06年に第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを受賞してデビュー後、『海賊戦隊ゴーカイジャー』や声優としても活躍する池田純矢さんが企画・脚本・演出を手掛ける舞台「エン*ゲキ」シリーズの『- 4D -imetor(フォーディーメーター)』。読書家だからこそ執筆という分野でも才能を発揮できたという経歴やプライベートに迫った。台本の段階で超絶面白かったので、舞台初心者もぜひ劇場へ行ってみては!?
「ビジュアルを裏切らない作品で、生の舞台のほうがより漫画的でエンタメ色が強い仕上がりになります。高尚なものだと思わずに遊びに来て頂けたらうれしいです」
17歳当時の彼を今の自分が手伝う感覚で脚本を執筆!
──表舞台に立つ表現者でありながら、作・演出を担当する舞台「エン*ゲキ」シリーズを立ち上げた経緯を教えて頂けますか。「撮影で数ヶ月ほどスケジュールを押さえられていた期間があったんですけど、撮影自体がなくなり予定が丸々空いたんです。でも、ファンイベントみたいなことはしたくなかったんですね。イベントを否定するわけではなく、俳優としてお芝居を通さないと、人前に出ること自体が上手にできない性格なので。それで、僕は昔から小説を書くのが好きで、物語のストックをたくさん持っていたので、そのうちの1つを演劇として上演できないかと提案させて頂いたのがきっかけです。その後、すぐに台本を書いたら話がトントン拍子に進み、僕が役者さんに声を掛けて上演が決まって今に至ります」
──ちなみに、小説にはいつから興味持ちました?
「小1か小2の頃だったと思います。シャーロック・ホームズシリーズをすべて読んだらミステリー作品にハマりました。そこから、ミステリー界の巨匠と呼ばれる方たちの小説を読み漁り、読み物へ傾倒していきました。小6の頃にはジャンルを問わず、図書館で借りて何でも読むというスタイルが完成されていた記憶があります。新聞や雑誌、子どもでも読めるような論文や美術書、歴史書。文字が書いてあれば何でもいいという感じで(笑)吸収していきました。今も毎日読んでいて、漫画を含めると1日3~4冊は読んでいると思います。最近だと、恋愛工学の論文を読んで『試してみたい』と思ったので、いつかモテない男性がモテるまでの物語を作るかもしれません」
──読書家の下地をお持ちですが、本作執筆の苦労は。
「ホテルへ缶詰めになって書いた別作品の脚本はまだ完成していなくて手こずっていますが、今回の作品はあまり苦労していない気がします。10年前に書いたプロットの残骸が始まりなんですが、当時の自分に助けられたというか。17歳だった彼を、お兄さんになった自分が手伝ってあげるような感覚で、楽しく書き上げました。ほかの作品でも同様ですが、ネタ出しは雑多な場所がいいのでファミレスで、セリフ出しは自宅やネットカフェなど、静かな場所で書いています」
生駒さんとお会いした瞬間見つけた!とうれしかった
──本作では生駒里奈さんとW主演も務めますが、渡来暦(わたらい・こよみ)にはご自身を投影していますか。「渡来だけではなく、全部のキャラクターの中に自分がいますし、いないとも言えます。そういうバランス感覚を忘れないようにしながら脚本を書いているので。ただ、この作品に関してはキャスティングが決まる前から書いていたので、まさか自分が主人公を演じるとは想像していませんでした」
──ノア役を演じる生駒さんのことを、池田さんはツイッターでバディとつぶやいていましたよね。
「…だと思いたいです(笑)実はノア役のキャスティングは、難航したんです。もっと演じやすいキャラクターに書き換えたほうがいいのかと悩む時期すらあったほどです。でも生駒さんが前作の『絶唱サロメ』を観に来てくださり、楽屋裏で初めてお会いした瞬間に『ノアがいた! やっと、見つけた!!』とうれしくなり、すぐに出演をお願いしました」
──台本に何度も出てくる「壁」は、どんな演出をするのでしょうか。
「アナログにロマンを感じているので、映像的な演出は使いません。お客さんは『本当に壁から出て来た』と感じるとしか今は言えませんが、イリュージョンマジックを使うことは確実です」
──作品のテーマにちなんで、もし超能力を使えるとしたら?
「透明人間ですね。よくないことだとは分かっているんですけど、僕は人の言動がすごく気になる人間なんです。心が弱いからくせに知りたがる性格なので、親しい人の本音を聞いてみたいです。嫌われていたら相当、落ち込むと思いますが…」
──プライベートな質問も。池田さんは調理師免許をお持ちですよね。
「興味を持った対象の免許がすぐ欲しくなってしまうんです。自動二輪や乗馬の免許も持っています。調理師免許も同じ理由ですね。結婚しているので僕だけが料理をしていると思われたら困りますが、凝った料理が好きで、低温調理や煮込み料理、見たことがない食材を使って料理をします。『何、このメニュー、見たことがない! お店レベル!』と言われるのが好きなんです」
──有難うございます。今一度、見どころをぜひ!
「最新作は見どころだらけなんですが(笑)ビジュアルを裏切らない、生の舞台のほうがより漫画的でエンタメ色が強い仕上がりになると思います。舞台は高尚なものだと捉えられがちですが、魅力はストーリーの詳細を知らなくても問題なく物語に没入できることだと思っているので、映画館へ行くような選択肢の1つとして遊びに来て頂けたらうれしいです」
INFORMATION
■エン*ゲキ#05『- 4D -imetor(フォーディメーター)』
【INFO&STORY】
私設研究機関「渡来超能力研究所」所長・渡来暦(池田純矢)は世間からオカルトマニアの変人と噂されながらも、超能力の解明に明け暮れていた。ある日、研究所の壁面からまるでテレポーテーションのように突如出現する記憶を失った謎の少女・ノア(生駒里奈)。ルーツを辿る唯一の手がかりは「ノア、必ず帰ってこい。渡来超能力研究所で待つ」と書かれた血まみれのメモ。時を同じくして、首相官邸ではテロ組織が超能力でも無ければ不可能な手口で総理を人質にとり、立て籠もるという事件が発生する……。俳優の池田純矢が作・演出を手掛けるエン*ゲキシリーズ最新作で、“量子力学”をテーマにした謎解きミステリーが展開する。
【CAST&STAFF】
出演/生駒里奈・池田純矢
玉城裕規 松島庄汰・田村心・新子景視
阿南健治 ほか
作・演出/池田純矢
主催/関西テレビ放送・サンライズプロモーション大阪・バール
公式HP
■エン*ゲキ#05『- 4D -imetor(フォーディメーター)』
【INFO&STORY】
私設研究機関「渡来超能力研究所」所長・渡来暦(池田純矢)は世間からオカルトマニアの変人と噂されながらも、超能力の解明に明け暮れていた。ある日、研究所の壁面からまるでテレポーテーションのように突如出現する記憶を失った謎の少女・ノア(生駒里奈)。ルーツを辿る唯一の手がかりは「ノア、必ず帰ってこい。渡来超能力研究所で待つ」と書かれた血まみれのメモ。時を同じくして、首相官邸ではテロ組織が超能力でも無ければ不可能な手口で総理を人質にとり、立て籠もるという事件が発生する……。俳優の池田純矢が作・演出を手掛けるエン*ゲキシリーズ最新作で、“量子力学”をテーマにした謎解きミステリーが展開する。
【CAST&STAFF】
出演/生駒里奈・池田純矢
玉城裕規 松島庄汰・田村心・新子景視
阿南健治 ほか
作・演出/池田純矢
主催/関西テレビ放送・サンライズプロモーション大阪・バール
公式HP
PROFILE
池田純矢(いけだ・じゅんや)
1992年10月27日生まれ 大阪府出身
俳優、声優、脚本家、演出家。06年に「第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で準グランプリを受賞しデビュー。 以後、ドラマや映画の出演で芝居の経験を重ねていく。15年に脚本・演出を手掛ける企画エン*ゲキを立ち上げ 「君との距離は100億光年」を上演。本作は「エン*ゲキ#04 絶唱サロメ」に続く第5弾となる。
公式Twitter
池田純矢(いけだ・じゅんや)
1992年10月27日生まれ 大阪府出身
俳優、声優、脚本家、演出家。06年に「第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で準グランプリを受賞しデビュー。 以後、ドラマや映画の出演で芝居の経験を重ねていく。15年に脚本・演出を手掛ける企画エン*ゲキを立ち上げ 「君との距離は100億光年」を上演。本作は「エン*ゲキ#04 絶唱サロメ」に続く第5弾となる。
公式Twitter
撮影◎大駅寿一 取材・文◎内埜さくら