『甘い鞭』『呪怨』など数々の話題作を執筆した大石圭氏のホラー小説『殺人鬼を飼う女』を、『リング』『貞子』の中田秀夫監督が実写映画化し絶賛公開中。1人の女性が棲む4つの人格を4人が演じる大胆なエロス&サスペンス作品で、主役の櫻木キョウコ役を演じた飛鳥凛さんが感じた、演じる難しさとは。愛犬への愛もた~っぷりと語って頂きました!
4人の人格を4人で演じる為生い立ちを話し合ったんです
──本作の主演は二度目のタッグを組む中田秀夫監督から「ぜひに」とご指名があったとか。「私は眠れなくなるほど怖いホラー映画が大好きで、中田監督の『リング』を何百回も観ているほどの大ファンなので、最高の幸せ感を味わいました。女優冥利に尽きるなって」
──では、櫻木キョウコ(主人格キョウコ)を演じる上で意識したことは?
「キョウコに潜む4人の人格を4人の女優で演じるので、お芝居だけではなくその人の生い立ちや人生をリハーサルの段階で全員で話し合いました。人となりが分かれば腹を割って話せるようになって、演じやすくなると思っていたので。話してみたら4人とも、のめり込んで熱中する性格が似ていたので、信頼して芝居に集中できました。それに特に今回多い濡れ場は、気持ちをさらさないとできないと感じていたので、会話は私にとって必須だったんです」
──ラストの男性1人、女性3人の濡れ場はハードでした。
「前作(『ホワイトリリー』)と同じ手法で事前にスタッフさんと代役の方が演じたビデオコンテを観せて頂いたんですけど、難しくて覚えきれませんでした。ご覧頂くと分かりますが、ツイスターゲームのような体位をしているんです(笑)だから監督から見せて頂いた似ている絵画を参考にしました。それでも難しくて『もっと右!』『もっと脚を開いて!』など大きな声が飛び交う、体育会系の撮影でした(笑)マンションの一室にあるフローリングで撮影するシーンがあったんですけど、室内は寒くないんですが女性陣は末端冷え性で。冷たい指先をカイロで温めながら撮影したんです。あとは最初にレズビアンの性愛シーンがあるんですけど、もしかしたら監督は、洋画にインスピレーションを受けたのかもしれません」
幸せの形は人それぞれと感じ生き方を考えつつ観てほしい
──キョウコと毒母・友香里とのシーンも大変だったのでは?「キョウコが母親に張り倒されるシーンが一番好きなんです。ナチュラルなキョウコは絶望と悲しみに浸っていますけど、張り倒されて感情が爆発した時に、どういう過去を背負ったから4つの人格が棲むようになったかがすべてわかるので。普段のキョウコとは違う、コントラストが表現できたと思います。観ていると気持ちが痛くなって、心が押しつぶされそうにはなりますけど」
──作品にちなんだ質問も。キョウコはほか3人の人格を飼い慣れせませんが自身が我慢できない欲求は?
「愛犬イブちゃんへの愛情です。私がケータイを触ると邪魔をするのに、台本を覚えている時は横でジーッと目を見ておとなしく聞いていてくれるんです。私、お風呂に住めると思うほど湯船に浸かるのが好きで、映画を観ながら長いと3~4時間入るんですけど、心配なのかオモチャを持って見に来てくれますし。散歩の時は必ず話しかけるんですけど、周りから見たら大声で独り言を言う、怪しい人かもしれません(笑)この話をリハーサルで毎日していたら、みんなから『もういいよ』って言われました……」
──あはは! 最後に飛鳥さんが思う本作の魅力を改めて。
「ラストのキョウコが選択した道は、私としてはハッピーエンドだと捉えているんです。自分の意思を貫き通したキョウコは強い女性と感じましたし。でも、現場ではバッドエンドだと言う方もいたので、人によって幸せの形はそれぞれあると感じてほしい。ご覧になって、人の目を気にして生きていくのか、他人に気を遣いすぎず自分らしくあり続けるのか。いろいろなことを考えながら観て頂ける作品です」
INFORMATION
■映画『殺人鬼を飼う女』
INFO&STORY
ビストロで働く美しいギャルソンのキョウコ(飛鳥凛)には、幼い頃に義父から受け続けた性的虐待により、彼女の中に様々な人格が共存していた。キョウコを愛するレズビアンの直美(大島正華)、ビッチなゆかり(松山愛里)、そしてあの頃の小学生のままのハル(中谷仁美)……。キョウコの中の彼女たちは辻褄を合わせ、互いに支え合っていた。しかし、マンションの隣人が憧れの作家・田島(水橋研二)と知ったキョウコが恋心を抱いたことをきっかけに、今まで感じたことのない歪みを覚えるようになり……。タブーなどにとらわれない先鋭的な作品を送り出す「ハイテンション・ムービー・プロジェクト」第1弾作品でもある。
CAST&STAFF
出演/飛鳥凛・水橋研二・大島正華・松山愛里・中谷仁美・浜田信也・吉岡睦雄・根岸季衣
監督/中田秀夫 原作/大石圭「殺人鬼を飼う女」(角川ホラー文庫)
脚本/吉田香織
配給/KADOKAWA
テアトル新宿、池袋シネマ・ロサほか全国ロードショー中
公式HP
(C)2019「殺人鬼を飼う女」製作委員会
PROFILE
飛鳥凛(あすか・りん)
1991年3月28日生まれ
大阪府出身
07年、映画『天使がくれたもの』でデビューし08年に『口裂け女2』で初主演を果たす。その後も映画やドラマ、舞台と幅広く活躍。近年の映画出演作に『ロマンポルノREBOOTホワイトリリー』『のみとり侍』がある。舞台「HERO~2019夏~」への出演が控える。
公式Twitter
公式Instagram
■映画『殺人鬼を飼う女』
INFO&STORY
ビストロで働く美しいギャルソンのキョウコ(飛鳥凛)には、幼い頃に義父から受け続けた性的虐待により、彼女の中に様々な人格が共存していた。キョウコを愛するレズビアンの直美(大島正華)、ビッチなゆかり(松山愛里)、そしてあの頃の小学生のままのハル(中谷仁美)……。キョウコの中の彼女たちは辻褄を合わせ、互いに支え合っていた。しかし、マンションの隣人が憧れの作家・田島(水橋研二)と知ったキョウコが恋心を抱いたことをきっかけに、今まで感じたことのない歪みを覚えるようになり……。タブーなどにとらわれない先鋭的な作品を送り出す「ハイテンション・ムービー・プロジェクト」第1弾作品でもある。
CAST&STAFF
出演/飛鳥凛・水橋研二・大島正華・松山愛里・中谷仁美・浜田信也・吉岡睦雄・根岸季衣
監督/中田秀夫 原作/大石圭「殺人鬼を飼う女」(角川ホラー文庫)
脚本/吉田香織
配給/KADOKAWA
テアトル新宿、池袋シネマ・ロサほか全国ロードショー中
公式HP
(C)2019「殺人鬼を飼う女」製作委員会
PROFILE
飛鳥凛(あすか・りん)
1991年3月28日生まれ
大阪府出身
07年、映画『天使がくれたもの』でデビューし08年に『口裂け女2』で初主演を果たす。その後も映画やドラマ、舞台と幅広く活躍。近年の映画出演作に『ロマンポルノREBOOTホワイトリリー』『のみとり侍』がある。舞台「HERO~2019夏~」への出演が控える。
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撮影◎おおえき寿一 取材・文◎内埜さくら