「第18回TAMA NEW WAVE」コンペティションでグランプリ、ベスト男優賞&女優賞を獲得した映画『ウルフなシッシー』が9月15日から公開中。パチンコ依存症で売れない女優アヤコを演じた根矢涼香さんも語る通りカテゴリーは恋愛映画だが、インスタ映えやキラキラ感といったブームに乗り切れていない人&交際経験がある人が観たら刺さりすぎる名言のオンパレードに“あるある”と納得してしまうはず。観始めたら即引き込まれるので、気になる人はぜひ劇場へ!
辰夫の吐く理詰めの名言に私本気でイライラしました(笑)
──根矢さん演じるアヤコと、大野大輔監督演じる辰夫が同棲する部屋は、リアルな雰囲気でした。「監督の知人男性が住んでいる部屋をお借りしたのですが面白くて、ホテル中にある賃貸マンションなので独特な空気が漂ってました。雑然とした生活感がリアルでそこに缶詰状態で撮影をしたので、アヤコのイライラを募らせるには十分な環境でした(笑)」
──本気でイライラした、と。
「長時間の連続撮影で本気で眠かったことも手伝っていたと思います。あのイラつきは私の素に近いですね。辰夫がアヤコの“痛い”ところばかり理詰めで突いてくるから、さらけ出すしかなかった…。けど、それも含め結果、撮影はすべてが楽しかったですね」
──辰夫の台詞、名言のオンパレードですからね。
「監督が脚本も執筆されているのですが『自分が言える台詞しか書かない』とおっしゃっていました。『重いねー。重いよあなたは。結論ばっか出そうとすんなよ、何でもかんでも結論があると思うなよお前』とか、『どん詰まりの状況だろうとそれを肥やしに変えろよ』とか、本当に刺さる言葉ばかりなんですよね。監督には現代のウディ・アレンになって、これからもたくさん映画を撮ってほしいです」
──では、そんな名言を放つ辰夫のような男性と付き合えますか?
「めっちゃいいヤツだしアヤコに対する深い愛情があるからこそケンカが成立している場面もあるんですけど…絶っ対に無理です!(笑)だってアヤコに貸したお金以外に、缶コーヒーを奢った分までパソコンで100円単位で管理しているんですよ!口に入れようとしたおでんの卵の金額まで借金額に加算されて私、無意識に口から出していましたから。そこは優しさで割引にしてほしいじゃないですか(笑)」
泥臭いアンチキラキラな映画ラストの3段階オチも見所!
──劇中では2人がお酒を飲みながら口論していますが、根矢さんは普段飲みますか?「今は撮影があるので控えていますが、結構飲むほうだと思います。自宅には焼酎や日本酒、マッコリなんかを常備していて、ファンの方々もお花の代わりにお酒をくださったりすることも。シラフで寝るといろんなことが頭をよぎってしまったり、寝付きが悪いのでそんな時はお酒の力を少しだけ借りたり…あ、アル中じゃないですよ!」
──映画に話を戻しましょう(笑)本作のポスターやグッズのイラストを担当したそうですね。
「そうなんです!写真を撮ったり絵を描いたりするのが大好きで、自画像を描いて載せていたSNSを見て頂き、オファーしてくださったんです。運動、特にチームスポーツは苦手なんですけど美術部だった経験が活きました。今後も自分が関わった作品に役立てられたら嬉しいですね。“文化系女優”と名乗れるようになることが理想です」
──有難うございます。最後に改めて、本作の魅力を。
「恋愛映画というと少女漫画っぽいテイストを思い浮かべがちだと思うんですが、この作品は“アンチキラキラ”。暴力のない会話だけのボクシングで展開していくので、交際経験がある人はイライラしながら観て頂けると思います。屁理屈で応酬するルーザー(敗者)同士の泥仕合で下劣だけど、私は辰夫とアヤコみたいなカップルのほうが泥臭くて人間らしいと捉えています。口コミで広がるタイプの映画だと思うので、じわじわ伝わってロングランになってくれたら嬉しい。ラストの3段階のオチにも注目して下さい」
INFORMATION
■映画『ウルフなシッシー』
INFO&STORY
売れない女優アヤコ(根矢涼香)は、舞台のオーディションに落選した憂さ晴らしのため、こじゃれたバーで親友ミキと盛り上がっていた。そんなさなか、アヤコの“破局寸前”の彼氏でAV監督の辰夫(大野大輔)が呼んでもいないのに姿を現す。空気が読めない辰夫によって、場の空気が一気に険悪なムードへ。ミキが帰り、残された辰夫と泥酔したアヤコは互いの不平不満を吐き出し、罵詈雑言の応酬へと突入する…。17年の「TAMA NEW WAVE」コンペティションでグランプリ、ベスト男優賞、女優賞の三冠受賞作が、満を持して劇場公開!
CAST&STAFF
出演/根矢涼香・大野大輔・真柳美苗・中村だいぞう・本村壮平・小池首領・田中一平・椎名綾子・高橋信多・増井孝充・三原哲郎・下城麻菜・相田淑見・志津将寿・大友久志・しじみ
監督・脚本/大野大輔 配給/楽しい時代・モクカ
公式HP
公式Twitter
9月15日(土)より新宿ケイズシネマにてレイトショー
(C)楽しい時代/モクカ
PROFILE
根矢涼香(ねや・りょうか)
1994年9月5日生まれ 茨城県出身
14年、映画『したさきのさき』が「ぴあフィルムフェスティバル2015」で4冠を受賞し話題に。映画出演作は他に『獣道』『三つの朝』『神と人との間』『彼女のひまわり』『みつこと宇宙こぶ』『少女邂逅』などがある。
公式Twitter
公式Instagram
■映画『ウルフなシッシー』
INFO&STORY
売れない女優アヤコ(根矢涼香)は、舞台のオーディションに落選した憂さ晴らしのため、こじゃれたバーで親友ミキと盛り上がっていた。そんなさなか、アヤコの“破局寸前”の彼氏でAV監督の辰夫(大野大輔)が呼んでもいないのに姿を現す。空気が読めない辰夫によって、場の空気が一気に険悪なムードへ。ミキが帰り、残された辰夫と泥酔したアヤコは互いの不平不満を吐き出し、罵詈雑言の応酬へと突入する…。17年の「TAMA NEW WAVE」コンペティションでグランプリ、ベスト男優賞、女優賞の三冠受賞作が、満を持して劇場公開!
CAST&STAFF
出演/根矢涼香・大野大輔・真柳美苗・中村だいぞう・本村壮平・小池首領・田中一平・椎名綾子・高橋信多・増井孝充・三原哲郎・下城麻菜・相田淑見・志津将寿・大友久志・しじみ
監督・脚本/大野大輔 配給/楽しい時代・モクカ
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9月15日(土)より新宿ケイズシネマにてレイトショー
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PROFILE
根矢涼香(ねや・りょうか)
1994年9月5日生まれ 茨城県出身
14年、映画『したさきのさき』が「ぴあフィルムフェスティバル2015」で4冠を受賞し話題に。映画出演作は他に『獣道』『三つの朝』『神と人との間』『彼女のひまわり』『みつこと宇宙こぶ』『少女邂逅』などがある。
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撮影◎おおえき寿一 取材・文◎内埜さくら