15年公開の映画『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』でデビュー作ながら役作りのため15キロ増量し女優魂を魅せつけた富田望生さんが出演する初舞台『ハングマン HANGMEN』が東京、豊橋、京都、北九州で公演決定。生まれ故郷の福島県が東日本大震災に遭い上京。お芝居をするからには福島のみなさんに元気な姿を見てもらいたいと、唯一無二の存在感を放つ芝居でキャリアを重ねる富田さんが語る作品の魅力とは――。
「反抗期だからよろしくね」15歳の時母に伝えました(笑)
──舞台出演はデビュー当時からの念願だったそうですね。「デビュー作(『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』)の撮影で成島出監督から教えて頂いていたんです。私の母親役を演じてくださった池谷のぶえさんのお芝居をきちんと見ておきなさいと。撮影中はもちろん撮影後、池谷さんの舞台を観劇させて頂いて、とても輝いていらしたのが印象的で。いつか私もその時の池谷さんと同じ、世田谷パブリックシアターに絶対に立ちたいと思っていました」
──演出は数多くの受賞歴を誇る、日本演劇界注目の長塚圭史さんです。
「長塚さんにお会いして思ったんです。私はこの作品のシャーリー役に出会うために、今まで舞台にご縁がなかったのかなって。オーディションの時から『この台本のもっと先まで演じたい』と感じていたので、受かったと聞いた時は嬉しかったし驚きました。マネージャーさんからランチに誘って頂き食事をしながら話を聞いたのですが、何を食べたか覚えていないほどです」
──シャーリーは反抗期真っ只中。ご自身が15歳だった頃は。
「デビューした年齢でしたが、私も反発していた時期でした。ハッキリと自覚していたので母に『反抗期だからよろしくね』と、事前に断りを入れておいたんです(笑)でも、このお仕事を始めてすぐに終わりました。大勢の大人のみなさんに囲まれてお仕事をしたら、母が注いでくれる愛情に感謝の気持ちを持つことができるようになったんです。親に反抗するべきじゃないなと反省して、『反抗期が終わりました』と報告しました(笑)」
大人の皆さんの中に子供が1人その違和感が面白さに繋がれば
──役作りはどのように?「シャーリーはアイリッシュパブを経営する両親の元で育った女の子なので、母とマネージャーさんに連れて行ってもらいました。私は18歳でまだお酒が飲めないから、紅茶を飲みながらお酒に酔う大人たちをカウンターに座って観察したんです。飲み物でいうとシャーリーは、お砂糖を2つ入れる甘い紅茶が好きなんです。私は普段、無糖かガムシロップ半分ぐらいなので飲んでみたら甘くて。『こんなに甘い飲み物が好きなんて、シャーリーは可愛い女の子だな』と思いました」
──富田さんは、20歳になったらお酒を飲んでみたいですか。
「飲みたいです。『とりあえずビール!』と言ってみたい(笑)地元の福島に元イタリアンのシェフが開いている、頼めば何でも作ってくれるお店で最初は挑戦してみたいです」
──改めて舞台のPRもお願いします。
「シャーリーは大人のみなさんの中に1人だけいる子どもなので、いい意味で違和感となり、それが作品の面白さにつながるとうれしいです。ほかの人にシャーリーを演じてほしくないほど好きな役なんです。みなさんにも15歳の頃のご自身を思い出して頂けるよう演じたいです」
──本作を含め女優としてのキャリアを着々と積んでいますが、今後の目標は。
「こういう女優さんになりたいという目標像はなくて、主演や受賞をゴールにするのもイヤなんです。今までも今回の役も、今の私にしかできない役。毎回新鮮な気持ちで役に向き合い、作品として残していきたいです。過去の作品を観ると『今の自分だったらこう演じるだろう』という反省点は沸き上がりますけど、あのお芝居があの瞬間の私の精一杯だったとも思えるんです。だから常に全力でお芝居をして、納得してから次に進んでいけるような自分でいたいですね」
INFORMATION
■舞台『ハングマン HANGMEN』
INFO&STORY
16年にローレンス・オリヴィエ賞を受賞したマーティン・マクドナーの最新戯曲が、「ウィー・トーマス」「ピローマン」「ビューティー・クイーン・オブ・ リナーン」でマクドナー作品を手掛けた長塚圭史と、数多くのマクドナー作品を翻訳・演出してきた小川絵梨子の初タッグで日本初上陸!イングランドを舞台としたスリリングな物語で田中哲司、秋山菜津子、大東駿介、宮崎吐夢、大森博史、富田望生、三上市朗、羽場裕一ら個性豊かなキャストが勢揃いし、マクドナーの世界観を彩る。
CAST&STAFF
出出/田中哲司・秋山菜津子・大東駿介・宮崎吐夢・大森博史・長塚圭史・市川しんぺー・谷川昭一朗・村上航・富田望生・三上市朗・羽場裕一
作/マーティン・マクドナー 翻訳/小川絵梨子 演出/長塚圭史 企画製作/株式会社パルコ
公式HP
東京公演は5月16日(水)から5月27日(日)まで世田谷パブリックシアターで。豊橋、京都、北九州公演も。
PROFILE
富田望生(とみた・みう)
2000年2月25日生まれ 福島県出身
15年に『ソロモンの偽証』で映画デビュー。近年の主な出演作に映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』『あさひなぐ』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(8月31日公開)、ドラマ「宇宙を駆けるよだか」(今夏より放送)など。本作で初舞台を飾る。
公式Twitter
公式Instagram
■舞台『ハングマン HANGMEN』
INFO&STORY
16年にローレンス・オリヴィエ賞を受賞したマーティン・マクドナーの最新戯曲が、「ウィー・トーマス」「ピローマン」「ビューティー・クイーン・オブ・ リナーン」でマクドナー作品を手掛けた長塚圭史と、数多くのマクドナー作品を翻訳・演出してきた小川絵梨子の初タッグで日本初上陸!イングランドを舞台としたスリリングな物語で田中哲司、秋山菜津子、大東駿介、宮崎吐夢、大森博史、富田望生、三上市朗、羽場裕一ら個性豊かなキャストが勢揃いし、マクドナーの世界観を彩る。
CAST&STAFF
出出/田中哲司・秋山菜津子・大東駿介・宮崎吐夢・大森博史・長塚圭史・市川しんぺー・谷川昭一朗・村上航・富田望生・三上市朗・羽場裕一
作/マーティン・マクドナー 翻訳/小川絵梨子 演出/長塚圭史 企画製作/株式会社パルコ
公式HP
東京公演は5月16日(水)から5月27日(日)まで世田谷パブリックシアターで。豊橋、京都、北九州公演も。
PROFILE
富田望生(とみた・みう)
2000年2月25日生まれ 福島県出身
15年に『ソロモンの偽証』で映画デビュー。近年の主な出演作に映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』『あさひなぐ』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(8月31日公開)、ドラマ「宇宙を駆けるよだか」(今夏より放送)など。本作で初舞台を飾る。
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撮影◎おおえき寿一 取材・文◎内埜さくら