「知ってる役者がいないし、無関係の人たちの話だから観に行く理由のない映画ですけど(笑)間違いなく面白いモノを作ったという自信は100%あるんでぜひ、複数人で観ることをオススメしたいです」(大根)
「トモコと自分は別人だと思って演じたんですけど、友だちから『あれ、若井の素だろ?』って言われました(笑)」(若井)
「下品でブスなユウコを演じたら『ユウミはブスじゃないよ』って励まされたんです(笑)」(後藤)
「知人から『サトミって昔のクニちゃんじゃん』と言われました。『浮気してない証拠に写メ送って』なんて言うタイプじゃないのに~」(國武)
「私はカオリのように反動でほかの人とエッチなんて絶対にしませんけど(笑)本音に近いところで演じました」(柴田)
『モテキ』で長編映画初メガホンを執った大根仁監督の最新作は、ゲスでエロくてDQNな恋愛模様を描いた『恋の渦』。部屋コンに集まったチャラ男とギャル男女9人の恋物語と聞いて「興味ナシ」と判断するのは早計で、次第に世界観に引き込まれて「こういうのってあるある!」とうなずいてしまう秀作だ。Twitterで話題が沸騰し、限定上映ではインディーズ映画にも関わらずチケット売り切れ&立ち見続出した本作が遂にロードショー公開!
──監督はどこに魅力を感じて4人を起用したのでしょうか?
大根「彼女たちを前に言うのも何ですけど、この作品のテイスト上、あまり名前の知られていない、匿名性のある役者を使いたかったんですね。で、ワークショップの時に立候補制でこの映画の役を演じてもらって、一番雰囲気のあるコに決めました。匿名性を重視したんで、オレはいまだに彼女たちの本名も知らないんですけど(笑)」
4人「ひどーい! 悲しい!」
大根「ただ、ユウコ役だけはイレギュラーで、本当は別のコでやる予定だったんですけど、撮影2日前に逃亡されてしまい急遽、お願いしたんです」
後藤「“下品なブス”を演ってくれとお願いされました(笑)」
──役とご自身の相違をそれぞれ教えてもらえますか。
若井「トモコと自分は別人だと思って演じたんですけど、友だちから『あれ、若井の素だろ?』って言われました(笑)」
大根「確かに、見ててイラッとするところがあるし、ちょっと追い込みたくなるようなところが似てるかもなぁ(笑)」
柴田「幸薄キャラですからね」
若井「それは内緒(笑)。25歳頃から死んじゃう母親役を2回も演ってるんですよ」
國武「私も『サトミって昔のクニちゃんじゃん』と言われました。『浮気してない証拠に写メ送って』なんて言うタイプじゃないのに。でも演じてみて、自分にも意外と腹黒い部分があるというか(笑)、自己チューなところはあるかもと思いました」
後藤「私は『ブスじゃないよ、大丈夫だよ』って励まされたんですよ(笑)。私は割とユウコに似てる部分があって、容姿にコンプレックスがあったり、女友だちの前では過剰な盛り上げ役をしたりとか。だから気持ちを入れやすかったですね」
柴田「彼にフラれたからって私はカオリのように反動で他の人とエッチはしない、絶対にしませんけど(笑)…本音に近いところで演じましたね」
大根「カオリは男性人気が高いんだよなあ。すぐにヤラせてくれそうだから(笑)」
若井「でも女性の浮気は許さないんですよね? トモコって女性人気が高いから同じノリで上映後に男性に話しかけたら『お前サイテーだな』って言われましたよ(笑)」
國武「それほど映画に入り込んでくれたってことですよね。私、ナオキ役のご両親に、『ウチの息子がすみませんでした。妊娠までさせてしまって』って謝られたんですよ(笑)」
水商売のキッチンとナンパを何度されたことか(笑)
──みなさん、見た目の役作りはどのように?
國武「劇中で穿いてる(下着の)ピンクのパンツはナオキくんと109に買いに行きました」
後藤「黄色い下着、ユウコっぽいかなと思って自前を持参したんですけど、ツイッターで『安っぽいサブカル女が着てそうだな』と言われてて、恥ずかしかったですね」
柴田「撮影前から映画まんまの見た目にして新宿へ買い物に行ったら、ナンパも水商売のキャッチもすごくされましたよ」
若井「抱きついてきて耳元で囁くような近さでナンパされましたし、『今いくらもらってる? どこで働いてるの?』って」
大根「それっていいことじゃない。オレは撮ってる時イライラしてたけど(笑)。特に一番最初のシーン。『いっぺんにしゃべんじゃねーよ! どうやって編集するんだよ!』ってさあ」
柴田「監督! あそこはそういうシーンですから(笑)」 ──登場人物中1人とに付き合わなければいけないとしたら?
大根「オレ選べないなあ。全員嫌いだし、全員死ねばいいのにと思ってるから(笑)」
若井「私も全員イヤです(笑)。だけど、どうしてもなら家族思いのタカシですね」
柴田「話つまらないし空気読めないのに? 私はユウタ…う~んでも風俗行くしなあ。だけど、すぐ別れるならユウタかな」
國武「私は浮気はするけど一番性格が分かりやすいナオキがいいですね」
後藤「おやつ的な浮気なら別にいいですね、私も。ナオキは彼女がメインですし」
柴田「それ、観てくれた女の子も言ってた。上手に浮気してくれればいいって。私はウソをつく人が苦手だから、絶対にナオキはダメなんですけど」
俳優の代表作にしたいから主役級との仕事は1回きり
大根「彼女たちのように、観終わった後絶対、誰かと話し合いたくなる映画なんですよ、これ。知ってる役者が1人もいないし、まったく無関係の人たちの話だから観に行く理由のない映画だと思いますけど(笑)間違いなく面白いモノを作ったという自信は100%あるんで、ぜひ、複数人で観ることをオススメしたいです」
國武「見どころを聞かれた時に、『性格診断ができる映画』とお伝えしてるんです。感想を言い合うだけで価値観が分かるんですよ」
柴田「恋人同士が付き合いを続けるかどうかを判断する材料にも使えますよね」
大根「そういう意味では本当のデートムービーかもね」
──ところで監督、この4人で次回作、というのは?
大根「オレね、基本的に主役級の役者との仕事は1回限りにしようと思ってるんですよ。主役は責任が重いから、やるからには代表作にしてあげたいんですよね。代表作って何本も作れないし、今回も今のところのみなさんのキャリア中のベストを引き出したつもりはあるんで、もうないかな。ユウコには借りがあるから別ですけど」
3人「えーっ、寂しい(泣)。また一緒に仕事しましょうよー監督ーー!!」
後藤「監督!お待ちしてます」
INFORMATION
映画『恋の渦』
STORY
部屋コンに集まった男女9人。イケてないオサムに、彼女を紹介するのが今夜の隠れテーマだ。しかし、やってきたユウコのルックスに男は全員ドン引き。それでも無理矢理盛り上げようとするが、すべてが空回りし、微妙な空気のままコンパは終わったはずだったが…。その夜を境に、男女9人の交錯する恋心を下心、本音と嘘が渦巻き、ゲスでエロくておかしな恋愛模様が繰り広げられていくのだった。山本政志監督がプロデュースする実践映画塾シネマ☆インパクトの第3弾で製作された5作品の1つで、3月に上映。7月にはシネクイントにて2週間限定レイトショーされた。原作は06年に上演された劇団ポツドール三浦大輔による同名戯曲。本音と嘘が入り混じった男女9人の恋をめぐる室内劇を映画化した。
CAST&STAFF
出演/新倉健太・若井尚子・柴田千紘・後藤ユウミ・松澤匠・上田祐揮・澤村大輔・圓谷健太・國武綾・松下貞治
監督/大根仁 原作・脚本/三浦大輔 制作/山本政志
配給/シネマ☆インパクト
公式HP
8月31日からオーディトリウム渋谷にてロードショー
(C)2013 シネマ☆インパクト
PROFILE
大根仁(おおね・ひとし)
68年12月28日生まれ。東京都出身
演出家・映像ディレクターとして、数々のドラマやPVを演出。主な作品にドラマ「モテキ」「週刊真木よう子」「湯けむりスナイパー」「まほろ駅前番外地」がある。11年公開の初監督作品「モテキ」で第35回日本アカデミー賞話題賞・優秀作品部門を受賞。映像演出を手掛ける傍ら、舞台やラジオ、コラム執筆、イベントなどでも幅広く活動。
公式Twitter
若井尚子(わかい・なおこ)
84年生まれ。03年からモデル活動をスタート。09年、「心華~SHINKA~」で初舞台を踏み、10年に「彼氏の季節がやってきた!」で舞台初主演。テレビ、雑誌、舞台などで活動。本格的に映画に出演するのは同作が初。
公式ブログ
柴田千紘(しばた・ちひろ)
88年生まれ。映画は「恐怖の怪奇文」「僕たちは世界を変えることができない。」「アイアンガール」「しば田とながお」「パンチメン」「海辺の町で」「水の声を聞く プロローグ」などに出演。
公式Twitter
後藤ユウミ(ごとう・ゆうみ)
84年生まれ。01年に劇団「うずめ劇場」入団。多様なジャンルの舞台に出演し、退団後は映画を中心に活動。近年の出演作に「スクリプト」「ムージック探偵 曲聞彦」「こっぴどい猫」「tarpaulin」などがある。
公式Twitter
國武綾(くにたけ・あや)
86年生まれ。劇団宝船に所属。映画は公開待機作に「サッドティー(仮)」(今泉力哉監督)、「アイドル・イズ・デッド一ノンちゃんのプロパガンダ大戦争一」(加藤行宏監督)がある。映画出演は同作が初。
公式Twitter
映画『恋の渦』
STORY
部屋コンに集まった男女9人。イケてないオサムに、彼女を紹介するのが今夜の隠れテーマだ。しかし、やってきたユウコのルックスに男は全員ドン引き。それでも無理矢理盛り上げようとするが、すべてが空回りし、微妙な空気のままコンパは終わったはずだったが…。その夜を境に、男女9人の交錯する恋心を下心、本音と嘘が渦巻き、ゲスでエロくておかしな恋愛模様が繰り広げられていくのだった。山本政志監督がプロデュースする実践映画塾シネマ☆インパクトの第3弾で製作された5作品の1つで、3月に上映。7月にはシネクイントにて2週間限定レイトショーされた。原作は06年に上演された劇団ポツドール三浦大輔による同名戯曲。本音と嘘が入り混じった男女9人の恋をめぐる室内劇を映画化した。
CAST&STAFF
出演/新倉健太・若井尚子・柴田千紘・後藤ユウミ・松澤匠・上田祐揮・澤村大輔・圓谷健太・國武綾・松下貞治
監督/大根仁 原作・脚本/三浦大輔 制作/山本政志
配給/シネマ☆インパクト
公式HP
8月31日からオーディトリウム渋谷にてロードショー
(C)2013 シネマ☆インパクト
PROFILE
大根仁(おおね・ひとし)
68年12月28日生まれ。東京都出身
演出家・映像ディレクターとして、数々のドラマやPVを演出。主な作品にドラマ「モテキ」「週刊真木よう子」「湯けむりスナイパー」「まほろ駅前番外地」がある。11年公開の初監督作品「モテキ」で第35回日本アカデミー賞話題賞・優秀作品部門を受賞。映像演出を手掛ける傍ら、舞台やラジオ、コラム執筆、イベントなどでも幅広く活動。
公式Twitter
若井尚子(わかい・なおこ)
84年生まれ。03年からモデル活動をスタート。09年、「心華~SHINKA~」で初舞台を踏み、10年に「彼氏の季節がやってきた!」で舞台初主演。テレビ、雑誌、舞台などで活動。本格的に映画に出演するのは同作が初。
公式ブログ
柴田千紘(しばた・ちひろ)
88年生まれ。映画は「恐怖の怪奇文」「僕たちは世界を変えることができない。」「アイアンガール」「しば田とながお」「パンチメン」「海辺の町で」「水の声を聞く プロローグ」などに出演。
公式Twitter
後藤ユウミ(ごとう・ゆうみ)
84年生まれ。01年に劇団「うずめ劇場」入団。多様なジャンルの舞台に出演し、退団後は映画を中心に活動。近年の出演作に「スクリプト」「ムージック探偵 曲聞彦」「こっぴどい猫」「tarpaulin」などがある。
公式Twitter
國武綾(くにたけ・あや)
86年生まれ。劇団宝船に所属。映画は公開待機作に「サッドティー(仮)」(今泉力哉監督)、「アイドル・イズ・デッド一ノンちゃんのプロパガンダ大戦争一」(加藤行宏監督)がある。映画出演は同作が初。
公式Twitter
取材・文/内埜さくら 撮影/おおえき寿一