「第一線で活躍する先輩芸人とか、売れてる人が定期的に褒めてくれるから、『自分たちは間違ってなかったんだ!』って自信を持てたんですよ」
独特のゆる~い“間”と、ジワジワと笑いを誘う脱力系の芸風で人気を博している、お笑いコンビおぎやはぎが登場! テレビ東京で放送中の人気番組『ゴッドタン』の企画「キス我慢選手権」が映画化され、お二人は神様役として出演。作品の話以外にも下積み時代や仕事への思いを聞き、彼らの“ゆる~い愛されキャラ”を浮き彫りにする!
「バイトを探す時は、オイシイことが書いてある職種を探してましたね。ひと握りの1人か2人は必ず、オイシイ思いをしてるってことですから」
劇団ひとりさんが繰り出すアドリブで視聴者を釘付けにしたバラエティ番組『ゴッドタン』の人気コーナー「キス我慢選手権」が、その名も『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』として映画化された。出演したおぎやはぎのお二人も、「僕らも何も聞かされてなかった」と語る映画の内容とは? お笑いに人生を捧げた“愛されキャラコンビ”に、人生を成功させる秘訣も語ってもらおう。
僕らが“ キス我慢するなら”ダントツで長澤まさみでしょう!
──まずは作品をご覧になっていかがでしたか?矢作「もう最高に面白かったですね。こういうテレビ番組の一企画が映画になるっていうとほら、『テレビとかDVD観た時のほうが良かった』っていうケースがありえるんですけど想像以上の出来ばえでした」
小木「完全な映画になってますからね。映画として成立し過ぎてて、途中でアドリブだってことを忘れちゃうほどでしたよ。ホントは仕込みしてるんじゃないの? と思われても不思議じゃない」
──確かに、そう思いました。
矢作「そう思われるとホント、面白くなくなりますから(笑)だから僕らが、途中でちょこちょこと、あえて言ってるんですよ。『アドリブだよね』って」
──お二人はウォッチングルームから観察する神様役ですが、印象に残ったシーンはありますか。
矢作「岩井(秀人)さんと劇団ひとりのシーンがいいんですよ。岩井さんが上手いから、奇跡的にいい感じに転がるんですよね」
小木「(渡辺)いっけいさんとのシーンも良かったですねー」
矢作「あれ何だっけ、ゾンビのアンデッドになったところなんか〝ウォーキングデッド〟とか流行りモノも入ってていいんだよなあ」
小木「いろんな伏線が張られていて結構いいシーンがあるんですよ」
矢作「最初のシーンは羨ましかったですね。葵つかさちゃんがお風呂に入ってる時に、ひとり側にハダカを見せてるんですよ。こっち側からは見えなかったんですけど、いいなあ、おっぱい見えてんだなーと思って(笑)」
小木「温泉で女の子に囲まれるシーンなんかも、長くやってましたね、ひとりは」
矢作「早く先に行けばいいのに、絶対に止めない。願望が勝っちゃうタイプなんでしょうね」
小木「キスはしないけど、いちゃつきだったらいいだろう的な」
──お二人なら、どんな女性を相手に“キス我慢”したいですか?
矢作「僕は、誰でもいいなあ」
小木「長澤まさみさんですかねえ」
──そこに長澤さんのカレンダーが貼ってありますが(苦笑)
矢作「いやあ、ダントツで長澤まさみさんでしょう。彼女に迫られたらそりゃあもう、5時間ぐらいやっちゃいますよ。僕は、ひとりみたいに小芝居をやりたいタイプじゃないんですけど、やっちゃうでしょうねえ(笑)」
小木「カップルでいられるんですから、そりゃあ終わりたくないですよ。いちゃいちゃしても仕事だから怒られませんから。映画を観るみなさんも、〝リアルキス我慢〟を体験できますよ。カップルで映画館で観て、観てる間は我慢して終わってからいちゃつけばいいんですよ」
矢作「結局、毎回出るたびに最新作が最高傑作なんですよね、キス我慢は。今まで1回も面白くなかったことがない、だから今回も間違いなく面白い。映画館だと周りがウケたら笑い声の相乗効果でより一層笑えるんで、ぜひ劇場で観てほしいですね」
売れない時代は地元の同級生2人が面倒見てくれたんですよ
──そんなお二人は今や多方面で大活躍中ですが、下積み時代はなかったのでしょうか。矢作「いわゆる風呂なしアパートには住んだことがないですね。最初から車も持ってたし。嫌いなんですよ、貧乏生活が…」
小木「あー、貧乏は僕もイヤですねえ。東京にある実家住まいだったお陰で、貧乏生活をしたことはないんですけどね」
矢作「僕は一人暮らししてたんですけど、地元の同級生2人ぐらいがいつも助けてくれてたんですよ。遊びに来ると必ず、冷蔵庫の中を食料でいっぱいにしてくれるっていう」
小木「そうなんですよ、新車をそのまま、『じゃあ、矢作使っていいから!』って言ってキーを渡すぐらいの太っ腹な友だちがいましたからね」
矢作「そうは言ったって、電気は止められたことがありますよ。電気、ガス、水道…最後に止められるのは水道なんですけどね、あれはなかなか心に響きましたよ」
小木「水道はホント、止めないもんね。死んじゃうから」
矢作「でも、一番お金がない時期って、ちょっとライブに出だした頃ですよ」
小木「当時はそれだけで生活できる訳じゃないから、仕事って感じでもないですからね、ライブって。バイトだけしてても単なるフリーターじゃないですか。ライブでもしてないと芸人やってるって気がしないからやってたところはありますね」
──なぜ、矢作さんは小木さんをこの世界に誘ったんですか?
矢作「芸人ってテレビではしゃいでるだけで、楽して金稼いでそうなイメージありません? だからですよ」
小木「それで賞金だの商品だのもらえる時もある。夢のような仕事じゃないですか」
矢作「そりゃあ、楽して稼げるならなりたいですって」
──誘われた時、小木さんは不安はありませんでしたか。
小木「矢作が持ってくる仕事に関して、不安材料はひとつもないですね。それまでバイトも、キャバクラの送りとか、いい話を持ってきてくれてるんで、実績を買ったんですよ(笑)」
矢作「バイトを探す時は、オイシイことが書いてある職種を探してましたね。『月収○○円可能』とか、書いてあるじゃないですか。それはひと握りの人間しかなれないのかもしれないけど、ウソではない。1人か2人はオイシイ思いをしてるってことですから。(小誌をパラパラとめくりながら)ほら、これとか」
小木「おー、いいじゃん。いいじゃん!」
──ありがとうございます(笑)でも売れない時代は、辛くはありませんでしたか。
矢作「これ言うと自慢みたいになっちゃうんですけど、僕ら、テレビ番組のオーディションに落ちたことがないんですよ」
小木「あんまり他にないタイプのことやってたんで、ライブではウケなかった時がいっぱいあるんですけど、オーディションには受かるから『客がついてきてないだけじゃん』なんて思ったりして」
矢作「やっぱりプロは見るところが違うねー、なんて都合いいように受け取ったりしてね。あとはね、時々いいタイミングで褒めてくれる人がいたから、続けてこられたって今は思いますね」
小木「第一線で活躍されてる先輩芸人とか、売れてる人が『面白いよ~』とか『そのままでいいよ』とか定期的に褒めてくれるから、『自分たちは間違ってなかったんだ』って自信を持てたわけですよ」
──話を聞けば聞くほど、お二人は愛されキャラですね。
矢作「そういうのは、お任せします(笑)」
小木「自分たちからじゃ、言えないもんねえ」
──でも、お二人のことを嫌いだとか苦手と言う人いないですよ~!
小木「ありがたいですねえ」
矢作「二人とも褒められて伸びるタイプなんで、うれしいですね」
小木「周りに褒めてくれる人がいる環境って、いいと思いますね」
矢作「でも、すみませんね、読者に何のタメにもならないコメントしかできなくて(笑)」
売れる以前から現在までずっと、愛されキャラのお二人。生き辛いこの世界を生き抜くために、参考にしてみては?
INFORMATION
映画『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』
INFO&STORY
劇団ひとりに与えられた設定は、記憶を失った元暗殺者の“砂漠の死神”こと川島省吾。かつて製薬会社の社長令嬢つかさを愛した故に、世界の破滅を及ぼす事件に巻き込まれた。それから一年後、記憶のおぼつかない省吾のもとに最強の刺客が襲いかかる。暗殺組織、アンデッド、敏腕刑事、そしてキスをせがむ女たち…魂を賭けた、24時間のキス我慢選手権が今、幕を開ける―。おぎやはぎと劇団ひとりの3人が司会を務めるテレビ東京「ゴッドタン」の人気コーナー企画 “キス我慢選手権” が映画化。セクシーな美女に誘惑される芸人がアドリブで芝居をしながら、1時間キスを我慢するという企画で、番組と同様に、本作でも事前打ち合わせなしのすべてアドリブの状態で劇団ひとりが主人公を演じる。
CAST&STAFF
出演/川島省吾(劇団ひとり)・おぎやはぎ・バナナマン・みひろ・岩井秀人/京本政樹(特別出演)・葵つかさ・紗倉まな・マキタスポーツ・窪田正孝・オクイシュージ・駒木根隆介・バカリズム・東京03・松丸友紀(テレビ東京アナウンサー)・武蔵・やべきょうすけ・ミッキー・カーチス・斎藤工・渡辺いっけい・竹内 力
監督/佐久間宣行
脚本/オークラ・佐久間宣行
配給/東宝映像事業部
公式HP
6月28日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー
(C)2013「キス我慢選手権 THE MOVIE」製作委員会
PROFILE
おぎやはぎ
小木博明(おぎ・ひろあき)
1971年8月16日生まれ 東京都出身
矢作兼(やはぎ・けん)
1971年年9月11日生まれ 東京都出身
高校の同級生である2人が95年にコンビ結成。独特なテンポと漂々としたキャラクターで人気に。02年、M-1グランプリ4位、03年、第12回NHK新人演芸大賞特別審査員賞受賞。バラエティはもちろん映画、テレビドラマ、CMなどマルチに活躍。日本テレビ「天才!!カンパニー」フジテレビ「うまズキッ!」テレビ東京「ゴッドタン」BS日テレ「ぶらぶら美術・博物館」「おぎやはぎの愛車遍歴 NO CAR, NO LIFE!」、TBSラジオ「JUNK おぎやはぎのメガネびいき」「おぎやはぎのクルマびいき」レギュラー出演中。DVD「ゴッドタン マジ歌フェス2013 in 渋公」は8月14日発売。
公式HP
映画『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』
INFO&STORY
劇団ひとりに与えられた設定は、記憶を失った元暗殺者の“砂漠の死神”こと川島省吾。かつて製薬会社の社長令嬢つかさを愛した故に、世界の破滅を及ぼす事件に巻き込まれた。それから一年後、記憶のおぼつかない省吾のもとに最強の刺客が襲いかかる。暗殺組織、アンデッド、敏腕刑事、そしてキスをせがむ女たち…魂を賭けた、24時間のキス我慢選手権が今、幕を開ける―。おぎやはぎと劇団ひとりの3人が司会を務めるテレビ東京「ゴッドタン」の人気コーナー企画 “キス我慢選手権” が映画化。セクシーな美女に誘惑される芸人がアドリブで芝居をしながら、1時間キスを我慢するという企画で、番組と同様に、本作でも事前打ち合わせなしのすべてアドリブの状態で劇団ひとりが主人公を演じる。
CAST&STAFF
出演/川島省吾(劇団ひとり)・おぎやはぎ・バナナマン・みひろ・岩井秀人/京本政樹(特別出演)・葵つかさ・紗倉まな・マキタスポーツ・窪田正孝・オクイシュージ・駒木根隆介・バカリズム・東京03・松丸友紀(テレビ東京アナウンサー)・武蔵・やべきょうすけ・ミッキー・カーチス・斎藤工・渡辺いっけい・竹内 力
監督/佐久間宣行
脚本/オークラ・佐久間宣行
配給/東宝映像事業部
公式HP
6月28日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー
(C)2013「キス我慢選手権 THE MOVIE」製作委員会
PROFILE
おぎやはぎ
小木博明(おぎ・ひろあき)
1971年8月16日生まれ 東京都出身
矢作兼(やはぎ・けん)
1971年年9月11日生まれ 東京都出身
高校の同級生である2人が95年にコンビ結成。独特なテンポと漂々としたキャラクターで人気に。02年、M-1グランプリ4位、03年、第12回NHK新人演芸大賞特別審査員賞受賞。バラエティはもちろん映画、テレビドラマ、CMなどマルチに活躍。日本テレビ「天才!!カンパニー」フジテレビ「うまズキッ!」テレビ東京「ゴッドタン」BS日テレ「ぶらぶら美術・博物館」「おぎやはぎの愛車遍歴 NO CAR, NO LIFE!」、TBSラジオ「JUNK おぎやはぎのメガネびいき」「おぎやはぎのクルマびいき」レギュラー出演中。DVD「ゴッドタン マジ歌フェス2013 in 渋公」は8月14日発売。
公式HP
Interview&Text/内埜さくら Photo/おおえき寿一