「私と西村喜廣監督との“コラボ”は化学反応が起きて、衝撃的でインパクトの強い作品になっています。ユーモラスなシーンもありますので笑いながらご覧頂ければ」
“今一番脱げるシンガーソングライター”としてグラビアやテレビでも活躍中の藤田恵名さんが主演を務めた映画『WELCOME TOJAPAN 日の丸ランチボックス』が10月に「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2019」で上映。彼女の楽曲『言えない事は歌の中』のミュージックビデオを長編映画化した本作では、本格的アクションにも初挑戦している。作品の見どころを聞くと、撮影秘話が続々と!!
「メイクはめちゃくちゃ大変だったんです。メイクさんも未経験のメイク法だったので、テストの時は1時間半も掛かりました。メイク中は、いつも寝てしまうんですけど、撮影の終盤は30分寝て起きるとあのメイクに仕上がっていました(笑)髪型も最初は西村(喜廣)監督に『モヒカンと黒髪は、どっちがいい?』と聞かれまして。モヒカンは選べないので(笑)ブリーチしてから黒く染めました。その後、紙粘土で固めたんですけど、たぶん頭に乗せちゃいけないヤツです。メイクと紙粘土を落とすのも大変で、最初はスタッフさんがお風呂がある撮影場所を探してくれていたんです。でも、最終的にはメイクをしたままフードで顔と髪を隠して、家で落としていました」
「台詞がほぼない役でしたし、キカは敵にいつ狙われるか分からない職業に就いているので、演じる時はニラミをきかせることを常に意識しました。役に入り込みすぎて、街を歩いている人がエキストラさんに見えて大変だったほどです…。キカが笑わないという点でも、自分とは正反対です。私は、ばあちゃんに、『ニコニコしていたらいいことがある』と教えられていて、いつも笑っているので。歩き方も真逆です。私は小さい頃、自分の足を自分で踏んで転んでしまうほど内股だったんですけど、演じる時は男らしさを全面に押し出しました。主人公のキカを演じて、誰かを守りたいという強さと、料理ができるような女性らしさを兼ね備えた人になりたいな、と思うようになりました」
「自炊は全くしません。監督からクランクイン前に『料理が手際よくできるようになってほしい』と言われましたが、練習する時間がなくて。何とかなるだろうと現場入りしましたが、何ともなりませんでした。だから、引きの画は私ですが、手元アップの映像は女性スタッフさんが料理しています」
「ジブリ作品のように食事の描写が丁寧に描かれているのは、西村監督のこだわりだと思います。私は普段、偏食なのですが、監督の求めに応じられるよう、美味しく食べることを頑張りました」
「この曲も、苦しかった時期に完成させました。自分の名前を認知して頂けたぶん、アンチの方も増えて仕事面でも不安を抱えていたので。苦しい時は『この感情で1曲作って、お金に変えてやるぞ!(笑)』と意識を変換できるようになりました。以前は泣いていましたが、歌にしたいパワーにすることで、苦しみを解決できるようになったんです」
「ティーカッププードルを買ったつもりだったのにトッチャん、プードル並みに大きくなってしまいました。実家でも犬を飼っていていつかは、と思っていたんですけど、財力がなかったから実現できなくて。5年前と比べたら少しは稼げるようになったので、飼い始めました。男性と恋愛するよりも、今の私にはトッチャんが必要です。毎日、高いテンションで尻尾をブンブン振って『おかえり』と言ってくれて、『そんなに、美味しいの?』と思うほどご飯を出すと喜んでくれるので」
「世界的に評価されている西村監督と、“今一番脱げるシンガーソングライター”の藤田がコラボしたことで化学反応が起きて、衝撃的でインパクトの強い作品になっています。ただ、海外の方々には『この映画は私の思想ではありません!』と声を大にして言いたいです。監督もバランスを取って途中からユーモラスなシーンを増やしているので、笑いながらご覧頂ければと。特に最後の出血シーンは深刻に捉えないと、笑えると思います。もし海外の映画祭に参加できる機会があるなら、欲深くライブと抱き合わせて、自分を知って頂ける場にしたいです(笑)」
■映画『WELCOME TO JAPAN 日の丸ランチボックス』
INFO&STORY
2020年、日本では大東亜世界体育大会が行われようとしていた。日本にやってくる様々な国からの不良外国人から日本を守るため極右的組織に育てられた女殺し屋キカ(藤田恵名)に不良外国人抹殺の指令が下る。壮絶な殺しの世界の中で、あるアイドルの少女との出会いによりキカの内部で何かが変わっていく…。藤田の楽曲「言えない事は歌の中」のミュージックビデオを映画化。МVを手掛けた西村喜廣監督が、自らの手で長編劇映画へとバージョンアップさせた。
CAST&STAFF
出演/藤田恵名・屋敷紘子・サイボーグかおり・笹野
鈴々音・鈴木希実・鳥居みゆき
監督・原案・編集・キャラクターデザイン/西村喜廣
脚本/継田淳・西村喜廣 提供/キングレコード
配給/ブラウニー 協力/松竹
10月11日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネマスコーレ、シネ・リーブル梅田で開催の「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2019」にて上映
(C)2019キングレコード
PROFILE
藤田恵名(ふじた・えな)
1990年7月7日生まれ 福岡県出身
音楽シーンのみならず、タレントとしてテレビやグラビアなど多方面で活躍。16年8月に『EVIL IDOL SONG』で映画初出演・初主演を果たし、キングレコードから同名主題歌を含むミニアルバムで再デビュー。以降も精力的にライブ活動を行っている。映画出演作には『血を吸う粘土』『王様になれ』などがある。