「一生懸命にやることがカッコ悪いって風潮があるけど、人生の答えはシンプルですよ。一生懸命やってれば返ってくるんです。複雑にしてるのは自分なんです」
「ちょっとぉ~、何で曲がっちゃったの? もうダメだ(笑)」。インタビュールームへ入ってきた途端、衣装のハット先端が曲がっていることをスタッフにツッコミ、冒頭から場を盛り上げてくれたJOYさん。完成披露試写会が始まる前に本人を直撃し、彼が出演した映画『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』について話を聞いた。…だけでは終わりません! 世間が持つ彼への固定概念を覆す、“裏の顔”もじっくりとご堪能あれ!!
タレントJOYという男に、みなさんはどんなイメージをお持ちだろうか。チャラい? 遊んでそう? 単なるイケメンモデル? いいえ、実はすべて違います! 高校1年生の頃には腰を痛めて将来を有望視されていたプロサッカー選手の夢を断念し、芸能界デビュー前は極貧時代を経験。さらに11年3月に肺結核で入院した前後は仕事にも恵まれなくなる時期を過ごした“苦労人”なのだ。今回は、テレビで騒々しくイジリ・イジられるキャラからは想像できない、誠実な一面を掘り下げる。
当時読モのギャラは、一日拘束で3000〜5000円とか。月数回呼ばれても稼げなくて、月収2万円の時代もありました
──いきなりですがJOYさんはご自分のウィキペディア、見たことありますか?
「貯蓄額は700万程度」って書いてありましたよ。「えっ、ウソでしょ? マジ!? 誰が書いたんですか、それ。大ウソじゃないですか!」
──ですよねぇ。伝統ある仮面ライダーシリーズにも出たんですから、もっとガッポリ儲けてますよね。
「いやいや、今回はギャラなしで、むしろこっちが金払ったんですよ。というのは冗談ですけど、それぐらい出たかったし、関わりたいなと思ってた作品なんです。僕と同世代の男の子って多分、最初に観た映画が仮面ライダーじゃないですか。僕も一番憧れたヒーローだったし、グッズも集めてましたからね。ドカントの読者はこのテイストの作品から離れてる世代かもしれないけど、観たら絶対にハマりますよ。子どもの頃にワクワクした気持ちが再燃しますから。完成作を観て僕、最近の作品も全部観たいって思いましたもん」
──スクリーンデビュー作ですし、ぜひ観てもらいたいですよね。
「ちょっと出てすぐ退散ってイメージだったから、台本を読んだら熱出ましたよ(笑)。イエヤス役は割と普段の僕に近いテンションだから、ありのままの自分でぶつかりましたけど、民を思いやるマジメなシーンはスゲー緊張しました。でも、人間って追い込まれるとできるもんですね。セリフ覚えが得意じゃないと思ってましたけど、スッと入りました」
──おっ、優等生ですね!
「というより僕、できるフリをしたい人なんですよ。できないと思われたくない。自分を騙してるっていうのもあるんだけど、人から見る僕は、人見知りしない、スゲーポジティブな人間ですよね?」
──…じゃないんですか?
「実際は、ネガティブで暗い男ですよ(笑)。お酒は飲まない、タバコは吸わない、仕事が終わったらすぐ家に帰るから、夜12時前には家にいますし」
できるフリをしたい人なんです。できないと思われたくないから
──それ、ブログに書いてましたよね。意外でした!「パーティー大好きで毎晩六本木で遊んでるみたいなイメージを持たれてるんですよねぇ(苦笑)。だけど極力“業界臭”がする場所には近づきたくないし、12時前には布団に入ってるんですよ」
──では、映画の打ち上げは?
「それは参加しました。でも、どこにいればいいんだろうって寂しさで落ち着かなくて、会場の隅っこでオレンジジュースを飲んでましたね。じゃんけん大会だけは前に行きましたけど。かなり恥ずかしそうにしながら(笑)」
──ですが、「JOYっていうイケメンが演じていたよねと、子どもたちに思い出してほしい」と語っていた夢が叶いそうですから、もっと弾けてもよかったのでは?
「あ~それ、どっかで読んじゃいました? (笑)を2つぐらい付けてもらう前提で話したのに、記者の方が『ハイ、分かりました』ってマジメに受け取っちゃったんですよ。お陰で痛いヤツになっちゃった(笑)。自分で読んでびっくり。インタビューって恐ろしい…」
──恐ろしいといえばJOYさんは山奥に連れて行かれた恐怖体験があったとか。撮影は山奥でも行われたそうですが、思い出しませんでした?
「そりゃあイコールしてきちゃうから、思い出しますよ! だけどリアルなことは言えないんで、地元の群馬のヤンキーともめちゃったけど、仲直りして下山したってポップに書いておいてください」
──あはは! 映画にちなんだ質問をもう1つ。JOYさんは、どんなお子さんでしたか。
「元気が良くて放っておくと動き回っていなくなっちゃうから、ヒモに繋がれてたんですよ。ちょっと伸縮する、犬につけるリードみたいなヒモに。ウソでしょ、って信じてなかったけどオカンに写真を見せてもらったら、本当に首がヒモで繋がれてましたねぇ(笑)」
──子どもの頃の写真、かわいいですね。イケメンモデルとしてブレイクした兆候が見て取れます。
「いや~、今はモデルのオファーがないから欲しいんですよ。みんな、単なるおしゃべりな外国人だと思ってるでしょ? しゃべっちゃうとダメだから、静止画じゃないと、カッコイイ一面を見せられない…もうダメだよね。あとは、仮面ライダーに出られたから、小学校3年生以下の子どもたちからの認知度も上げたいんですよ。で、仕事の幅を広げたい。二代目“わくわくさん”とか、憧れますねぇ」
──やりたい仕事に就けない人が多い世の中で、贅沢な願いですね。
「本当にやりたい仕事に就こうと思えば就けますよ、絶対。条件が合わないとか、『やらない理由』を探して踏み出さない人が多いだけじゃないですか。やりたい仕事に就きたい人は、優先順位を絶対的に変える必要があると思うんですよね。僕は芸能界に入る23歳ぐらいまでは、歌をやりたくて毎日路上ライブをしてたから、スゲー貧乏でしたけど、夢を叶えることが優先順位のトップで、2位も3位もありませんでしたから」
──JOYさんにも貧乏時代があったんですね。
「ありましたよ~。当時の読モのギャラが、1日拘束で3000~5000円、良くて1万円だったんですね。月3、4回呼ばれてもたいした金額にならなくて、月収2万の時代もありましたよ。それより稼いでも、家賃を払ったらケータイ代が払えない、なんてこともしょっちゅうでした」
──その時、将来に不安は?
「もちろん不安でした。でも、不安を払拭することなんてできない。目の前にあることを一生懸命にやり抜くしかないんですよ。全力でやれば人に伝わるし、人の心を動かしますから。僕、極楽とんぼの加藤(浩次)さんと仲良くしていて、一緒にフットサルをやってるんですね。ある日、何気なく加藤さんに言われたんです。『お前、ホント一生懸命にやらないな。プレーにひたむきさがない。お前の仕事の仕方と一緒だな』って。当時はありがたいことに仕事がもらえてた時期で、こなすだけと言うか、100%の力を出してなかったんですね。でも、そういう態度が続くと当然、仕事はもらえなくなる。結果、一時期落ちたことがあって、加藤さんの言葉を思い出したら心に刺さったんです」
──何事も全力で取り組むことが重要なんですね。
「一生懸命にやることがカッコ悪いって風潮があるけど、人生の答えはシンプルですよ。一生懸命やってれば返ってくるんです。複雑にしてるのは自分。それに、『オレはこんなはずじゃない』とか、『自分が今ダメなのは世間のせいだ』って言う人もいますけど、実は問題って自分の中にあると思うんですよ。僕自身も上手くいってなかった頃は、自分が原因だとは考えてなかった。だから、当時の自分に『自分が悪い』って教えてあげたいですね」
──ありがとうございます。とても勉強になりました!
「…って、『明日から頑張ろう』じゃなくて、読んだらすぐ動き出さなきゃダメだよ。感情はすぐ、薄れていくものだから。意気込んだテンションを維持したまますぐ動き出せる人が、成功していくんだろうなって、周りの先輩方を見ていて感じるんですよね」
テレビではしゃいでるキャラとは一味違う、真摯な顔で語ってくれたJOYさん。仕事の話になると声のトーンが静かになり、「これが素の人柄かも」と思わせるシャイな雰囲気も好感度大でした!
INFORMATION
映画『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』
INFO&STORY
仮面ライダー同士の豪華共演で人気の「MOVIE大戦」シリーズ5作目。13年10月から放送を開始した平成仮面ライダーシリーズ15作目で佐野岳が主演する「仮面ライダー鎧武/ガイム」と、白石隼也主演の前作「仮面ライダーウィザード」が共演。過去の平成ライダーシリーズに出演した俳優陣も友情出演を果たし、敦士とJOYのゲスト出演も話題。仮面ライダーたちが「武神」と崇められ、武将たちの守護神となっている異世界の戦国時代へやってきた鎧武たちの前に、最強の「武神鎧武」が立ちふさがり、同じく異世界にたどり着いたウィザードたちも交え、激闘を繰り広げる…。
CAST&STAFF
出演/[仮面ライダー鎧武]佐野岳・JOY
[仮面ライダーウィザード]白石隼也・敦士
原作/石ノ森章太郎
脚本/毛利亘宏『仮面ライダー鎧武』・香村純子『仮面ライダーウィザード』
監督/田崎竜太
製作/東映 テレビ朝日 東映ビデオ アサツー・ディ・ケイ 木下グループ バンダイ
配給/東映
公式HP
12月14日(土)全国ロードショー 「鎧武&ウィザード」製作委員会
(C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映
PROFILE
JOY(じょい)
1985年4月15日生まれ 群馬県高崎市出身
03年よりモデル活動を開始。09年にその明るいキャラクターが注目されブレイク。モデル、タレント、歌手などマルチに活躍。バラエティ番組でもおなじみだ。群馬テレビ「JOY’nt」、日本テレビ系「ヒルナンデス」(火曜コーナーレギュラー)などに出演。1stアルバム「JOYCOVERS」発売中。カリスマホスト役で出演の映画「ハニー・フラッパーズ」は14年夏公開予定。
公式HP
公式ブログ
映画『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』
INFO&STORY
仮面ライダー同士の豪華共演で人気の「MOVIE大戦」シリーズ5作目。13年10月から放送を開始した平成仮面ライダーシリーズ15作目で佐野岳が主演する「仮面ライダー鎧武/ガイム」と、白石隼也主演の前作「仮面ライダーウィザード」が共演。過去の平成ライダーシリーズに出演した俳優陣も友情出演を果たし、敦士とJOYのゲスト出演も話題。仮面ライダーたちが「武神」と崇められ、武将たちの守護神となっている異世界の戦国時代へやってきた鎧武たちの前に、最強の「武神鎧武」が立ちふさがり、同じく異世界にたどり着いたウィザードたちも交え、激闘を繰り広げる…。
CAST&STAFF
出演/[仮面ライダー鎧武]佐野岳・JOY
[仮面ライダーウィザード]白石隼也・敦士
原作/石ノ森章太郎
脚本/毛利亘宏『仮面ライダー鎧武』・香村純子『仮面ライダーウィザード』
監督/田崎竜太
製作/東映 テレビ朝日 東映ビデオ アサツー・ディ・ケイ 木下グループ バンダイ
配給/東映
公式HP
12月14日(土)全国ロードショー 「鎧武&ウィザード」製作委員会
(C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映
PROFILE
JOY(じょい)
1985年4月15日生まれ 群馬県高崎市出身
03年よりモデル活動を開始。09年にその明るいキャラクターが注目されブレイク。モデル、タレント、歌手などマルチに活躍。バラエティ番組でもおなじみだ。群馬テレビ「JOY’nt」、日本テレビ系「ヒルナンデス」(火曜コーナーレギュラー)などに出演。1stアルバム「JOYCOVERS」発売中。カリスマホスト役で出演の映画「ハニー・フラッパーズ」は14年夏公開予定。
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Interview&Text/内埜さくら Photo/おおえき寿一