスをするとどんな感情が生まれるのでしょうか。
「落ち込むことはなく『ああ、違ったんだな』で終わりです。演出家さんとの解釈が異なっていただけなので。トライしていない上でのミスはダメですけど、トライしたのであれば、それはそれで良しとしています。次はミスをした選択をしなければいいだけの話で、ミスは改善策を生んでくれるので」
──その考え方は、他の仕事にも応用できそうですね。
「どの職業でも応用できると思います。失敗したら『ミスの選択肢が減ってラッキーだ!』ぐらいに考えたほうがいいのではないでしょうか」
下積み時代はありませんが面白いバイト経験アリです
──話は変わりますが、好みの女性のタイプを教えて頂けますか。「すごく惚れっぽいんです。2時間ぐらい話をしたら、大体好きになってしまうかも(笑)自分のことをかまってくれる人が好きなんでしょうね。加えて、素直な人。先日帰省した時に会った姪っ子を見て思ったんです。手に取るように感情が分かるから『素直で人として可愛いな』って。最近、発掘した名作漫画『めぞん一刻』の音無響子さんみたいな人がタイプです」
──伊勢さんは料理が得意ですが、相手も料理ができたほうがいいですか?
「僕ができるので特に求めません。僕が作る時は、『早くて上手い』がモットー。帰省した時には姉にレシピを教えました。キッチンにローリエがあったので入れたら『すごいね』って。入れたらいいだけなのに…」
──あはは(笑)伊勢さんは20歳でデビューしていますが、下積み生活は経験しているのでしょうか。
「下積み生活的なバイトはしていませんけど、波のある仕事なので収入が家賃以下の月もありました。もうすぐ28歳ですけど、25歳の時に7日間で11万円という、割のいいバイトにありつけたんです。郵便局の下請け会社で繁忙期に配達のバイトで。お金がほしかったから勤務態度がよかったですし、少しでも媚びを売ろうとしたので(笑)その姿勢を汲んでもらい、上乗せしてもらえたのかもしれません。ただ一度だけ、宅配ボックスに配達物を入れ間違えてしまって。そしたらゴリゴリのマッチョなお兄さんが、ネームプレートをつけていない僕に『おいキクチ、どうしてくれんだよ!』と。面白くなってしまって、『私、キクチが何とかいたします!』と答えました(笑)なぜ、キクチだったのか、いまだに気になります…」
──確かに(笑)では、役者人生は順調ということですね。
「求めている漠然としたものがまだ先にあるので、それを得られるまでは順調だとは自信を持つことができないですね。漠然としたものというのは、大好きな舞台をベースにしつつ、テレビなど映像に出ること。北海道の実家に住む親がたまに舞台を観に来てくれるんですけど、ドラマや映画館といった近場で楽しんでもらいたいんです。今はファンのみなさんや親に、どれだけ恩返しができるかを考えています」
──有難うございます。最後に改めて本作のPRを。
「観客のみなさんが理解できるような導入をしているのは間違いないので、そこを魅力の1つだと思って頂きたいです。青が自由惑星同盟で、赤が銀河帝国。この二国が、宇宙で戦争していることが分かれば大丈夫です(笑)舞台は数千年後の宇宙ですが、認められたい、出世したい人たちの集まりなので現代社会でも起こりうる話。どの時代でも場所でも、人間関係で起きる問題は普遍的だと分かって頂けるかと。『少ない人数でメチャメチャ大勢の敵を倒してこいや!』と命令されて『難しいっすね!』みたいな話もあるので、今回は人間模様や人の気持ちに焦点を当てて観て頂けたらうれしいです」
INFORMATION
■舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These 〜第二章 それぞれの星〜』
【INFO&STORY】物語は数千年後の未来、宇宙空間に進出した人類が銀河 帝国と自由惑星同盟の二国に分かれていた。この二国家 の対立は実に150年に及び、際限なく広がる銀河を舞台 に、絶えることなく戦闘が繰り返されてきた。「常勝の 天才」ラインハルト・フォン・ローエングラム(永田聖 一朗)と「不敗の魔術師」と呼ばれるヤン・ウェンリー (小早川俊輔)。二人の登場によって歴史は動いていく ……。田中芳樹さんのSF小説「銀河英雄伝説」の舞台化 作品で、18年10月公演に続く“新・舞台シリーズ”第2 弾となる。
【CAST&STAFF】
出演/<銀河帝国>永田聖一朗・加藤将・畠山遼・釣本 南・杉本有美・藤原祐規<自由惑星同盟>小早川俊輔・ 米原幸佑・伊勢大貴・小西成弥・大高雄一郎・福永マリ カ
原作/田中芳樹「銀河英雄伝説」シリーズ(創元SF 文庫刊)
演出/大岩美智子
構成・監修/高木登
脚本/米内山陽子
主催・企画・制作/舞台「銀河英雄伝説」制作実行委員会
公式HP
東京は5月30日(木)からZepp DiverCity TOKYO、大阪は6月8日(土)からZepp Namba OSAKAにて上演
(C)舞台「銀河英雄伝説」制作実行委員会
PROFILE
伊勢大貴(いせ・だいき)
1991年5月15日生まれ 北海道出身
11年に「ミュージカルテニスの王子様2nd シーズン」で俳優デビュー。近年の舞台出 演作は「pet-壊れた水槽-」、ミュージカル 「最終陳述〜それでも地球は回る〜」、 「バグバスターズ-Stage Yellow-」など。 今後の出演予定に「誰ガ為のアルケミスト 舞台版 『聖石の追憶』」「pet-虹のある場 所-」がある。
公式Twitter
■舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These 〜第二章 それぞれの星〜』
【INFO&STORY】物語は数千年後の未来、宇宙空間に進出した人類が銀河 帝国と自由惑星同盟の二国に分かれていた。この二国家 の対立は実に150年に及び、際限なく広がる銀河を舞台 に、絶えることなく戦闘が繰り返されてきた。「常勝の 天才」ラインハルト・フォン・ローエングラム(永田聖 一朗)と「不敗の魔術師」と呼ばれるヤン・ウェンリー (小早川俊輔)。二人の登場によって歴史は動いていく ……。田中芳樹さんのSF小説「銀河英雄伝説」の舞台化 作品で、18年10月公演に続く“新・舞台シリーズ”第2 弾となる。
【CAST&STAFF】
出演/<銀河帝国>永田聖一朗・加藤将・畠山遼・釣本 南・杉本有美・藤原祐規<自由惑星同盟>小早川俊輔・ 米原幸佑・伊勢大貴・小西成弥・大高雄一郎・福永マリ カ
原作/田中芳樹「銀河英雄伝説」シリーズ(創元SF 文庫刊)
演出/大岩美智子
構成・監修/高木登
脚本/米内山陽子
主催・企画・制作/舞台「銀河英雄伝説」制作実行委員会
公式HP
東京は5月30日(木)からZepp DiverCity TOKYO、大阪は6月8日(土)からZepp Namba OSAKAにて上演
(C)舞台「銀河英雄伝説」制作実行委員会
PROFILE
伊勢大貴(いせ・だいき)
1991年5月15日生まれ 北海道出身
11年に「ミュージカルテニスの王子様2nd シーズン」で俳優デビュー。近年の舞台出 演作は「pet-壊れた水槽-」、ミュージカル 「最終陳述〜それでも地球は回る〜」、 「バグバスターズ-Stage Yellow-」など。 今後の出演予定に「誰ガ為のアルケミスト 舞台版 『聖石の追憶』」「pet-虹のある場 所-」がある。
公式Twitter
取材・文/内埜さくら 撮影/おおえき寿一