【取材こぼれ話】「he Person’s Vibration 教えてパイセン!直撃インタビュー!!」は榊英雄さん
◆登場人物は誰も悪くない部分も印象的でした。「悪人とクセのある人物が登場する作品が一般的だとすれば、この作品には悪人が出てくるわけでもないし、突飛なアクシデントが起こるわけでもない。でも実は自主映画時代、僕はこのテイストばかり撮っていたんです。だから、商業映画を撮らせて頂いてから初めて、シンプルな自分のベースに戻った作品とも言えますね」
◆「映画には妻と当時2歳半だった娘も出演しています。(石橋)蓮司さんが中目黒の橋の上で話しかけた親子役です。娘はもう9歳ですよ。時が経つのは早いな、と思いました」
◆「蓮司さん扮する父親は元教師で今は年金暮らしという設定。回想シーンでははっきりとは描かず、何となくこんなことがあったんだ、程度に留めました。あまり台詞で説明せず、できる限りシンプルにして、淡々と流れをつないでいく作風が好きなんです」
高橋克典さんの主演映画『誘拐ラプソディー』やドラマ『侠飯〜おとこめし〜』をヒットに導いた、俳優としても活動する榊英雄監督。ややダークな作風を手掛けることで有名だが、1月14日公開の映画『トマトのしずく』では、鑑賞後に家族へ思いを馳せたくなるような、心温まる作品でメガホンを執った。実はこのテイストがご自身の原点だと語る、作品へ込めた思いとは。さらに、今年もヒット作を連発しそうな勢いに乗る榊さんが苦悩した時期をヒントに、夢をつかみ取る方法と人間関係の構築方法も聞いてみると――。