信子さんと金子きょんちぃさんの元コンビ・エンぷレスに、元パーティーズのすがちゃん最高No.1さんが加わる形でトリオを結成。自由奔放な立ち振る舞いをするギャル2人のボケに「ダメなんだぜ」とキザなツッコミを繰り出すギャルとチャラ男のパリピ漫才で人気芸人となった、ぱーてぃーちゃん。指でハイブランドのロゴを表現したキャッチーな決めポーズは若い世代を中心に話題を集めた。絶妙なコンビネーションで魅せる3人に芸人を志した当時の話から結成&ポーズ誕生秘話、ブレイクでの変化、手応えを感じた出演番組、今後の抱負までじっくり直撃インタビュー。
『オールマイティに動ける人って思われるようになりたいかも』(金子きょんちぃ)
「才能がある!」と乗せらせて同じワタナベの養成所に入りました ──3人ともワタナベコメディスクール(WCS)出身です。入所の経緯などを聞かせてください。
信子「芸人になろうと決めて養成所を探していたら当時、ワタナベが〝オモ女〟という面白い女子頑張れみたいなことをやっていて女芸人に優しい事務所なんだと知りお話を聞きに行きました。憧れていた芸人さんはずっと南海キャンディーズ山里さんです」
──直前は何をされてました?
信子「うわあ、なんだっけ。入る直前は…」
すがちゃん「取材のたびに受け答えがダメになっていくなあ」
信子「新宿歌舞伎町の飲み屋さんで働いてました」
きょんちぃ「NSCと迷っていた時にワタナベの教務の方から『会わせたい女の子がいるからもう一回だけ来てくれないか』と電話を頂き、オーディションに行ったら信子と2人だけ。『すごく才能がある!』と乗せられて」
すがちゃん「信子をエサに?」
きょんちぃ「なのにコンビを組んだのは半年後」
信子「毎日一緒にいたのにね」
きょんちぃ「養成所に入る前は池袋でキャバ嬢やってました」
すがちゃん「テレビの制作会社でADをやっていたんですが前のコンビの相方もそこで音声をやっていて、そいつに誘われる形で。NSCはタイミングが合わず、オーディションで所属できたらといろいろな事務所を受けるもダメで。ワタナベにネタ見せに行ったら、全員に言ってると思いますが『キミは10年に1人の逸材だ』と。オマエも言われただろう?」
きょんちぃ「輝いてるねって。ベッキーになれると言われた」
すがちゃん「オマエは誰?」
信子「えー覚えてない(笑)」
すがちゃん「一応聞いただけ。男の2人組だと〝第2のハライチ〟と言われ、乗せられて入学したら第2のハライチだらけで(笑)」
──エンぷレス、パーティーズでの活動を経てトリオ結成。3人組での反響はどうでしたか。
すがちゃん「最初にお遊びでやった時は結構ウケました。『華があるし、見たことがない座組だからいいよ』と周りの評判もよく」
信子「けどその後はゴンスベり」
すがちゃん「まだ〝ぱーてぃーちゃんポーズ〟ができる前で」
──受け入れる側のお二人はどうでしたか。
きょんちぃ「ラッキー。コンビの時もネタを作ってもらっていたので。コンビで4、5年やって売れなかったから、いいきっかけじゃないですけど」
すがちゃん「正式に組んだのは21年4月ですけど1年ぐらい前から2人のネタを作ったりしてたので徐々にそうなっていって」
──22年元日放送の「ぐるナイおもしろ荘」出演効果は?
すがちゃん「爆発的には仕事が増えてないけど芸人の仕事でスケジュールが埋まって」
信子「街で声を掛けてもらえるのは嬉しいし、承認欲求が満たされます」
すがちゃん「普段は私服でカッコいいと思って帽子にサングラスしてるけどオレですら気づかれるから2人はエグいでしょ」
きょんちぃ「私は意外と、なんだよね。周りを見て歩いてないから気づかないし」
すがちゃん「渋谷にいっぱいいるよ。集合場所まで行く時に基本、現場でしか会いたくないのできょんちぃ見つけて大急ぎで撒こうとしたら全然知らねえデカいヤツで。そういうのが週3、4回ある」
きょんちぃ「ピンク髪めっちゃいるよね、流行ってる」
『好きなことがやれる冠番組「ぱーてぃーちゃんの○○」をやりたい』(信子)
世界一分かりづらい〝ぱーてぃーちゃん〟ポーズの誕生で好転した ──ブレイクで一躍、人気芸人の仲間入り。
信子「うちが思ってた爆売れってブルゾンちえみさんとかEXITさんなので思わないです」
すがちゃん「でも昔イヤなことを言ってきたディレクターさんが態度を変えたり、港区のイヤな飲み会で若干チヤホヤされる時は前よりはよくなったなと」
きょんちぃ「友だちじゃなかったのに、友だちぶってくるヤツが増えました」
すがちゃん「アイツら、自己紹介してこねえよな」
信子「遠い親戚と繋がれました。だから嬉しかった」
──比例して給料も。
すがちゃん「業界の方にも『めっちゃ稼いでいるんでしょ』と言われますけど。ホントに稼いでたら売れてることを実感できるかも」
きょんちぃ「キツい時期はあるけど半年後にはと言われてから1年以上経ってるよね」
信子「でも、うちは全然生活できるよ。(結婚して)家賃や光熱費がかからないから」
──ぱーてぃーちゃんポーズなど今の〝型〟ができたのは?
すがちゃん「正式にトリオを組もうという時に衣装も決めて。同期の厚切りジェイソンがやっていたこと、当時のマネージャーさんが言っていたマーケティング的なことを学んで自分なりに解釈して。ポーズ誕生は…」
信子「なんでイヴ・サンローランのロゴになったんだっけ」
きょんちぃ「ハイブランド、サンローランがいいって」
すがちゃん「漫才が絶望的に下手で、掛け合いも漫才コントもできないのでブリッジでそういうポーズをやったらキモカッコいいなと。で世界一分かりづらいポーズができました。もうちょい簡単にしておけばよかった」
──これまでに手応えを覚えた番組を挙げて頂くと。
すがちゃん「21年8月1日オンエアの『にちようチャップリン』がテレビで初めてちゃんとウケた番組で、ウケたというよりザワザワが止まらない感じ。千鳥さん、アンガールズ田中さんとのやり取りも大ウケ。あの日以来、意見が通りやすくなった」
きょんちぃ「うちらがアンタを認めた日ね」
すがちゃん「芸人仲間からも面白かったと」
きょんちぃ「関西テレビ『千原ジュニアの座王』です。面白いかどうかも分からずやって普通の芸人がやることじゃないから笑ってくれた。2回目で座王を取れて気持ちいいかもって」
すがちゃん「この手のキャラ芸人が優勝はあまりなかったので」
きょんちぃ「反響はスゴかったです。その後、何回か出させてもらってますが飽きられてるのか手も足も出ない」
信子「自分で一番手応えがあったと思うのは今年3月放送の『相席食堂』ですかね。旦那を連れてっちゃったヤツ(笑)」
すがちゃん「確かに、一番言われるかもな相席の話」
信子「7月1日が結婚記念日。2年間、黙ってました。コンビの時から結婚しましたと言ってたので、その時からのファンの人は分かってましたけど、ぱーてぃーちゃんで私を知った人たちにはサプライズになったかな」
『元気がないと言われるので明るく活発にやっていきたい』(すがちゃん最高No.1)
僕ら3人を見て少しでも気分が晴れたと思う人を増やしていきたい ──参戦中の「キングオブコント」など賞レースについては。
すがちゃん「去年は準々決勝で負けちゃったので最低でも準々決勝には行って、その先に進めたら最高。ただコント師ってホントにスゴくて」
信子「スケジュール的にライブに出れなくなってきてるけどライブに出るのは大事だなって思う。チャンピオンはカッコいいので獲りたい!決勝の景色を見てみたい、緊張するのかな」
きょんちぃ「M-1チャンピオンになる!とお笑いを始めたので絶対に獲りたいです」
すがちゃん「今年のキングオブコントが1回戦は追加合格でこれはマズいぞと。ライブに出られないんだったら自分たちで主催して定期的にやろうと奮い立って9月か10月に新ネタ5本ぐらい。そしたらきょんちぃが『えっ?5はムリ。3で』と。賞レース獲りたいって言ってなかった?」
きょんちぃ「コント5はキツい。動きもあるし、言葉もあるじゃん。どっちかにしてくれないと」
すがちゃん「でもコントうまいよ、漫才はスゴいよ。とんでもない間でしゃべるから」
きょんちぃ「えーコント師になりましょう(笑)」
──小誌が求人誌なのでバイトの話も聞かせてください。
きょんちぃ「月に数回、今もカラオケバーで働いてます。給料が少ない月に慌てて、いっぱいお酒を飲めるし。バイトは居酒屋、パチンコ屋、キャバクラ、アパレルを。キャバクラはもともと神奈川の本厚木で働いていて上京後は居酒屋でバイトしてたけどもう一回キャバクラやろうと。歌舞伎町はガチすぎて頑張れないから池袋に行ったら客層とかボーイさんの感じが本厚木と近いものを感じて超やりやすいと思って」
信子「私は居酒屋、バー、レストラン、アパレル。バイトは3年前に辞めました。コロナが始まって家を出なくていいやと専業主婦みたいな生活になって貯金を切り崩して」
すがちゃん「リフォームや解体、建築の現場系を一番長くやりました」
きょんちぃ「仕事できなかったでしょ?使い物にならなかったと聞いてる」
すがちゃん「そいつもじゃない。圧倒的にパワーがなかったけど」
──AD時代はホントに使い物にならなかったというのは?
信子「生放送を終わらせたって聞いたよ」
すがちゃん「24時間生放送の通販番組で働いていて、ジュエリーの時って数字が取れるので頑張らなきゃいけない。担当外だったけど次の番組の準備をしている時に大きなパネルを階段の踊り場で火災報知機にぶつけてしまい、スタジオ中に音が鳴り響き売り上げはガクンと落ちて。知らないフリしたけど防犯カメラに映っていて」
信子「そういう時ってどういう感じで怒られるの?」
すがちゃん「10人ぐらい偉い役職の方と話して取り調べと同じ。他にも床を焦がしたり。全面張り替えで何千万円かかったという」
──今後の抱負、目標を最後に教えてください。
きょんちぃ「苦手なトーク番組を克服したいし、映画やドラマにも出てみたい。アニメの声優さん、意外と体を張る系もやりたい」
信子「今年は難しいかもだけど、冠番組が欲しい!好きなことができる冠番組を深夜帯から始めたい。あとはバラエティにずっと出続けていたいです」
すがちゃん「みんなに元気がないと言われるので個人的には明るく活発にやっていきたい。トリオとしてはレギュラー番組を持つのはもちろん『また番組に呼びたい』と思われるように心掛けて。あと僕らを観て元気になった、楽しい気分になったと言われることが最近増えてきたので、コイツらを観てたらイヤなことやストレスがどうでもよくなったと思われるようにこれからもやっていきたい」
INFORMATION
ぱーてぃーちゃん
21年にトリオ結成。ギャルとチャラ男のパリピ漫才&決めポーズを武器に人気芸人の仲間入りを果たす。「キングオブコント2023」参戦中。YouTube「ぱーてぃーちゃんの今夜はなにパ?」のチャンネル登録者数は9.5万人超。8月19日(土)丸ビルホールでの「WEL NEXT」、9月16日(土)茨城・取手市民会館での「爆笑!お笑いスーパーライブin取手~テレビで話題の人気芸人が取手に大集合!~」、9月18日(月・祝)イイノホールでの「ワタナベお笑いネタ祭り WEL FES 2023 supported by にしたんクリニック」、10月1日(日)Zepp Shinjuku(TOKYO)で開催されるイベント「土佐兄弟のぶちアゲ文化祭2023」に出演予定。
前)すがちゃん最高No.1(すがちゃんさいこうナンバーワン)
1991年8月21日生まれ 山形県山形市出身
公式Twitter
公式Instagram
右)信子(のぶこ)
1992年8月1日生まれ 大分県大分市出身
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公式Instagram
左)金子きょんちぃ(かねこきょんちぃ)
1993年9月19日生まれ 神奈川県藤沢市出身
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ぱーてぃーちゃん
21年にトリオ結成。ギャルとチャラ男のパリピ漫才&決めポーズを武器に人気芸人の仲間入りを果たす。「キングオブコント2023」参戦中。YouTube「ぱーてぃーちゃんの今夜はなにパ?」のチャンネル登録者数は9.5万人超。8月19日(土)丸ビルホールでの「WEL NEXT」、9月16日(土)茨城・取手市民会館での「爆笑!お笑いスーパーライブin取手~テレビで話題の人気芸人が取手に大集合!~」、9月18日(月・祝)イイノホールでの「ワタナベお笑いネタ祭り WEL FES 2023 supported by にしたんクリニック」、10月1日(日)Zepp Shinjuku(TOKYO)で開催されるイベント「土佐兄弟のぶちアゲ文化祭2023」に出演予定。
前)すがちゃん最高No.1(すがちゃんさいこうナンバーワン)
1991年8月21日生まれ 山形県山形市出身
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右)信子(のぶこ)
1992年8月1日生まれ 大分県大分市出身
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左)金子きょんちぃ(かねこきょんちぃ)
1993年9月19日生まれ 神奈川県藤沢市出身
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Interview&Text/立花みこと Photo/渋谷和花