全編モスクワロケを敢行しながらもロシア国内で上映規制。国境を超えたWヒロインの衝撃デビュー作でもある映画『LAIKA-ライカ-』が2月17日より公開。本作で「第12回ロサンゼルス日本映画祭」最優秀新人賞を受賞した女優の宮島沙絵さんが撮影秘話とLGBTを語り尽くす!
二ヶ国語で会話できて映画の2人より意思疎通したかも!?
──本作で初めてヌードを披露していますが、演じた感想は。「昔からハリウッド女優が脱いでいるのを観てきているので何とも思いませんでしたが、台本を読んだ時は『何だコレは!?』というのが第一印象でした(笑)演じたライカがレズビアンであることも、言動も自分とはかけ離れた世界だったことも」
──では役作りはどのように?
「今関(あきよし)監督から参考になると教えて頂いた映画『アデル、ブルーは熱い色』を観てレズビアンという枠にとらわれず、海外の人が自由に恋愛している姿を学びました。役作りに関しては、ライカが遠いところをずっと見ていて掴めないイメージだったので、現場ではボーッと何も考えずにいることを心掛けました。普段の自分は缶コーヒー1本を買うにも『本当に必要か』と考え込んでしまうタイプなので、真逆だったんです」
──監督の演出はいかがでした。
「とにかく優しくして頂きました。宇宙遊泳するシーンがあるんですけど私、かなり下手で。でも監督は『そのデキなさがいい!』と褒めてくれるんです」
──Wヒロインの女優さんにもかなり助けられたそうですが。
「発音や台詞への感情の乗せ方について、何度も相談に乗ってもらいました。最終的には私が日本語で話しかけるとクセーニア(・アリストラートワ)がロシア語で答えることもあったんです(笑)ある意味、ライカとユーリャよりも意思疎通できていたかもしれません」
──ライカはユーリャの妹的存在感を放ちますが、ご自身は?
「兄3人がいる4人兄妹の末っ子です。たまに誘われた買い物についていくと何か買ってくれたり、あの手この手で甘やかしてもらっています(笑)」
LGBTが題材で愛情はもちろん母への思いも描かれています
──劇中、ユーリャは浮気しますが、ご自身に当てはめるなら。「ライカは恋人の浮気現場を目の当たりにしてしまうんですよね…。私、浮気は絶対にNGです。浮気する人は許しても、もう一度同じことを繰り返しそうですから」
──ロケ地ロシアの感想も。ソ連時代の集合住宅コムナルカで撮影した印象を教えて下さい。
「ロシアに詳しい人によると、残っている建物のほうが珍しいらしいんです。確かに古くて、プライベートで住むには無理かもしれないと思いました。台所が共同で決められたゾーンにしか私物を置けないし、お風呂も共同というのがちょっと…」
──あの浴室、寒そうですし。
「あ、伝わっちゃいましたか?(笑)しかも途中でお湯が出なくなってしまったんです。私があたふたしていたらクセーニアが『こうやってお湯をかけ合いっこするんだよ』とお湯をかけてくれたので、文化の違いを実感しつつ寒さをしのぎました」
──撮影は冬でしたし。
「16年の3月末から4月頭にかけて撮影しました。橋の上でリボンを結ぶシーンとか外での撮影は、油断したら死ぬと思うほど寒かったです(笑)でもまた行きたいと思えるほど、ロシアが大好きになりました」
──いい作品に巡り会えたということでしょうね。
「美術館のような地下鉄の構内や風景…映像美をぜひ感じて頂きたいです。LGBTという、ロシアでは推奨できない題材がテーマではありますが、深く強い愛情表現は性別や年代を超えて伝わると思うので。愛だけではなく、ライカとユーリャ2人の母に対する思いは『親とこういうことってあるよね』という心情も描かれていて、共感できると思います。女性はもちろん、男性にもぜひ観て頂きたいです」
INFORMATION
■映画『LAIKA-ライカ-』
INFO&STORY
天真爛漫で自由奔放な日本人の女性ライカと、モスクワで女優を目指すロシア人女性ユーリャとの友情を超えた奇妙な愛情関係。モスクワの小さな部屋で一緒に暮らす2人の濃密な時間。その関係は突然起きた《とある事件》をきっかけに大きく歯車が狂っていく…。「クレヴァニ、愛のトンネル」の今関あきよし監督が、日本人女性とロシア人女性の友情を超えた奇妙な愛情関係をロシア・モスクワでオールロケを敢行して描いた。
CAST&STAFF
出演/宮島沙絵 クセーニア・アリストラートワら
監督/今関あきよし 脚本/いしかわ彰 配給/アイエス・フィールド
公式HP
2月17日(土)新宿K’s cinemaにてロードショー
(C)2016“LAIKA” Film Partners
PROFILE
宮島沙絵(みやじま・さえ)
1994年2月3日生まれ 東京都出身
『転人』『五右衛門烈風伝~100万両の金魚~』など舞台に多数出演。映画会社アイエス・フィールドのワークショップで演技の基礎を学び、『ライカ-』のオーディションでライカ役を射止め、本作で映画デビュー。「第12回ロサンゼルス日本映画祭」で最優秀新人賞を受賞した。
公式Twitter
公式Instagram
■映画『LAIKA-ライカ-』
INFO&STORY
天真爛漫で自由奔放な日本人の女性ライカと、モスクワで女優を目指すロシア人女性ユーリャとの友情を超えた奇妙な愛情関係。モスクワの小さな部屋で一緒に暮らす2人の濃密な時間。その関係は突然起きた《とある事件》をきっかけに大きく歯車が狂っていく…。「クレヴァニ、愛のトンネル」の今関あきよし監督が、日本人女性とロシア人女性の友情を超えた奇妙な愛情関係をロシア・モスクワでオールロケを敢行して描いた。
CAST&STAFF
出演/宮島沙絵 クセーニア・アリストラートワら
監督/今関あきよし 脚本/いしかわ彰 配給/アイエス・フィールド
公式HP
2月17日(土)新宿K’s cinemaにてロードショー
(C)2016“LAIKA” Film Partners
PROFILE
宮島沙絵(みやじま・さえ)
1994年2月3日生まれ 東京都出身
『転人』『五右衛門烈風伝~100万両の金魚~』など舞台に多数出演。映画会社アイエス・フィールドのワークショップで演技の基礎を学び、『ライカ-』のオーディションでライカ役を射止め、本作で映画デビュー。「第12回ロサンゼルス日本映画祭」で最優秀新人賞を受賞した。
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撮影◎おおえき寿一 取材・文◎内埜さくら