最近、世間でたびたび話題になるＡＶ業界がテーマの映画『名前のない女たち うそつき女』が２月３日から公開される。主演の吹越満さんが演じたルポライター志村篤と対峙する企画ＡＶ女優の前田葉菜子役を演じた城アンティアさんは本作で一糸まとわぬ姿を初披露。ハダカになることへの覚悟や作品への思い、私生活の驚きエピソードを聞いた。
──劇中で魅せた初のヌードシーンは、体当たりでしたね！
「事前に脱ぐことは聞いていましたし自分で応募したのに、決まってから数日間は逃げ出したい思いでいっぱいでした（笑）でも、どうあがいても撮影日は来てしまう、逃げることはできないと悟った瞬間に『やってやろう！』と覚悟を決めることができたんです」

──原作を読んだ上でオーディションを受けたのでしょうか。
「それが…いまだに読めていないんです。私が寄った書店では売っていなかったので、持っているという友だちに借りようと思ったら見つからないと言われて。でも今ってネットで買えるらしいですね。私、かなり機械オンチなんです。ネットショッピングをしたこともないし、フリック入力も苦手。インスタもいまだに意味が分からなくて。もっとネットを使いこなせていたら、買えたかもしれないのに…読めなくて後悔しています」

──では役作りはどのように。
「企画ＡＶ女優という職業よりも葉菜ちゃん（前田葉菜子）の内面に目を向けました。彼女はすごくピュアな可愛いコで、意外と金銭感覚が家庭的で慎ましく暮らしているんです。さらに妹思いで、人ときちんと向き合いながら生きている普通の女のコという印象を持ちました」

──城さんは、ごきょうだいは？
「私は四姉妹の末っ子で、姉たちとはすご～く歳が離れているんです。長女が47歳、次女が45歳、三女が40歳で私が26歳。私が大人になる頃には3人とも実家にいなかったから、私は一人っ子のような感覚で育ちました。だから今回、人生で初めて妹を持ったんです。（円田はるかさん演じる）妹の明日香にお弁当を手渡すシーンでは、『お姉ちゃんってこんな感じなんだ』と思うと同時に、姉にとって妹って時に面倒な存在なんだなと実感しました。あの時、明日香に『ちゃんとして！』と思いましたから（笑」

──葉菜子の彼氏、将人も「ちゃんとして！」という存在では。
「仕事をしていない点だけは個人的に無理ですね。たとえ家事ができても2～3ヶ月の同棲が限界。イラッとすると思います。でも葉菜ちゃんにとって将人は唯一の頼れる存在で、彼も人間として彼女をしっかりと受け止めているんです。しかもお互い精神的に自立している上で、どちらの色にも染まらずお互いを求め合っている。ああいう関係を築くのは難しいはずだから最高だし憧れます」

──志村篤役の吹越満さんと共演した感想はいかがでしたか。
「普段は物静かで周りの方にも優しいんですけど、本番になると今の私では分からない何かが変わるんです。食卓で向き合って話すシーンでは迫力に圧倒されて、手汗をびっしょりかきました（笑）あのシーンと濡れ場を撮影初日と２日目で撮ったのでサトウ（トシキ）監督から『濃厚なシーンを先に撮ったから演じやすくなって逆によかったんじゃない？大変だったろうけど』と言われました」

──確かに、あの濡れ場は大胆で驚きました！
「サラリとではなく思いっきり脱いでいますからね。葉菜ちゃんは母親との確執があって、愛情に飢えているのを描くため、ＡＶで脱ぐシーンよりプライベートのヌードシーンのほうが多めなんです。だから単なるエロいヌードではありません！（笑）監督の考えもあるとは思いますが、私としては葉菜ちゃんの素直で可愛らしい、本質的な性格を知った上で作品を楽しんで頂けたらこれ以上うれしいことはないですね」