10月クールの日本テレビ系ドラマ『ブラックリベンジ』に芦原咲良役として出演中の女優岡野真也さんが、内山理名さんとW主演を務めている映画『ゆらり』が11月4日から公開。西条みつとし氏の大人気舞台を映像化した本作。感動的すぎるラストシーンで締めくくられる秀作に懸けた想いやご自身の家族関係を語ってくれた。
映画で泉凛香役を演じてみて
家族に対する気持ちに変化が…
──いきなりですがラストシーンは、号泣してしまいました…。「凛香が母親特製のカレーを食べるシーンですよね。舞台をご覧になった方は期待していると思いますし私自身も印象的なシーンだったので、プレッシャーを感じていたんです。でも、母親役の鶴田真由さんがあの優しく包み込むような目ですべて受け止めてくださいました。おこがましいかも知れませんが鶴田さん、私の母の若い頃に少しだけ似ているんです」
──岡野さんはお母様似ですか。
「昔は父に似ていると言われていましたが、最近は、母親似と言われることが増えましたね」
──家族を描いた作品ですが、岡野さんご自身の家族関係は?
「この作品に出演してから、家族に対する気持ちが変わりました。元から両親同士は仲良しですし、高3と高1の弟2人もいいコだから関係は円満でしたけど、私は思春期に親に反抗していたので。でも今回、母親役を演じたら親の気持ちが少しは分かるようになったというか。『親も含めてみんな人間なんだな』と考えられるようになったんです。だから最近、母が甘えてきても笑って見逃しています」
──甘え方はどんなふうに?
「私が栃木の実家に帰ると、お酒を飲みながらずっと話し続けるんですよ。そこにはたまに愚痴も含まれていたりします」
──愛らしいお母様ですね。岡野さんも母親役を演じましたが。
「初めてでしたけど娘役のゆかりを演じた筧礼ちゃんが可愛くて癒やされました。撮影初日に頂いたお手紙、今でも大切に保管してあるんです。イラストと、『真也ちゃんよろしくね』としか書いていないんですけど、愛おしくて。礼ちゃんといい、未来篇に出演している高橋幸聖くんといい、ものすごく素敵なお芝居をしているんです。子どもには勝てないと改めて実感しました…ずるいなって(笑)」
現在・未来・過去という順を
ラストで観て驚いて頂ければ
──好きなシーンを教えてください。「これも礼ちゃんのシーンなんです。隠れていた押入れから出てきて、ひと言『嘘だよ』と言うんですけど、あの言い方が絶妙すぎるので、やっぱりずるいなと」
──横尾初善監督も本作には並々ならぬ思いをお持ちだとか。
「舞台の初演をご覧になって感動し、ご自身の長編第一作目はコレだと思ったらしいんです。というのも横尾監督は母子家庭で育ったそうで、撮影に入る前にお話しさせて頂いた時もお母様への愛を語ってくれました。ただ、舞台を映像の脚本に書き換えるのはかなり大変だったともおっしゃっていました」
──本作は時を越えて家族関係を描いていますが、岡野さんが時を越えて会いたい人はいますか?
「アーティストの赤瀬川原平さんです。以前エッセイを読んだら、思いつきで千円札を印刷して逮捕されてしまい、裁判で『これは芸術だ』と主張したと書いてあったんです。印刷したのが今の私と同じ23~24歳だったらしいので、理由を聞いてみたいなと」
──さすが日頃から芸術に触れているだけありますね。最後に、改めて映画の魅力を教えて頂けますか。
「家族への手紙のような映画で、家族のことを思い直すきっかけになるような作品です。ご家族と遠くに住んでいる方は観たら連絡したくなるかもしれません。実際、試写をご覧になった方から『観た当日に、親に電話をした』という報告も頂きました。私自身も家族をもっと大切にしたいと思えましたし、この作品のことを考えるたびに心が柔らかくなります。描かれる順番が現在、未来、過去という理由もラストで分かるので劇場で感動しつつ驚いてください」
INFORMATION
■映画『ゆらり』
INFO&STORY
仕事に忙しい母親に構ってもらうため、父親と狂言誘拐を計画する娘。神様の存在を信じる息子を育てるシングルマザー。女優を諦めて実家の旅館に帰ってきたが、母親との折り合いが悪い娘。不思議な注意書きが書かれたリモコンによって現在、未来、過去で描かれる3つの家族の出来事にささやかな奇跡が生まれていく……。石川県の老舗旅館を舞台に「あの時、伝えられなかった思い」を抱えた人びとが、時を超えて家族の絆を取り戻す様を描いたヒューマンドラマ。
CAST&STAFF
出演/岡野真也・内山理名・戸次重幸・萩原みのり・山中崇・遠藤久美子・平山浩行・渡辺いっけい・鶴田真由監督/横尾初喜 原作・脚本/西条みつとし(TAIYO MAGIC FILM) 配給/ベストブレーン
公式HP
11月4日(土)より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開
(C)2017 映画「ゆらり」製作委員会
PROFILE
岡野真也(おかの・まや)
1993年2月22日生まれ 栃木県出身 近年の主な出演作に映画『飛べないコトリとメリーゴーランド』『図書館戦争-THE LAST MISSION-』『下衆の愛』『あさひなぐ』、ドラマ「ボク、運命の人です。」など。日本テレビ系「ブラックリベンジ」、NHK「おとなの基礎英語」出演中。
公式ブログ
■映画『ゆらり』
INFO&STORY
仕事に忙しい母親に構ってもらうため、父親と狂言誘拐を計画する娘。神様の存在を信じる息子を育てるシングルマザー。女優を諦めて実家の旅館に帰ってきたが、母親との折り合いが悪い娘。不思議な注意書きが書かれたリモコンによって現在、未来、過去で描かれる3つの家族の出来事にささやかな奇跡が生まれていく……。石川県の老舗旅館を舞台に「あの時、伝えられなかった思い」を抱えた人びとが、時を超えて家族の絆を取り戻す様を描いたヒューマンドラマ。
CAST&STAFF
出演/岡野真也・内山理名・戸次重幸・萩原みのり・山中崇・遠藤久美子・平山浩行・渡辺いっけい・鶴田真由監督/横尾初喜 原作・脚本/西条みつとし(TAIYO MAGIC FILM) 配給/ベストブレーン
公式HP
11月4日(土)より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開
(C)2017 映画「ゆらり」製作委員会
PROFILE
岡野真也(おかの・まや)
1993年2月22日生まれ 栃木県出身 近年の主な出演作に映画『飛べないコトリとメリーゴーランド』『図書館戦争-THE LAST MISSION-』『下衆の愛』『あさひなぐ』、ドラマ「ボク、運命の人です。」など。日本テレビ系「ブラックリベンジ」、NHK「おとなの基礎英語」出演中。
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撮影◎佐々木和隆 取材・文◎内埜さくら ヘアメイク/宇賀理絵 スタイリスト/瀬川結美子