【取材こぼれ話】「異能者 ちょっとお話いいですか?」はHajime Kinokoさん
◆緊縛教室の利用者の約1/3は外国人だそう。「僕が活動を始めた頃は、緊縛にもアメリカン・スタイル、ヨーロピアン・スタイル、ジャパニーズ・スタイルと3つの種類がありましたが、今は世界の人達がジャパニーズ・スタイルをマネしています。日本の縛りは緻密で、きめ細やかで、女性の気持ちを縛っていくような要素もある。世界観に情緒やロマンがあるんですよね。縛りの世界における日本は、サッカーにおけるブラジルくらいの存在感があるんです」◆生け花と緊縛を組み合わせた作品も発表しているHajime Kinokoさん。「僕自身も生け花を習っているんです。やっぱり女性って『花』じゃないですか。僕の生け花の先生も、花を見ながら『あ、これは色気があるわね』というような例え方をしていて、『あー、なるほどな』と感じる部分がありました。花にも茎のラインの美しさがありますし、それをアートとして見せていく部分は、縛りと共通するところがある。生け花を始めてから、僕の縛りの実力もすごく上がった実感があります」
◆緊縛を始めたきっかけは、彼女が緊縛好きだったから。彼女のためにその技術を勉強し、満を持して「縛ってあげようか?」と提案したそうだが、なんと断られてしまったという。「彼女にそのとき言われたのは、『M女ちゃんっていうのは、ご主人さまに付き添ってもらうものじゃなく、ご主人様がやりたいこと付き添ってくものだから』ということ。『じゃあ、俺が縛りたいから付き合ってよ』って言ったら『いいよ』って言ってくれました(笑)」
◆自身が行っている緊縛の教室「一縄教室」では、縛ることより先に「縛られること」から始めるそう。「まずは縛られる人がどういう感覚なのかを知ることが大事。縄はコミュニケーションですから、その感覚や気持ちが分からない人は、やはり縛るべきじゃないと思います。実際、レッスンを『縛られること』から始めるようになって以降、みんなの縄への理解もより深まった感覚があります」
人だけでなく岩などの物も縛る。赤い縄や光る縄も用いて、縛りをアートとしても表現する。世間では「エロス」のイメージが先行しがちな緊縛を「アート」としても表現する緊縛師がHajime Kinokoさんだ。「縄はコミュニケーション」という緊縛に対する考えや、表現者としての来歴を聞いた。
PROFILE
Hajime Kinoko(はじめ・きのこ)
1977年、愛知県名古屋市生まれ。
縛りをエロスと捉えるだけでなく、ポップな解釈やアートへの昇華も得意とし、生成り縄による「和の緊縛」、赤縄を使った「アートロープ」、光る縄で魅せる「サイバーロープ」といった表現活動も実施。様々な種類の縄を使った緊縛を行う。近年は写真や映像によるアートワークも精力的に発表。縛りと撮影、演出のすべてを手掛ける。またパリ、ロンドン、ミュンヘンなど20以上の世界の主要都市で公演やワークショップを行っている。
公式Twitter
Hajime Kinoko(はじめ・きのこ)
1977年、愛知県名古屋市生まれ。
縛りをエロスと捉えるだけでなく、ポップな解釈やアートへの昇華も得意とし、生成り縄による「和の緊縛」、赤縄を使った「アートロープ」、光る縄で魅せる「サイバーロープ」といった表現活動も実施。様々な種類の縄を使った緊縛を行う。近年は写真や映像によるアートワークも精力的に発表。縛りと撮影、演出のすべてを手掛ける。またパリ、ロンドン、ミュンヘンなど20以上の世界の主要都市で公演やワークショップを行っている。
公式Twitter