声を失った女の子と、ちょっとワルな男の子の純愛。そんな王道ともいえる映画『夏ノ日、君ノ声』が10月24日から公開。生まれながらの難病を患うヒロイン高代舞子役を演じたのは、荒川ちかちゃん。雑誌『ピチレモン』の専属モデルや女優として活躍する“ボクっ娘”(=一人称に「ボク」を用いる女性)にインタビューしました。
キュンキュンが沢山詰まったベタベタの恋愛青春映画です
──ヒロインを演じた作品をご覧になっていかがでしたか?「ベタベタの恋愛映画で、キュンキュンがいっぱい詰まってました! 間接キスとか自転車で二人乗りするとか、演じている時はまったく恥ずかしくなかったんですけど、改めて映像で観ると、青春映画だなって。だけどさすがに、舞子ちゃんがクルッと一回転して、デート用に着た洋服をてっちゃん(葉山奨之さん演じる戸上哲夫)にほめてもらおうとする演技は恥ずかしかったですね。『どう? かわいい?』と、目で訴えなければならなかったので」
──荒川さんにとって初となる、あのシーンも恥ずかしかったですか。
「恥ずかしいというより、葉山クンと2人で憂鬱なオーラを出してました(笑)3~4回撮影したのに、本編では一度しか映らないから驚きましたけど。海辺で寝転んでいたから、ワンピースと口の中に砂が入ってきて、本当に大変だったんですよ」
──耳が聞こえず、言葉も話せない役作りも大変だったのでは。
「監督から、幻想的で美しい作品にしたいと言われていましたし、手話も使わないので、演じる前にたくさん情報を仕入れすぎてはダメだ、という前提があったから、動画を観るぐらいでした。それよりもボク、話すことが大好きだから、声を出せないことがすごく辛くて。だからカットがかかると反動で、しゃべりまくってましたね」
──手話を用いないから、筆談が多めなんですよね。
「現場では『ちかちゃん、字が下手!花丸も何か違う』とからかわれてました。ユカ役の(古畑)星夏ちゃんがすごく上手だから、余計に。筆談でてっちゃんに片思いしてるユカちゃんが舞子ちゃんに、『住む世界が違う』と伝えるんですけど、言ってることは正しいんですよね。だけど、舞子ちゃんは諦めない。強い女の子だと思いました」
何年経っても見返すであろうボクにとっても特別な作品!
──撮影で思い出に残っていることは何ですか?「静岡で泊まり込みの撮影だったから、星夏ちゃんとナース役を演じた(木之江)祐希さんと、同じ部屋に泊まったことです。祐希さん、『君たちはまだ未成年だからダメよ』と言って、一人でお酒を楽しんでいました(笑)役の上でもプライベートでも本当に頼りになるお姉さんで、筆談するシーンでは、ハートを書いて和ませてくれたんです。物語の中でも、ものすごくいい味を出していて、てっちゃんと舞子ちゃんをつなぐ重要な役どころになっているんです」
──あの場面も青春を想起させますが、作品の魅力をアピールするなら?
「ピュアな初恋を描いた青春映画なので、ボクと同世代はもちろん、年上の方が見てもシンプルに刺さると思います。まだ恋をしたことがないボクが観ても、『こんな恋愛してみたいな』と感じるほど、うらやましかったですから。映画館でエンドロールを眺めながら、恋する人を思い出してほしいし、昔はこんな恋をしたこともあったな、と、考えてくれたらうれしいです」
──映画では初めて恋愛ものに出演しましたが、荒川さんにとってどんな作品になりそうですか。
「最近は、事件に巻き込まれたり、暗い性格の役を演じる機会が多かったので、こんなに可愛らしいヒロインを演じることができて最高にうれしかったです。恥ずかしいシーンが満載で、口を見て言っていることを判断するため、(葉山)奨之クンにかなり顔を近づけるシーンも照れましたけど、きっと何年経っても見返すような、特別な作品ですね」
INFORMATION
■映画『夏ノ日、君ノ声』
INFO&STORY
ケンカで入院をした哲夫(葉山奨之)は、入院先の病院で生まれながらの難病のため耳も聞こえず、言葉も話すことができない舞子(荒川ちか)と出会う。哲夫と舞子は、音声補助装置やメモ帳などでコミュニケーションを取りながら次第に心を通わせ、お互いに淡い恋心を抱き始めていく。誕生日に外出許可が出た舞子から、行きたい場所があることを告げられた哲夫は、舞子を喜ばせようとその日を待ち望むが、徐々に舞子の体に病魔の影が迫っていた…。NHK連続テレビ小説「まれ」で主人公の弟・津村一徹役を演じた葉山奨之の映画初主演作。不良少年と難病を抱える少女との切ない恋模様を描く。
CAST&STAFF
出演/葉山奨之・荒川ちか・古畑星夏・木乃江祐希・影山樹生弥・柾木玲弥・五十嵐健人・大串有希・小菅雅乃・松本若菜・大口兼悟・永倉大輔・菊池麻衣子
監督・脚本/神村友征
配給/ユナイテッドエンタテインメント
公式HP
10月24日(土)から東京・角川シネマ新宿ほかで公開
(C)「夏ノ日、君ノ声」製作委員会
PROFILE
荒川ちか(あらかわ・ちか)
1999年7月29日生まれ
神奈川県出身
11年公開のロシア映画「ヤクザガール 二代目は10歳」でルーマニアの「コメディ・クルージュ国際映画祭」にて最優秀主演女優賞を受賞。山田洋次監督50周年記念映画「東京家族」出演も話題を呼んだ。近年の主な作品に、映画「おおかみこどもの雨と雪」「迷宮カフェ」、ドラマ「幽かな彼女」「明日の光をつかめ-2013 夏-」がある。雑誌「ピチレモン」専属モデルとしても活動している。
公式HP
公式ブログ
■映画『夏ノ日、君ノ声』
INFO&STORY
ケンカで入院をした哲夫(葉山奨之)は、入院先の病院で生まれながらの難病のため耳も聞こえず、言葉も話すことができない舞子(荒川ちか)と出会う。哲夫と舞子は、音声補助装置やメモ帳などでコミュニケーションを取りながら次第に心を通わせ、お互いに淡い恋心を抱き始めていく。誕生日に外出許可が出た舞子から、行きたい場所があることを告げられた哲夫は、舞子を喜ばせようとその日を待ち望むが、徐々に舞子の体に病魔の影が迫っていた…。NHK連続テレビ小説「まれ」で主人公の弟・津村一徹役を演じた葉山奨之の映画初主演作。不良少年と難病を抱える少女との切ない恋模様を描く。
CAST&STAFF
出演/葉山奨之・荒川ちか・古畑星夏・木乃江祐希・影山樹生弥・柾木玲弥・五十嵐健人・大串有希・小菅雅乃・松本若菜・大口兼悟・永倉大輔・菊池麻衣子
監督・脚本/神村友征
配給/ユナイテッドエンタテインメント
公式HP
10月24日(土)から東京・角川シネマ新宿ほかで公開
(C)「夏ノ日、君ノ声」製作委員会
PROFILE
荒川ちか(あらかわ・ちか)
1999年7月29日生まれ
神奈川県出身
11年公開のロシア映画「ヤクザガール 二代目は10歳」でルーマニアの「コメディ・クルージュ国際映画祭」にて最優秀主演女優賞を受賞。山田洋次監督50周年記念映画「東京家族」出演も話題を呼んだ。近年の主な作品に、映画「おおかみこどもの雨と雪」「迷宮カフェ」、ドラマ「幽かな彼女」「明日の光をつかめ-2013 夏-」がある。雑誌「ピチレモン」専属モデルとしても活動している。
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撮影◎おおえき寿一 取材・文◎内埜さくら