実在する有名な心理実験を題材にとった密室サスペンス『プリズン13』が来たる8月30日より、いよいよ公開される。13年の『舟を編む』で、日本アカデミー賞最優秀脚本賞に輝いた鬼才・渡辺謙作監督のもとで「心身ともに追いこまれた」と語る主演女優・堀田真由さんに話を聞いた──。
心身ともに追いつめられた“監獄”での濃密な時間
──本作『プリズン13』は、過去に何度も映像化されてきた、かの“スタンフォード監獄実験”を題材にした密室劇。現場も緊迫感が漂ってそうです。「共演者のみなさんとは終始、和気藹々と。言葉のキャッチボールもわりとできましたし、12台のカメラで全体を俯瞰するように撮っていたので、舞台を演じるときのようなチームワーク感もありました。もっとも私自身は、監督からけっこう追いこまれたりもしましたけど……(苦笑)」
──具体的にどういった感じで?
「『全然伝わらない!』『そんなんじゃ、ここに来た意味分かんない!!』みたいな。でも、演じたマリは劇中でも追いこまれていく役どころなので、逆によかったなとは思ってます。私、主演は今回で3本目なんですけど、ここ最近は主人公をそばで支える、みたいな役が多くって。なので、意識がいつのまにか現場を盛りあげようというほうにばかりいってたんですね」
──強めの言葉も、主演の自覚を持ってほしいという、監督の親心だと?
「そうですね。ただ言われた通りにやるんじゃなく、自分がどうしたいかをもっと主張して来いと。ちょうど撮影の折り返しぐらいのときに監督に呼ばれて、直接言われましたからね。『主演になりきれてない』って。でもそこからはちゃんと自分から提案するようになって、監督にも『堀田は変わりました』ってコメントを頂けて。言われたときはさすがにグサッと来ましたけど、そのぶん、より責任感をもって現場に臨めたような気がしてます」
──ちなみに撮影は順撮りですか? 物語の展開を考えると、そうでないとなかなかしんどそうですが。
「そこは私からお願いして、順撮りにしてもらいました。お姉ちゃんに頼りっきりだったマリが、精神的に追いつめられながらも強くなっていくってお話なので、バラバラだと厳しいかなって。ただ、看守役に割り当てられている個室のシーンは最終日にまとめて別場所で撮ったので、そこだけはすごく大変でしたね。彼女の中での『もう無理!』って気持ちのピークが、あそこのシーンでもあったので」
──ご自身の意識が変わった影響もあるのか、後半のマリの変貌ぶりは、目覚ましいものがありましたね。キレイなワンツーで男子をKOしたりして。
「あれは現場でプロボクサーの方に教えて頂いてやったんです。でも、これまでアクションはほとんどやったことがなかったから、翌日はものすごい筋肉痛になっちゃって(笑)私にとっては、身も心もヘトヘトになった濃密な1週間でもありましたね」
制服を着られるうちは女子高生役も演じたいです
──堀田さんは現在、ドラマ『べしゃり暮らし』にも出演中。『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』に続き、また女子高生役ですね。「実はこの作品は『べしゃり~』と並行して撮っていて、たまたま同じ日に大泉の東映撮影所でバッティングしたことがあったんです。そのときは『私、今日は監獄なんです~』なんて言いながら戻ったんですけど、追いこまれていた私としては、見知った顔に出会えただけでもかなり救われて(笑)」
──マリのような20代前半の等身大な女の子と、少し年下の女子高生。どちらが演じやすいものですか?
「どちらが、というのはないですけど自分が通ってきた道を振り返って想像できるというのは強みでもあるので、制服を着られるうちは、まだまだ着たいなと。で、欲を言うなら、王道の恋愛モノを一度はやって、自分の苦手を克服してから“卒業”したい。あんまり王道すぎると気恥ずかしさが勝っちゃうので、できることなら心の声が多めのラブコメみたいなのが個人的にはいいですけど(笑)」
──では最後に、これから本作を映画館で観る読者にメッセージを。
「“Vtuber”って存在が出てきたり、ネットを介してつながる人間関係の怖さが描かれてたり、いまの世の中とも直接リンクする部分がすごくたくさんある作品だと思うので、きっと楽しんで頂けると思います。ちなみに看守役の女子の制服が短パンなのは、視聴率アップを狙った “Vtuber”ソフィアの目論みという設定。私自身は普段、ナマ脚をほとんど出さないので、それもレアかもしれません(笑)」
INFORMATION
■映画『プリズン13』
INFO&STORY
人気Vtuberソフィアの公開実験に参加することになった女子大生のマリ(堀田真由)。姉ユマ(板野友美)と義兄のコウキ(前野朋哉)は内容もよく知らないまま送り出す。実験現場に到着したマリが目にしたのは4メートル四方の巨大な監獄で、この公開実験では12人の被験者を看守と囚人に分けて、監獄生活を疑似体験させるという。7日間、この奇妙な部屋で看守になることになったマリ。次第に実験はエスカレートし、遂に死者が出てしまう……。1971年に実施された世界で最も邪悪な心理学実験として知られる“スタンフォード監獄実験”を基にした密室サスペンス。
CAST&STAFF
出演/堀田真由・中島健・岩井拳士朗・矢野優花・芹澤興人・宇野祥平・伊藤麻実子・立石晴香・岡部尚・宮下かな子・岡本智礼・近野萌子・前野朋哉・板野友美
監督・脚本/渡辺謙作
企画・配給/AMGエンタテインメント
8月30日(金)よりシネマート新宿・心斎橋ほか公開
公式HP
(C)2019「プリズン13」製作委員会
PROFILE
堀田真由(ほった・まゆ)
1998年4月2日生まれ 滋賀県出身
15年にWOWOWドラマW「テミスの求刑」でデビュー。以降、映画やドラマに多数出演。映画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』『超・少年探偵団NEO Beginning』『108 海馬五郎の復讐と冒険』『殺さない彼と死なない彼女』『ブラック校則』公開が控える。テレビ朝日系ドラマ「べしゃり暮らし」出演中。
公式Twitter
公式Instagram
■映画『プリズン13』
INFO&STORY
人気Vtuberソフィアの公開実験に参加することになった女子大生のマリ(堀田真由)。姉ユマ(板野友美)と義兄のコウキ(前野朋哉)は内容もよく知らないまま送り出す。実験現場に到着したマリが目にしたのは4メートル四方の巨大な監獄で、この公開実験では12人の被験者を看守と囚人に分けて、監獄生活を疑似体験させるという。7日間、この奇妙な部屋で看守になることになったマリ。次第に実験はエスカレートし、遂に死者が出てしまう……。1971年に実施された世界で最も邪悪な心理学実験として知られる“スタンフォード監獄実験”を基にした密室サスペンス。
CAST&STAFF
出演/堀田真由・中島健・岩井拳士朗・矢野優花・芹澤興人・宇野祥平・伊藤麻実子・立石晴香・岡部尚・宮下かな子・岡本智礼・近野萌子・前野朋哉・板野友美
監督・脚本/渡辺謙作
企画・配給/AMGエンタテインメント
8月30日(金)よりシネマート新宿・心斎橋ほか公開
公式HP
(C)2019「プリズン13」製作委員会
PROFILE
堀田真由(ほった・まゆ)
1998年4月2日生まれ 滋賀県出身
15年にWOWOWドラマW「テミスの求刑」でデビュー。以降、映画やドラマに多数出演。映画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』『超・少年探偵団NEO Beginning』『108 海馬五郎の復讐と冒険』『殺さない彼と死なない彼女』『ブラック校則』公開が控える。テレビ朝日系ドラマ「べしゃり暮らし」出演中。
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撮影◎おおえき寿一 取材・文◎鈴木長月
スタイリング◎山本隆司 ヘア&メイク◎池上豪
スタイリング◎山本隆司 ヘア&メイク◎池上豪